どうするガーシー!?ガーシー問題、国会で陳謝する?ガーシー問題のすべてに分かりやすく答えます!!!

いま国会でガーシーこと、東谷義和氏(51)が話題になっているね。
なぜこんな騒ぎになっているのか?
そもそもなぜ国会議員になれたのか?
なぜさっさとクビにならないのか?
国会で陳謝するってどういうこと?
今後どうなる?

こうした疑問に丁寧に一つ一つ解説しないとネットで断片的なニュースだけみていてもいまいちわかるような分からないよね。そこで、どこよりも分かりやすい(たぶん)ガーシー解説です。

Qそもそもガーシー問題ってどういうこと?
A国会議員になったのに国会に一度も出席しない、だから国会側が、出席しなさい、そしてこれまでの無断欠勤を謝罪しないさい、と言っている、という問題です。

Q帰ってくるの?
Aそこはガーシーさん次第。本人はSNSで、茶髪だった髪の毛を黒色に戻して、日本に帰国して謝罪文を読む、と宣言した、一方で、被災地のトルコに支援物資を送りに行く、とも言っている。現在(6日)のところ、帰国するともしないとももはや本人以外は誰もわからない。

Qそもそも暴露系ユーチューバーとして名をはしたガーシ氏。なんで国会議員になったの?
Aそれは当選したから笑。と言ったら当たり前すぎるけど、ガーシーさんは参院比例で昨年夏の参院選にNHK党から立候補、海外にいながら29万票もの得票を得ている。30万人近い有権者に選ばれたという事実はけっして軽くないよ。
 NHK党にとっては、全体の2%以上の得票がないと法律で決まっている「国政政党」としての要件を満たさなくなってしまう、崖っぷちだっただん。そこで少しでも比例票を集めないといけない、ってことでNHK党の党首の立花さんが白羽の矢を立てたのが、当時、ユーチューバーとして抜群の知名度と人気があったガーシー氏だったんだ。
 国政選挙である衆参の国会議員の選挙では、それぞれ一人2票の票があるんだよ。1票は当選してほしい政治家個人の名前を書く「選挙区」、もう一つは支持する政党名を書く「比例区」。衆院選挙では選挙区は候補者名、政治家個人の名前を書くんだけど、比例では政党名を書かないといけない。ところが、参院は衆院とはちょっと違って、選挙区は衆院と同じ候補者名だけど、参院比例は、政党名でも候補名でもどちらでもいいんだよ。だから、比例では「NHK党」って書いても、NHK党の比例区名簿から出ている「ガーシー」と書いてもどちらでもNHK党の票にカウントされるんだ。

Qなるほど、参院の場合、比例区は政党名でも候補者名でも好きな方を書いていいんだね。でも、そうしたらどうやって当選する人と落選する人を分けるのかな?
AまずNHK党への政党名と、NHK党から比例区で立候補している候補者の合計でNHK党の比例区の当選者数が決まる。そのなかで、今度は候補者名、要するに個人名を書いてもらった数が多い順に当選するんだ。
 昨夏の参院選でNHk党への比例区の投票総数は125万票、全体の2・4%で、比例名簿での当選枠は一人だった。内訳は、NHK党という政党名での得票が83万票、ガーシー氏個人名での得票が29万票、このガーシーさんの29万票という個人名投票はNHK党の比例名簿の中では一番多かった、というか断トツだった。だから、NHK党の比例は一人当選で、名簿の中でもっとも名前を書かれたガーシーさんが当選した、という流れなんだ。

QNHK党にとってメリットはあったの?
A全体125万票のうち30万票近くをガーシーさん個人の人気でとったことになる。政党要件をみなす2%を超えることができたって意味では、立花党首の作戦は的中したって言えるんじゃないかな。政党要件を満たさないと、政党助成金っていう国からもらえるお金をもらないし、選挙活動や国会での活動でもいろいろ制約があって天と地ほどに違う。政党要件を満たさない政党は、政党として扱ってもらえない、ただの任意団体って扱いになるからね。NHK党が政党としての公約を果たすためにも国政政党の要件は維持したかったはずだよ。だから、NHK党は「NHKをぶっ壊す」という公約実現のためにその突破力に期待するとともに、人気のガーシー氏に立候補を依頼したとみられているよ。

Qそれで国会議員になったけど、国会に来ないんだよね。なんですぐ首にならなかったの?
A国会議員の身分って、そんな簡単に首にはできないんだ。憲法では不逮捕特権といって、国会開会中は逮捕もできない(*現行犯は別)ことになっているよ。

Qなんでそんな特別扱いされるの?
A戦前からの反省もある。国会議員が時の政府や権力に反対したときに、簡単に首にできるようだったら、体制への批判ができなくなる、これは危険なことなんだよ。実際、戦前には反軍演説をした政治家が除名されるなんてこともあった。なにより、国の主権者は国民だからね。その国民に選挙で選ばれた国会議員の身分というのは重い、欠席しているから首だって、簡単にはいかない理由があるんだ。

Qでも、ニュースでは懲罰委員会だ、国会で陳謝だってニュースになっているよね。
Aそうだね。いくら国会議員の身分が大事だと言っても、なんでも許されるって言うのも違う。だから、有権者に選ばれた国会議員の身分については、同じように有権者に選ばれた国会議員たちで決めてもらうことになっている。そのために、国会のなかには、常任委員会っていって、本会議とは別に分科会みたいに外交とか、金融とか政策ごとに議論するための委員会がある。そのなかに国会議員の除名(クビ)を決めることができる懲罰委員会っていうのがあるんだ。
 その懲罰委員会で、今回、ガーシーさんに「陳謝」を求めることが決まっているんだ。だからガーシーさんは国会が決めた3月8日に日本に戻ってきて参院本会議に出席して、その陳謝文を読み上げないといけない。

Q帰ってこなかったらどうなるの?
Aそのときは今度は除名っていって、国会議員を首になるとみられているよ。そもそもこの懲罰委員会。4段階の懲罰を決められるんだ。
重たい順に、
除名(クビ)→登院停止→議場での陳謝→議場での戒告
って4段階あるんだ。

Q今回、ガーシさんは3番目ってことだね。
Aそう、いきなり除名では重すぎる、だけど、登院停止って、そもそもガーシーさんの場合は国会に出席していないことが懲罰対象なので意味がいない、ってことでいったん「陳謝」になったんだ。

Q陳謝って、どうやるの?
Aその陳謝は日にちも「陳謝文」の文言も、その懲罰委員会で決まったんだ。懲罰委員会っていうのは参院の与野党議員20人程度で構成されているよ。学校でも委員会活動ってあったでしょ?掃除当番の清掃委員とか、保健委員とかさ。あれと同じで国会も参院だけでも250人近くいるから、それぞれ外交とか、財政とか、テーマ別に委員会でまず議論して、最後に全員出席の本会議で多数決するんだ。懲罰委員会っていうのはそうした委員会の一つだね。
 陳謝っていうのも、実は文言までその懲罰委員会ですでに決まっていて、ガーシさんはそれを本会議場で読み上げないといけない。

Q勝手に自分で陳謝文を考えられるわけではないんだね。
Aそうなんだ。読み上げる文章まで決まっているから、仮にガーシさんが帰国して国会に出席しても、そのまんま謝罪文を読み上げるかどうかわからない。それこそ、とっておきの暴露をするかもしれない。だから3月8日に政治関係者は注目してんだよね。

Q仮に陳謝したらどうなるの?
Aガーシーさんが帰国して、8日に本会議場にきて、そのまま陳謝文を読み上げて、それ以降の国会に出席するならいいけど、仮に陳謝してもまた、ドバイに行ってしまったら本末転倒になるね。国会会期中は、国会の許可もなく勝手に海外に行ってはいけないんだよ。だから、仮に陳謝してもそれで問題解決となるかどうかわからないよね。

Q陳謝する国会に出てこなければどうなるのかな?
Aおそらく、もう一度、国会議員たちが懲罰委員会を開いて今度こそ、「除名」という一番重たい処分を決めるんだろうね。国会議員が国会議員を首にする除名は実現したら70年以上ぶりだ、これまで2人しかいないから3人目ってことになる。それぐらい珍しいこと。これまでの二人も、演説で賛成討論して、採決では反対したとかで、国会議員が国会に欠席を続けたことで除名となると憲政史上初になるね。

Qそもそも外国にいるのになんで当選したんだろうね。
Aガーシーさんに投票した有権者は29万人いるけど、おそらくだけどガーシーさんに期待したのは国会出席よりも、政界の闇を暴露して、みたいなことなんじゃないかな。同時に、あれだけコロナ禍では、政治家が国民にリモートワークやステイホームを求めていたのに、法律を作る最高機関の国会ではオンラインはまったく認められていないっていうことも浮きぼりにした。

Qだけど、お金はもらっているんでしょ?
A国会議員には民間での給与にあたる歳費が毎月もらえて、ボーナスも年2回ある。ガーシーさんはすでに1800万円程度の国費から歳費を受け取っているね。

Qそれは返すべきじゃないの?
A国会議員はもらった歳費を返すことができないんだよ。

Qえ、なんで?
A公職選挙法っていう選挙のルールを決めている法律のなかで、寄付行為の禁止ていうのがある。選挙の有利不利につながるから、原則として寄付はできない、その関連で、国家への寄付にあたる返納もできないんだ。だからガーシーさんはNHK党という所属政党にいったん自分が受け取ってきた歳費を渡して、トルコの被災地への寄付してもらいたいと自らのSNSでは訴えているね。

Q国会のルールもわかりづらいね。
Aそうなんだ、ガーシーさんのやっていることは決して褒められたことではないけど、彼が言うように「なんで俺はだめで、国会にいるけど居眠りしている議員はいいんだ」とか、リモート勤務がいまどき一切認められていないこと、歳費を返納することもできない、休んでいても減額さえされないこと、国会の常識は世間の非常識ってことを浮き彫りにもしたんだよ。

とめ
 


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