未完の超重要経営理論「ダイナミック・ケイパビリティ」変化する力はどう獲得するのか?
どもっ、しのジャッキーです。本記事は、経営理論に関する個人的な学びをアウトプットするものです。
昨年、2021年に「世界標準の経営理論/入山章栄」を集中的に勉強しました。以下は、2021年に読んだ私の本からの推し本10選を紹介した記事からの引用です。
本書では、どの理論も非常に示唆に富み、学びが多かったのですが、一つ、非常に大事なんだと思うんだけど、消化不良感が強かった理論があります。それが「ダイナミック・ケイパビリティ」です。
ダイナミック・ケイパビリティ概要
ダイナミック・ケイパビリティ理論は、「世界標準の経営理論」の第2部マクロ心理学ディシプリンの最後、第17章で取り上げられています。
ダイナミック・ケイパビリティは「環境に合わせて変化する力」を説明する理論です。組織の行動プロセスのパターンとして埋め込まれた「ルーティン」の上位概念であり、リソースを絶えず組み合わせなおすことを「ルーティン化」することで、以下のように表現できると思います。
書籍の中でも理論としては未成熟で、ダイナミック・ケイパビリティを高める方法の決定打は未完としつつも、デイビッド・ティース氏の「センシングとサイジング」をキャスリーン・アイゼンハート氏の「シンプル・ルール」が有望な理論として提示されています。デジタル化によって、どんどん加速する変化のスピードに対して、変化する力が企業の競争力の源泉になるということに異論はあまりないでしょう。
ティース型:センシングとサイジング
デイビッド・ティース氏が提唱した「センシングとサイジング」は、事業機会・脅威を感知する力であるセンシング(サーチと同義、サーチの詳細はこちら)と、その機会・脅威を実際にとらえるサイジングからなります。
アイゼンハート型:シンプル・ルール
キャスリーン・アイゼンハート氏が提唱する「シンプル・ルール」は、読んで字のごとしですが、変化が激しい環境下では、数を絞ったシンプルなルールを組織に徹底させることを説きます。事例としては、以下のまとめの図の通り、シスコ社やレゴ社の事例が挙げられています。
おわりに
冒頭にも申し上げたようにダイナミックケイパビリティは未完の理論ということで、消化不良の章でした。個人的には、絶えず組み換える際に、ルーティン自体が邪魔になるわけなので、アンラーン(脱学習、学びほぐし)といった話題があったりしないのかな、と思いました。特に、シンプル・ルールなんかは、もはやトップ次第では、、、と思ってしまいました。
そんな風に思っていた、あるときに、Facebookでおなじく、世界標準の経営理論を精読されている方が、2021年に読んだおすすめ本を紹介している中に目ざとく見つけたのが慶応大学商学部・商学研究科教授の菊澤 研宗氏の"「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学"という書籍でした。
菊澤教授は、カリフォルニア大学バークレー校でデイビット・ティース教授に師事していた方で、ティース型「センシングとサイジング」について深く学べるのではと思い、年末に買って積読になっていたのですが、やっとちょぼちょぼ読み始めましたら、これがかな~り、面白い!
ということで、これから目標は週に1本、本書からの学びをアウトプットしていきたいと思います。
続き書きました
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