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自分らしく生きること/福田萌子さんに最大級の賛辞を送る

見終わりました。バチェロレッテ。

もう本当に素晴らしかった。最高のフィナーレだった。

この結末に感動できるのも、萌子さんと言う女性をカメラが丁寧に映し取ったからだと思う。萌子さんの人となりを、人生観を知ったからこの結末に共感できるし、尊敬もできる。本当に素晴らしかった。

バチェロレッテを通じて萌子さんから学んだことは、自分らしく生きることの素晴らしさと、自分らしく生きることの困難さだ。

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世の中には、「自分らしく生きる」という表現が溢れかえっている。そのほとんどは、鬱屈した日常を送っている人々に向けた、「やりたいことをやって、楽しく生きようよ」という誘い文句だ。楽しく、楽に、というキーワードは、今の厳しい社会情勢にはぴったりで、思い詰めてしまうことが多い世間に広まってほしい言葉の一つだ。

けれど、よくよく考えてみれば、自分らしく生きることは、気楽に生きていくこととイコールではない。このバチェロレッテを見て思ったのは、自分らしく生きるということは、相当に困難だということだ。

この言葉の重みを、萌子さんは見事に体現していた。

「自分らしく生きる」という言葉の本当の意味は、自分の選択に自信と責任を持つということだ。自分の選択で傷つく人がいたとしても、非難する人がいたとしても、自分の選択を信じ、責任をもって決断する。悪意だけでなく、善意のアドバイスや思いやりの中から生まれた言葉でさえも、自分の決断と異なれば、それを突っぱねないといけない厳しさがある。例えその”善意の人たち”が「私はあなたのことを思って伝えたのに」と腹を立てても、受け入れないといけない。この一方的な善意の扱いの大変さは、いつもの日常に溢れていて、きっと誰しもが経験のあることだと思う。


萌子さんは今回の旅で、大きな決断を何度も迫られた。その度に自問自答を繰り返し、周囲のアドバイスを聞きつつも、最後には自分自身の決断で前に進んできた。

決断をした時の顔を見れば、それが苦しいものであったことはひしひしと伝わってくる。彼女自身、大きな迷いや葛藤と戦いながら、決意を固めるのだ。彼女も含め、重大な局面で迷わない人はいない。迷い、悩んで、時には涙を流して決断する。

そうそう、選択とは苦しいものだった。彼女の真剣な眼差しを見て久しぶりに思い出した。何かを選んで、何かと別れる。人生は選択の連続で、その度にたくさんのエネルギーを奪われて、心は疲れ果てる。

だから重大な選択を避けるように、いろんなことから目を背ける毎日だ。結婚する気もない人とダラダラと付き合い続けたり、転職情報を集めては諦めたり。

最悪な気分になるのを避けるために、少しだけ不快な毎日を選び、将来の展望もないままに時間を浪費する。今日エネルギーを消費するのは避けたいから、重大で面倒な選択はなるべく後回しにしたい。そう願ってしまう自分は、自分らしい生き方をできているだろうか?

何を選んで、何と別れるか。それを決めるのは自分自身であり、何を選び取るかが「自分らしく生きる」ということだ。

萌子さんは、限られた時間の中で、苦しい決断を何度も迫られた。たくさんの男性たちに心を動かされ、その気持ちが恋人に向ける愛なのか、結婚に向かう愛なのかを自分に自問自答し続けた。

その真剣な姿勢こそが、「彼女らしさ」だった。

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アフターファイナルローズでの彼女の振る舞いは本当に立派だった。

男性17名に囲まれて、非難されるのがわかっている場に出ていくのはどれだけ不安だっただろう。あなたの選択は正しかったのか?こうすればよかったのでは?こういう選択もあったのでは?と問い詰められる中で、彼女ははっきりと自分の思いを表明した。

「これが私の決断で、私は誰かを納得させるために自分の人生の決断をしていません。自分の納得の行く決断を下しています」

風が吹けば揺らいでしまうような安易な気持ちでの決断ではなく、彼女は揺るぎない思いでその決断を下した。真剣に向き合って下した決断だからこそ、この決断は揺らいではいけなかった。

岡村の「どっちかというと、どちらが好きだった?」という質問に対しても、「どちらでもない」と明言した。ここで揺らいでしまうような決断であれば、コウコウにも杉ちゃんにも失礼だと彼女は知っていたのだ。

映像には残らない部分で、きっと彼女にアドバイスをした人はたくさんいたのだろうと思う。「番組の盛り上がりを考えれば、どちらかにバラを渡した方がいいよ」「付き合うかはバラを渡した後で落ち着いてから考えれば良い」「〇〇さんの方が素敵だよ」「誰にもバラを渡さないと、萌子さんの見え方が悪くなるよ」などなど。いろんな立場からのアドバイスで、そこには善意からくるものもあっただろうけれど、萌子さんは自分自身の決断を信じた。

自分の心の声を無視して、誰かのアドバイス通りに歩んでいけば人生は楽だけれど、そこに自分らしい人生はない。

萌子さんの言葉には感動しっぱなしだった。

「これは私の物語であり私の旅です。誰がなんと言おうと私の決断に迷いはない」

萌子さんのように、胸を張ってこう言えるように自分と向き合って、これからの人生を生きていきたい。

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