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篠井 雄一朗
2023年3月27日 18:08
満月 no.5 ~ 離脱 ~かなしみだけが降り積もる森は、さまよう魂であふれていて、入口に立った私のこころに朱色の煙がついてこいと呼びかけていた。枯木に囲まれた道なき道を、時刻さえ存在しない空間を導かれるまま歩く。(睡眠薬を飲み込んで 脳内を占めていた絶望に別れを告げた そうして森へやってきたのだ)どこまで進んだか解らなかった。地面を這う魂の数は多くなり、あしの踏み