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「マッサゲタイの戦女王」刊行記念 第三回 スキタイ人の怖い風習

「スキタイ族の首狩り・皮剥ぎ・頭蓋骨の杯」
青銅冶金に優れていたというスキタイ族は、紀元前七世紀まで遡る、騎馬民族でも一番古い民族で、ウクライナあたり……大雑把にいってヨーロッパとアジアの真ん中左寄りあたりからユーラシア大陸へと広がって行ったとか。

マッサゲタイ人やペルシア人も、アーリア人と呼ばれるスキタイ系白人種の分派であると長く信じられてきました。東洋の遊牧民、匈奴の祖先もスキタイという説があります。顔立ち違いすぎるし、諸説ありすぎて人種的遺伝的にどうなのかは更なる研究を待たないとわかりませんが、文化的な共通点が見られることや、陵墓からの発掘品などから、東西の交流もあったことが窺われます。大陸のすべての騎馬民族は、大なり小なりスキタイの影響があったと思われ。

さてそのスキタイ人、非常に勇猛で残忍な戦闘民族であったとも伝えられています。そして戦利品は斃した敵から奪った……首、皮、骨。

1、お持ち帰りした敵の首級によって主君からもらえる報奨の額が決まるのは日本の戦国時代と同じですね。だからスキタイ人がそれほど残酷だったとは……

2、剥いだ人間の皮は、獣の皮と同じようになめして衣料や道具に利用していたようです。
人革のハンカチで馬の鞍を飾るのが戦士のファッションだったという……動物の毛皮や皮革と同じように、貴重な資源だったんでしょうか……

3、頭蓋骨は杯にいいらしいです。頭蓋骨ってもともとヒビが入っているんですが、そのまま使ったらお酒が漏れそうです。
何で固めたんでしょうね。割れた土鍋は粥を炊いているうちに塞がるそうですが。

現代人から見れば残酷で野蛮な習慣ではありますが、

カワハギはローマもやったし、ヨーロッパ人も中世の魔女狩りや異端審問の想像を絶する拷問とその残酷さは歴史の証明するところですし、近代のアメリカでもイギリス人やフランス人が北米ネイティブ住民狩りで、頭皮を剥ぎ取るなんてことをやっていました。

現代でも、火種があればすぐにリンチだのネットによる公開処刑だの、人類って何千年も似たようなことを繰り返している気がしなくもなく(;´・ω・)

平和で大多数の人口が戦争や殺人と縁のない21世紀の日本でさえ、頭蓋骨をモチーフにした置き物やキーホルダーが普通に売れてますね……浴衣の柄も骸骨人気ありますし、古代中央アジアの騎馬民族だけ残酷というわけでもないのかな……

ヘロドトスによると、マッサゲタイ族の葬式には老衰や自然死で亡くなった死者を祝福し、長寿と健康にあやかるためにその肉を遺族が食するといった習慣もあったそうですが、「魂は天に、肉体は親族の血肉に残る」という死生観であれば、神聖な儀式だったのでしょうね。

残念ながら、そっちの風習については、ページ数の都合により詳しくは盛り込めませんでしたが、そこはかとなく匂わせてあったりするかもしれません。

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篠原悠希(小説家)
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