娘と自分の感性は違うのだと思い知った夜
法学部の娘が
「なあ、同性婚はどうして許されないのだと思う?」
と問うてきたので、すこし考えて
「日本の場合は、『結婚は男女がして子をなして、家を継ぐ、子孫を繁栄させるべきもの』という考えがまだ根強いからじゃないかなあ」
と言いつつ、
「同性愛のひとが子ども作れないからって結婚させないなら、そもそも異性愛でも結婚できない、相手がいないひとだって多いのだから…」
と続けると
「それってなにが言いたいの?」
「うう、自分でもわからなくなってきた」
するといつもは封殺する娘がめずらしく助け船を出してくれて
「結婚できずに結果、子どもをつくれないひとだって多いってこと?異性と結婚できる数を増やすために同性間の結婚を禁止しているのだとすると、むかしはそういうこともあったかもしれないけれど、いまはむかしほど体裁のために自分を偽って異性婚をするひともいないんじゃないだろうか。異性愛にせよ同性愛にせよ、結婚しない人が増えているのだし。むしろ、同性婚をみとめて、特別養子縁組ができるようにすればいいよね」
「救われる子どもたちもいるよね」
と、「体裁のために結婚する」で東郷健さんのことを思い出して、「昔は、こういう人もいたんだよ。この「おかまの政見放送」が大好きなんだ。聞いてみてくれる?」
「うん、いいよ」
としぶしぶですが、言ってくれたのでネットで「薔薇門」に収録されている「おかまの政見放送」を聞かせて
いやあ、やっぱり相変わらずいいなあ!と思い、
「下ネタな言葉使ってるけど、しごくまっとうなこと言ってると思うんだ。ね!」
と振り返って娘の顔をみてみると無表情で「し~ん」という感じ。
しまったあああ!
わたしはパンクやサブカルといったジャンルが大好きでそこに深く共感する人間だけど、娘はわたしのような変態とちがって、日の当たる道ばかりを歩いてきた、まっとうな人間だった。
ということを思い出したのでした。
ちなみに、東郷健さんには、ご存命中に出演された大阪での「放禁祭」で握手していただきました♪