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ESG投資拡大の起爆剤となったPRI(責任投資原則)についてまとめてみた

本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。以下の投稿で日本ではESGの認知が低くSDGs偏重である、ということを学び、ESGについてもっと勉強しないとな、と思いました。

ということで、NPO法人日本サステナブル投資フォーラム会長の荒井勝氏のセミナー動画を見てみました。ESG投資というのはサステナブル投資の中の一つの手法のように捉えた方が良いようで、以下、サステナブル投資について、ということで記載します。

世界と日本のサステナブル投資の資産額

The Global Sustainable Investment Review 2018によれば、以下の図のように世界のサステナブル投資の資産額は2018年では約30兆ドルで、2016年に比べて34%増加しています。日本は、2016年は0.5兆円程度だったのが、2018年は約2.2兆ドルと2年で約4.6倍に急拡大しています。
(ちなみに2020年のレポートはそろそろ出るみたいです。)

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サステナブル投資成長のきっかけとなったPRI

このように、拡大が続く、サステナブル投資ですが、世界的にみて、大きなきっかけとなったのは、2006年に国連によって発足した責任投資原則(PRI)だと言います。

世界最大の年金基金である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)、通称GPIFが2015年このPRIに署名したことが日本におけるサステナブル投資の拡大の発端となっています。

国連によるPRIのレポート(レポートはこちら)を見ると、署名機関数と署名した機関の運用資産額は2006年の発足以来、右肩上がりで伸び続けていることがわかります。

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このPRIによって、投資家の投資運用手法が変わったことがESG投資の本質のようです。サステナブル投資の運用手法には大きく7つあり、それが以下となります。説明内容は、私がいくつかのサイトを見て要約してます。

インパクト投資:社会・環境に貢献する技術・サービスの提供企業に投資
サステナビリティ・テーマ型投資:SDGsなど特定テーマに着目した投資
ポジティブ・スクリーニング:特定業種・企業に投資する
規範ベース・スクリーニング:業界横断の基準を基に投資対象を選択
エンゲージメント:議決権行使や株主として建設的な対話を行う
インテグレーション:財務情報と非財務情報のバランスを考えた手法
ネガティブ・スクリーニング:特定業種・企業に投資しない

これら7つの運用手法別のサステナブル投資額は、以下となっています。横軸の金額は兆円です。

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出典:エネルギー白書2021の第2章より(PDFこちら

欧米では、ネガティブスクリーニングが多いのに対して、日本は非常に少ない。また、米国ではインテグレーションが非常に多い。一方、欧州と日本では、エンゲージメントとインテグレーションが同じくらい。

アメリカはネガティブ・スクリーニング、インテグレーションに比べて、エンゲージメントの割合は少ないんですね。

ESGインテグレーション

さて、サステナブル投資の中で大きな割合を占めているインテグレーション(正確にはESGインテグレーションと呼ばれるようです)。PRI(責任投資原則)の発足によって、このESGインテグレーションが行われるようになったことが、サステナブル投資の昨今の急成長につながっているそうです。

ここからは、自分自身が説明の深い内容について、残念ながらついていけなかったので、雰囲気として理解できた内容を記載します。

PRIができる前までの、サステナブル投資ではESGの項目に関してのみで評価され、必ずしも財務諸表やポートフォリオの最適化などが考慮されていなかった。これがPRIができることによって、機関投資家が通常行っている、アクティブ運用(マクロ・産業・個社分析によるポートフォリオ構築・最適化による運用)やパッシブ運用(指数連動型)にESG情報(評価)を組み込んで(インテグレーションして)運用ができるようになったと言います。

ようは、PRIができたことで機関投資家が通常行っている投資プロセスに、ESGの要素を組み込みやすくなったと理解しました。

PRIの発足に当たって、グローバルコンパクトとともに発足していることによって投資対象となる企業側の協力(情報開示など)も得られる形でスタートできたことも一つのキーポイントだったのだと思いました。

国連グローバル・コンパクト
国連グローバル・コンパクトは企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するためにの世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組み。人権、労働、環境、腐敗防止に取り組んでいる。2019年時点で日本からも300を超える企業・団体が参加。世界で1.3万を超える企業・団体が参加。(荒井勝氏の講演資料を元に作成)

PRIが発足するまでの動き

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PRIが発足するまでの、簡単な歴史は、上記の図になるようです。

1972年に国連環境計画(UNEP)ができ、環境問題がグローバル課題として認識された。それから20年の時を経て、1992年にUNEPの下に、金融イニシアティブ(UNEP FI)ができ、環境問題の解決には金融が関わっていく必要性があることが認識された。ただし、当時は銀行、保険会社の参加に留まる。そして、2006年、UNEPと国連グローバル・コンパクトにより責任投資原則(PRI)が発足。これによって、年金基金をはじめとした投資家が環境問題に取り組んでいかないと解決は難しいという理解とともに、ESGを機関投資家の投資プロセスの中に統合(インテグレーション)させていく動きが拡大していくことになったわけですね。

PRIが発足した当時の国連事務総長コフィー・A・アナン氏は以下のような発言したそうです。

たとえ強力な政治的バックアップや草の根の支援を受けても、投資の分析・評価に「持続可能な発展」の観点が積極的に組み込まれない限り、「持続可能な発展」自体が牽引力を得るのは困難であり続けると考えたのです

ちなみに、日本のサステナブル投資のはじまりは、1999年にできたエコファンドとされているそうです。2007年には1.1兆円まで資産が積み上がったがリーマンショックによって資産が減ってしまった。SDGsの動きが出てきたことによって、投資信託なども増えてきているそうです。

ということで、今回のnoteではESG投資拡大の起爆剤となったPRI(責任投資原則)についてまとめてみました。

2021/9/2追記

グローバルコンパクト、PRIに至るまで背景についてもう少し知りたい方はこちらの記事もご参照ください

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie


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