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暗闇の中の落語〜落語イン・ザ・ダークをやってみて

3ヶ月ほど前、勧められてダイアログ・イン・ザ・ダークへ行き、いたく感銘を受けて以来、やってみたかった企画だった。落語イン・ザ・ダーク

落語は耳で聴いて頭で想像する芸なので、暗闇とは相性は良いはず。それでも普段は演者の姿が見えているので、視覚を遮られて演者が見えない状態で落語を聴いたら脳内に浮かんでくる映像は違うのか?それを試してみたかった。

CDやラジオで落語を聴くのとも違う、ライブ環境でやってみたいと思っていたら、代官山晴れ豆さんで「いいね」と言ってくれたので、9月14日はダーク記念日♫
って違うか。

企画を進めているうちに、ただ暗闇の中で落語をやるのではなく、本家ダイアログ・イン・ザ・ダークみたいに視覚以外の感覚も刺激できればいいねと。味覚、触覚は落語会では少し難しいので、特に聴覚と嗅覚。

演目にもよるので、まずは演目決め。死神は合いそうな気がしたので、即決。後で広瀬和生さんの情報で、以前談春師匠がダイアログ・イン・ザ・ダークのイベントで落語会をやられた時も演目は死神だったと知ることになり、やっぱりそうだよなと思った。もう一席は、似たタッチで合いそうな噺もあったが雰囲気を変えたいと思い、初めは桜の線で進めていた。ただ、桜の匂いがするスプレーをいくつか買ってみても、目を瞑るとどれもファブリーズにしか思えなかった。それが理由ではなかったものの、途中で旅の噺にしようかなと、ねずみに決定。最終的には、ねずみと死神。それに合わせて色々とグッズを購入。

で、実際演じてみて、音声特化型の落語は通常の落語とは演じ方がかなり違うなという発見があった。まだまだ初めてだったので精度は足りないが、マイクの使い方がまったく違った。普段は距離感を目線プラス声量で出すが、暗闇の中で伝わるのは声量のみ。よりわかりやすく変化を出すため、上下も通常とは違い左右ではなく、遠近になった。スタンダップコメディで使われるテクニックだ。

嗅覚を刺激しようと用意した仕掛けは、大部分がマスクに妨げられるという、現状ならではの障壁もあった。これはマスクを付けない世界でまたやってみたい。もっと作り込んでまたやってみたい。でも今回一度やってみて良かった。一度やらないと何がもっと出来るかわからない。ダイアログ・イン・ザ・ダークを紹介してくれた児島さんに感謝。あと、毎度特別企画で舞台、照明、音響でめちゃくちゃ協力してくださる代官山「晴れたら空に豆まいて」のスタッフさんにも感謝。

今回、リアルタイムでの配信は行わなかった。何故なら画面がずっと真っ暗になってしまうので、リアルタイムのエンタメとしては成立しないなと思った。音声としては成立しても、イン・ザ・ダークとしては成立しない。

でもドキュメンタリーとしては面白いかもしれないと途中で考えた。お客さんにはアイマスクを付けてもらい、会場は少し明かりを残し、後で舞台上で何が行われていたか種明かし的に映像で見てもらえたら面白いんじゃないか?上下を振っていないところや、扇子を使って甚五郎がねずみを彫る音を出しているところ、仮面姿の男が会場中に宿屋のい草や死神の洞窟の匂いを届けているところ。映画「カメラを止めるな」の手法。そう、いいものはバンバン真似しよう♫今回会場でご覧いただけなかった方にも、落語会の映像単体としては暗くて見にくいんだけど、ちょっと違う感じで楽しんでもらえるんじゃないかな。

その映像、9月16日19時より配信開始します。9月30日までご覧いただけますので、是非!Peatixでアップされたらこちらにもリンク貼ります。↓こちらです!

かかっていた手拭い、気づいた方いたかしらん?

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