成熟企業の競争戦略読んでたら自社のValues/行動基準の理解が深まった話
ども、しのジャッキーです。今回のnoteは自慢話(?)です。
なんと、所属企業がダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビューに載ってました!
「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー22年4月号」です。「デジタルディスラプションに立ち向かい成熟企業の競争戦略」という特集号で「創業以来培ってきた資産をどう活かすか NECの存在意義を問い続け、世界に誇る技術力を価値に結び付ける」というタイトルで、森田CEOの10ページにわたるインタビューです。
会社の中でも様々な発信で森田さんの目指す方向性については見聞きしているわけですが、こうやって外部に発信している内容は、そういう中でも特に大切な内容が書かれていると思うので、抽出してみたいと思います。
2000年来の長期の低迷の原因は?
以下、私なりに超訳で、引用ではありません。
多角化と事業部ごとの個別最適のサイロ化により、選択と集中の投資最適化できなかったこと。
大企業の事業責任者は、お金に無頓着で本社をつつけば降ってくると思っている。管理会計が行き過ぎて、自部門をよく見せることに腐心して、技術を価値に転換するのが下手。長期視点も持てない。
お金に無頓着という話は、5年以上前、総合電機各社の中でいち早くV字回復を達成した、日立を特集した記事の中で、故 中西さんもおっしゃっていたことを思い出しました。
問題にどのように取り組んだのか?
会社という組織のメンバーみんなのベクトルをそろえる必要があった。一方で経営陣ですら互いのことをよく知らなかった。合宿をし、対話をし、NECの存在意義を問うた結果、「社会価値創造」を実現すること、技術力を社会の価値につながれられる会社に転換することを掲げた
事業をたたむ判断は当事者にはできない。事業を俯瞰できる立場、上位レイヤーの仕事。
存在意義、最近はパーパス経営とか、パーパスという言葉が流行ってます。NECのパーパスは以下です。
私自身、以下の記事で、自社も含めて総合電機8社のパーパスにあたるものを比べて、自社分析をしました。
その中で、特に面白かったのは「公平」という言葉です。良い意味でも、悪い意味でも、NECをよく言い表しているように思います。よくNECは自己アピールが下手とか言われるのですが、なんかパーパスの中に公平って書いてあると、それもしょうがないか、と思えてきてしまいました(苦笑)
平等ではなく、公平、という言葉を選んでいることにも好感を覚えます。誰彼構わず、平等というのは不公平だと思うからです。努力が報われないように感じます。
だからこそ、パーパスでも「安心・安全・公平・効率という社会価値を創造し、人間性を十分に発揮できる」という流れになっています。スポーツでいえばフェアプレーであり、それは人間性に通じるというのはその通りだな、と腹落ちしました。
以前から、なんとなく、「公平」という言葉が入っていることが特徴だよなー、と思っていたのですが、8社を並べてみることで、はっきり認知することができました。おすすめです。以下、ご参考ください。
さて、記事に戻ります。
競合やベンチャーが台頭する中でNECの強みは?
ベンチャーとの違いは、歴史の中で積み上げてきた信頼感や安心感といった資産。しかし、その資産を漫然と使っていては消費されてしまう。勝負する領域の決定が重要
現在の注力領域は「デジタル・ガバメント/デジタル・ファイナンス」「グローバル5G」「コアDX(デジタル・トランスフォーメーション)」
自前主義にこだわらず、「コア」「準コア」「オフ・ザ・シェル(既製品)」の技術を見極め、組み換えていくことも前提で戦略的に取り組み
パーパス経営と対でよく出てくる言葉がステークホルダー資本主義です。これまでの株主至上主義の資本経済から、より広い範囲のステークホルダーを重視した経済モデルへのシフトが求められています。それは、人間の持つ地球環境への影響力があまりに大きくなり、俺が俺がで個別企業が競争をし続けるのに、戦場である地球が耐えられなくなったからです。それが明確に表れたのが気候変動だと、私はとらえています。
そのため競争ではなく、共創が社会に求められているのだと思います。競争はゼロサムゲームで、win-loseの関係です。共創は、パイを大きくしていく、win-winを目指すものです。それは単純な経済成長ではなく、豊かさの成長なのかもしれません。いずれにせよ、その時に、長期的な信頼関係というのは大きな資産なのだと思います。
とにかく決めて、先に進む意思決定
意思決定は「拙速でいい」、50点でも60点でもいいから、とにかく決めて、先に進む。必要な部分は後から修正すればいい。
従業員エンゲージメントが低いのは経営課題。中計の目標指標にした。経営者がNECの存在意義を問い続け、賛同してもらい、そこに誇りを持ってもらうことが問われている。称賛されるべき行動は存在意義がはっきりすることで明確化される。意思決定もシャープになる
2019年度から2期連続で最高益を更新した。2022年3月期は将来成長を見据えた計画を提示したうえで、減益を発表したら14%株価が落ちた。これは私たちが信頼されて切っていない証左。
「長期利益の最大化、短期利益の最適化」を言い続けている、方向性は間違っていないと確信している。リアリティを感じてもらえるよう実績と戦略の裏付けあるストーリーを示していく
「とにかく決めて、先に進む。必要な部分は後から修正すればいい。」。私はちょっとだけ違うように言いたいと思います。「とにかく決めて、先に進む。そこから学び、一人ひとりが成長できればいい」と言いたい、と思います。
あとから修正できないことだって、あると思うのです。私は究極的にはそれでいいと思います(もちろんコンプライアンスや人命にかかわるようなことはアウトですが)。重要なことは、その経験を一人一人が成長の糧にできるか、どうかだと思います。一人ひとりがスピード感をもって行動し、成功も失敗もオープンにしていくことだと思います。
「称賛されるべき行動」という言葉が記事中にありました。NECでは、Code of Values(行動基準)というものが以下のように定義されています。
「組織はオープン、全員が成長できる」からこそ、もっと成長したいという情熱が生まれ、自らやり遂げたいと思いますし、そのためにスピード感もって行動ができます。成長の糧を探して視線は外に、未来に向かいます。時に失敗もします、思うように進まない時もあります。しかし、そこから学びを抽出することを愚直に繰り返すことで、シンプルに思考し、戦略を示せるようになるのだと思います。最初からこれは無理です。最初は、できる人が背中を押したり、手を引いてあげたり、する必要があると思います。
私自身、2020年に管理職に昇格して、2021年からは、このnoteだったり、チームメンバーとの1on1を通して、経験学習のサイクルを、毎日何回もまわしています。そこから日々感じられる成長実感から、このnoteを書くことも、正直けっこうツライのですが、やめられなくなっています。
と、なんか書き出したときは、さらさらっと、自社のことがダイアモンド・ハーバードビジネスレビューに載ったぜ「うぇ~い」って軽い記事でサクッと書き終えるはずだったのに、気づいたら1時間以上書いてる。。。まぁ、いいんです。こういうのが良い内省になるんです。
ということで、成長実感をえるためには、という過去記事を貼って、今日は筆をおきたいと思います。
あ、もし書店で見かけたら、ぜひお手に取ってみてください。
おわりに
以下の新任マネージャーの心得というマガジンにこういった記事をまとめているので、もしよかったらのぞいてみてください。本記事への「スキ」やアカウントのフォローをしてもらえると励みになります!
「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標にnoteを更新してますしのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie
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