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【詩 三日月 no.2】

〈はじめに〉
 
 こんばんは。はじめまして、の方もいるか
もしれませんが、今宵もお付き合いください
ませ。第2夜(こう書いてしまうとマンガ、
深夜食堂みたいですが…)三日月です。
 三日月は、占いを知る方はご存知でしょう
が、恋愛成就の月と言われていたりします。
ギリシャ神話の恋愛の女神「アルテミス」に
由来するそうで、新月に願い事をするのも良
いのですが、効果的なのは三日月らしいです。
アクセサリーも沢山ありますね。

  では、どうぞ─────────


 三日月 no.2

うごめく空気のすきまを縫って
あなたと到達を試みた
ゆび先の、温もり(余光)

夢のみぎわに手首を浸し
リストカットする寸前の呼吸を葬った

搾りたてのオレンジのような
新鮮さが欲しい
デッドストックと引き替えに

(夕飯を抜く)

空白を埋めるため外出をすれば
中華料理店の赤い看板
底無しの井戸に落ちていくような気分の日
あたたかな料理で蘇生してくれた
店主のハスキーな声を覚えておく
駅までの長い道すがら
錆び付いたままの
ガードレールを覚えておく
見上げることのなかった町の空
にじんでゆく空間
(涙はもうこぼさない)

三日月が見下ろしている(良い前兆だ)
明日 始発で帰ります


………………………………………………………………………………

    イラスト、お借りしました

………………………………………………………………………………

(ちょっとだけ解説)

 ひとつの人生の選択の直後は、女性のほう
が強いのかなぁ、という考えで書いてみまし
た。同時に物事に対する切り替えの早い人に
あこがれたりします。


 読んでくださいまして、ありがとうござい
ました。


  (次週は上弦の月です。お楽しみに!)


#私の作品紹介

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