バレンタインテロの思い出
料理が上手で古本屋巡りとカレー屋が好きな渋い友達がいた。その彼女と二人のアイドルであったY君(真面目が制服を着て歩いてような剣道部の子。)とM君(笑顔がかわいい)にバレンタインデーに乗じて何かをしよう!と盛り上がったのだ。
二人とも恋愛とか彼氏とか遠く離れた高校生活を送っていたのに、なんでそんなことになったのか忘れたけど、彼女の家でチョコレートマフィンを作った。
そしてバレンタインデー当日。早めに学校に行った私たちは、机の中にチョコレートマフィンを押し込んだ。もちろん名前は書いてい無い。ばれたら恥ずかしいから。
今なら思う。誰が作ったかわからんものが机に入っていたら。それは愛情では無い。ただの危険物だ。
そのあとチョコマフィンをあげた相手とは一秒も会話をすることもなく、恋愛ごとには程遠いままこじらせ高校生活を終わった。唯一のバレンタインらしい思い出。その後、チョコに想いを込めたことは無い。チョコレートは自分のものだ!
おわり