【詩 二十六夜月 final】
(はじめに)
ふと、思い出した。昨年、月🌛シリーズに
多くのアクセスをいただきまして、スピンオ
フ作品を7月7日に掲載しました。それから約
半年、スピンオフ第2弾をやろうと。本編が
新月から始まり、満月までの 5作品でした。
月は満ち欠けをします。その夜の月に合わせ
私のイメージで詩を書いてきましたが、この
スピンオフをもちまして本当の「final」とさ
せていただきたいと思います。
二十六夜月
好む好まないを通りこしたところにある 哲
学的要素を含むおとこたちのゆびに触れられ
幾つかのさざめきを経験したあと たんぱく
質のにおいと草のにおいが混ざり合う季節の
真ん中に溺れいっそう深さを感じた気になっ
て ロレンツォ 夕闇が似合う瘡蓋は絶えず
体の何処かに 快楽というにはあまりにも猟
奇的で的外れな眼差しを注ぐ先に わたしは
常に居たのだろうか 二十六夜月を拝む 阿
弥陀仏と観音菩薩と勢至菩薩があらわれて
願いが叶うとされる言伝えのもと むかし月
が出るのを待つあいだ 月を見るための宴が
祭りへと変貌し 寿司や天婦羅あまいもので
は水菓子や団子などの屋台が並んでいるのを
広重の浮世絵で見たことがある 三日月を反
転させた肉眼では捉えられない 欠けた部分
に悲壮な物語を抱えているのだろうか 誰か
の足音が聞こえる
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イラスト、お借りしました
ありがとうございました
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(ちょっとだけ解説)
二十六夜月は、午前1時から3時に姿をみ
せる月です。浮世絵とは、江戸時代の絵師・
歌川広重が描いた『東都名所高輪廿六夜待遊
興之図』を引用させていただきました。作品
はフィクションになります。
お読みくださいまして、ありがとうござい
ました。
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1月1日、北陸地方で地震が発生しました。
投稿を自粛しようか迷いました。
ニュース映像を見ておりますと、2011年の
東日本大震災を思い出します。茨城県は被害
が少なかったと思われる方はいらっしゃるで
しょうが、停電も断水も経験しました。まず
は食料を確保しなければならない。近くのコ
ンビニにカップ麺を買いに行きました。長蛇
の列でした。私は幸運にも手に入れることが
できましたが、後ろのほうで、お客さん同士
が言い争う声が聞こえてきました。きっかけ
は解りませんでしたが、カップ麺で喧嘩が始
まりました。断水により風呂には1週間入る
ことができませんでした。
私は無力です。無力な人間ですが、ひと言
だけ言わせてください。
「生きてください!」