経産省DXレポート2.1、8/31でたよ
経産省より2021年8月31日、DXレポート2の追補版というのが出ました。2020年12月28日にでたDXレポート2(中間とりまとめ)からのアップデートです。以下、私の所属企業に関する記載がありますが、あくまで個人としての意見です。
そもそもDXレポートって
2018年9月7日に最初のDXレポートがでて「2025年の崖」という表現で、昔からあるITシステム(メインフレームとかレガシーシステムなんて呼ばれる)が、このまま新しいシステムに更新されないと、なんかあったときメンテナンスしたり、作り替えたりするにしても、中身わかっている技術者が全員引退しちゃって、社会が混乱するぞ、やべーよ、という警鐘を鳴らしたレポートです。
そして、「ITシステムをクラウド移行しよう」みたいなメッセージ以上に、デジタル化って根本的に事業のかたちを変えていく威力を持ってるぞ。ただの効率化のツールじゃなくて、差別化の源泉で、事業自体をデジタルに合わせて変革する必要があるぞ、というメッセージからデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation =DX)と言っています。
Transformationは変容という意味で、transの部分を英語圏では「X」と書くためDXと略します。決してデラックスのDXではありません。
ちなみに、経産省によるDXの定義は以下です。調査会社のIDCさんの定義がベースになってます。
経産省によるDXの定義
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
DXレポート2.1はユーザー企業とベンダの関係に深く切り込んだ
ものすごくかいつまんでいうと、DXレポート2は、最初のDXレポート以降、DX化が全然、進んでない。やべぇよ。もっと促進するために以下の取り組みをしていきます。という宣言でした。
今回のDXレポート2.1のメッセージは、前回のDXレポート2にあった「政策の方向性として「レガシー企業文化からの脱却」、「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」の必要性って部分をもっとアグレッシブな表現でユーザーとベンダーの関係に警鐘を鳴らす内容になっています。
以下のスライドが象徴的でしょう。ユーザーとベンダーは「デジタル競争を勝ち抜いていくことが困難な「低位安定」の関係に固定されてしまっている」。そのため互いに変化に踏み出せずにいる、と問題を深堀りした表現になりました。
もちろん、丸井グループさんのように、DX人材を育成しているユーザー企業もいらっしゃるわけですが、そういうことができている企業と、できていない企業に二極化している、というのがレポート2での課題提起でした。
ベンダーは変わっていないのか?
じゃあ、ベンダー側は変わっていないのか?といいますと、もちろん変わろうとしています。手前みそですが、私の所属しているNECでも、例えば、以下の会見を取り上げた記事にあるように、ここ数年、ITユーザー企業の、デジタル戦略作成のレイヤーからコンサルティングするサービスの強化に取り組んできています。
今回のDXレポート2.1の中で、以下のようデジタル産業における企業のパターンを4つを提示しています。DX戦略のコンサルティングを提供することは、この中の「1. 企業の変革を共に推進するパートナー」に当たりますね。
DXレポートの今後
今後の施策ということでは、以下の4つが今年度中との記載ありました。ご参考まで。
・DXの認知・理解向上
認知向上に向けては、リファレンスシナリオ等を今年度中に策定
・DX成功パターン
デジタルガバナンス・コードの業種別リファレンスシナリオ(手引き)との整合性を図りながら、今後有識者との検討を進め、パターンを具体化。今年度中をめどに公表予定。パターンを具体化。今年度中をめどに公表予定。
・デジタル産業指標(仮)
デジタル産業指標(仮)を今年度中に策定。
・デジタル技術を活用するビジネスモデル変革の支援
中小企業向けDX推進指標を今年度中に策定予定。
本日2021年9月1日、デジタル庁も発足しましたし、一層のDXが進む機運が出てきています。デジタルによって、豊かな生活と持続可能性が両立された社会づくりが進んでいってほしいですし、そこに私自身も少しでも貢献していきたいですね。
DXについての記事は以下の「マガジン」にストックしてますので、併せて覗いてみてください。
ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。
しのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie