巨人小笠原、メンヘラ配信者と同棲する【#3 コミュニケーションと、配信と】
同じ夜型ということもあり、段々と同棲にも慣れてきたのは巨人小笠原(48)。今日もあめちゃんとのコミュニケーションを欠かさない。
「何でこんなことやらなきゃいけないのよ」
「配信者だからってコミュ力を磨かないのは間違ってるぞ。昨日なんて早口で自分の言いたいことだけ言って……」
ひたすらに頭を撫でる。これならもう、キxタマを蹴られることはないだろう。
「オタクくんたちにも、この感覚を味わってもらいたいな。よし、次の配信はASMRにしよう!」
「楽天の浅m」
「また股間蹴られたい?」
カッスとの話し合いの結果、2日連続でコミュニケーションからのASMR配信を行うことになった。
オタクは単純だ。フォロワーはどんどん伸びていく。
「これでフォロワー1万人達成!滞納してた家賃が払えるね、カッスさん!」
「そろそろディカプリオって呼んでくれよ、あめちゃん。おめでとうと言いたいけど、まだまだ通過点だよ。あと25日で100万人を目指すんだろ?今日の夕飯はz……」
「また何かやましいこと考えてるよね?」
カッスは閉口した。若い女子は下ネタに敏感だ。
「間違えた、ラーメンを作ってあげるよ」
そう言ってカッスは台所へと消えた。
ところが、見つけた袋麺はなんとサッポロ一番。
サッポロというネーミングで何かを思い出したカッスはその場で死亡した。
なお、明日の昼食には間に合う模様。
その頃、小笠原コーチは首都圏某所にある病院のベッドに横たわっていた。美代子夫人は、涙ながらに医師に問いかける。
「主人は助かるんでしょうか」
「幸い、容態は安定しています。ただ、いつ急変するかは分かりません」
無機質な電子音だけが、病室に響く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?