意思決定に関わるステークホルダーを管理する便利な二つフレームワーク
前回は意思決定のプロセスには、影響を受ける人を特定し、相手にとっての意義を理解してもらい、プロセスに主体的に参加してもらう必要がある、ということを学びました。
今回は、意思決定プロセスを管理するツールの一つ「RACIマトリックス」についての学びを共有します。
RACIマトリックスとは
RACIマトリックスとは意思決定に関わる人たち把握するためのツールです。意思決定の関係者を、以下4つの役割で整理します。
Responsible: 実行責任がある人。通常1人
Accountable: 説明責任がある人。通常は承認者でありAの人の部下
Consulted: 相談先。意思決定に関して意見や情報を提供してもらう人たち
Informed: 報告先。ここに意思決定の状況を随時伝える必要がある
マトリックスというくらいなので、これらの意思決定においての役割を以下のようにマトリックスにして整理します。
PMP的には人的資源マネジメント
数年前にPMP(Project Management Professional)という資格の勉強の時にRACIマトリックスについて勉強した記憶があり分厚い教科書を見直してみました。PIMBOKガイド5版においては9.人的資源マネジメントの項目の組織図と職位記述書のツールとして紹介されていました。抜粋すると「チームが内部要員と外部要員の混成である場合、役割と期待を明確に区分する上で、RACIチャートは役立つツールである」とのこと
RACIの曲者
個人的には、RACIの中で最も曲者はのは、Informedなんだろうな、と思いました。しばらくPJが進んだ時に「そういえば、Aさんには相談したか?」みたいな話になって、その人は情報提供者というよりは、組織内において影響力が強く、そのPJの前提をひっくり返されるようなことがあるように思います。
関与度評価マトリックスでGapを見える化する
そこでさらに思い出しました。PMPの13.ステークホルダーにおいて、プロジェクトに影響を与えたり、プロジェクトによって影響を受ける可能性のあるステークホルダーについて関与度評価マトリックスを作ることが勧められています。ステークホルダーを洗い出した上で、「不認識、抵抗、中立、支持、指導」という五段階で現在の状態と望ましい状態を評価し、ギャップを特定するというものです。
まとめ
今回は、「意思決定に関わるステークホルダーをRACIマトリックスで役割分担を明確化する。プロジェクトの関与度の現状とあるべき姿のギャップを関与度評価マトリックスで特定すると取るべきアクションが見える化される」という学びを得ました。次回は、第四章「曖昧さを管理する」に突入します。
本コンテンツについて
Linkedin Learningで「適切な意思決定をするには」というプログラムでの学びを2021年2月9日から2021年2月23日に、Facebook上で、学びや気付きなどをアウトプットしたものを加筆・修正した12回前後でお届け予定です。
全体はこちらのマガジンにまとめていきますので、ご参照ください。
ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。
しのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie
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