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国際標準化交渉と社内政治のどろどろと交渉ノウハウが学べる一冊

ども、しのジャッキーです。「実録・交渉の達人」って本を読んだんですが、すごかった。デンソー社のQRコード、ソニー社のフェリカの国際標準化を勝ち取るための国際交渉を「戦争」と呼び、その舞台裏を赤裸々に描いたノンフィクションという「まえがき」はほんまもんでした。

国際標準化交渉と社内政治のドロドロ

著者の原田さんが、ソニー社に所属していたころの話を書いています。QRコードの国際標準でデンソー社ではなく、ソニー社の原田さんがなぜ動いていたのか、と「へー、そういう仕組みがあったりするんだー」と面白いです。

そういった標準化の戦いだけでなく、一方で、社内で標準化の活動の地位が低く、社内政治との駆け引きという側面も、ドロドロと描かれています。また言葉選びは、柔らかくなく、基本的にギザギザしてます。読みながら、なんかヘビににらまれたカエルな気持ちになってきます。なので人によっては吐き気がするかもしれません。

ソニー社もこんな暴露的なこと書かれて大丈夫かしら、と思ってしまうくらいの内容で、いろいろな意味で非常に学びの多い書籍でした。

交渉のノウハウ

ドキュメンタリー的な要素だけでなく、そこからもとに、交渉に関する実践的なノウハウを形式知化した内容もまとめられています。

取引とは懇願と恐喝の間にあるもの

例えば、以下。交渉の両極端を「懇願」と「恐喝」と置きます(この言葉選びのセンス。ギザギザしてんなー)

その中間に位置するのが取引であり、そこは人の欲(合理)で訴えられるが、両端については、人の情(不合理)に訴えるのだ、と。また、結局のところ、日常活動において交渉材料を蓄積する、という基本動作について、考えさせられました。

会議活動の順番と場内・場外の使い方

そして、実際に交渉を行う会議活動においても、順番と場の設定の仕方についてと、国際社会においてマイノリティである日本の戦略というのもからめて以下のようにまとめています。

最後に、交渉の5W1Hと手順というのも書かれていますが、そちらはもうちょい複雑なので、書籍に譲ります。こういった交渉に関して、現場の臨場感も感じつつ、ノウハウも勉強できる書籍として、文章の重たさというか、読んでてツラさがある文体ではありますが、非常に学びの多い一冊でした。

おわりに

以下の新任マネージャーの心得というマガジンにこういった記事をまとめているので、もしよかったらのぞいてみてください。本記事への「スキ」やアカウントのフォローをしてもらえると励みになります!

「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標にnoteを更新してますしのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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