合理的に失敗してしまう不条理にダイナミックケイパで立ち向かえ #ダイナミックケイパビリティ
ども、しのジャッキーです。ここのところ"「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学"に関して、学びのアウトプットをしております。この著書の菊澤先生の以下の記事が、企業内新事業開発者コミュニティ「IntraStar(イントラスター)」で話題になってました。
人や組織が合理的に失敗する現象=不条理
記事のタイトルにもなっている不条理は「人や組織が合理的に失敗する現象」のことで、当方のnoteの連載では第3回『「ダイナミック・ケイパビリティ」は組織の不条理をどう回避するのか?』で取り上げ以下のようにまとめました。
ダイナミックケイパビリティの問題解決プロセス
この原因として、組織の中の取引コストに着目して解決のアプローチを"「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学"の中では解説されています。結論だけ書くと以下の3つ要素からなるプロセスを回し続ける、ということを言っています。
コミュニティで投げかけられた「問い」
さて、企業内新事業開発者コミュニティ「IntraStar(イントラスター)」のスレッドで以下のような問いが投げかけられました。
両利きの経営とダイナミックケイパビリティの経営の違いは?
せっかく、勉強しているところなので、自分自身の理解を深めるために考えて書いた投稿が以下です。
経済学なのか認知心理学なのか
問われてみての気づきは、「世界標準の経営理論」で、ダイナミックケイパビリティは第2部のマクロ心理学ディシプリンの経営理論の最後17章に入っています。(ちなみに、マクロ心理学というのは入山さんの造語です。)
それに対して、ダイナミックケイパビリティの本家の一つであるデイビッド・ティース氏に学んだ菊澤氏は、「世界標準の経営理論」でいうと第1部の経済学ディシプリンの経営理論の中のSCP理論(ポーターの競争戦略のもととなる理論)、RBV(リソース・ベースト・ビュー)、取引費用理論という系譜の先に位置付けています。このあたりの系譜については、以下の記事に書いてみました。
「世界標準の経営理論」の中で、取引費用理論については、以下のように書かれています(篠崎が要約)。
人間はそんなに合理的じゃねーぞ
そんでもって、第2部のマクロ心理学ディシプリンの一番最初の章にあたる「第11章:カーネギー学派の企業行動理論(BTF)」で、以下のような感じで、カーネギー学派は経済学に対して、「お前らのおいてる前提は現実的じゃねー、人間はそんなに合理的じゃねーぞ」とより現実に即した理論を構築を行っていったのがマクロ心理学ディシプリンの経済理論群の系譜として紹介されています。
そんでもって、カーネギー学派が構築した以下「マーチ=サイモンの組織意思決定の循環プロセス」ってのは、「世界標準の経営理論」の中で、私が気に入っていたチャートのベスト3に入るやつです。
組織にしても人にしても、変化することに対して、左側の負のループと右側の正のループのバランスの中にあるんだと思います。
両利きの経営では、イノベーションのトリガーを引くための新事業開発組織を負のループから遠ざけ、正のループに専念できるように、サーチをする探索と深化をするチームを分ける、探索のチームを出島のような形にしてみる、矛盾の解消はトップマネジメントががんばる、といったことを書いていると思います(うろ覚え)。
人間は合理的に失敗すんぞ
さて、ダイナミックケイパビリティの経営に関しては、まとめ中なのでまだ、理解が十分に整理されていないのですが、危機感もあって、がんばっているのに、既存のパラダイムにそって頑張ってしまうので、どんどん泥沼にハマっていってしまうという、人間は合理的にも失敗するという不条理をどう解決するかを課題としています。
なんか、結局、同じような結論に近づいていきそうな気もするのですが、これからダイナミックケイパビリティについては、もうしばらく勉強しようと思っているところだったので、学びを深める機会になりました。「問い」かけていただいた方に感謝です。
参考:ダイナミックケイパビリティについての連載記事(本投稿時点)
日本的経営と #ダイナミックケイパビリティ は相性が良いのか?
おわりに
このほか、当方の経営理論に関する記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。
ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。
しのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie