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指の押さえ方(運指番号)〈004〉

岸和田の地車囃子の笛では五つの音を使います。旋律を聴くと、もっと多くの音を使っているような印象を受けますが、使う音は五つのみです。日本の古典的な旋律や歌、わらべ歌、祭囃子などは、四つ、五つ、時には三つの音を組み合わせるだけで、多彩で魅力的な旋律を生み出してきました。

地車の笛は、見よう見まねで覚えることが習慣ですので、五種類の指の押さえ方に特別な呼び方はありません。しかしながら、それぞれに番号を振っておくと便利です。例えば「7の音をもっと大きく」とか「2に音がカスレている」といった表現が可能となります。

下図は、三味線音楽などで使われている七孔の篠笛の運指番号を応用して、六孔の篠笛にあてはめたものです。岸和田の地車囃子では「7」「6」「5」「3」「2」の五つの音を使います。「4」を使わないので、第四孔を押さえたままになります。

図2


息遣いを変えることで、同じ指使いのままで1オクターブの差がある高い音「甲(かん)」と、低い音「呂(りょ)」の音を出すことができます。「甲」は算用数字、「呂」は漢数字で表します。

岸和田では「甲」のみを使いますが、「呂」を安定して深い呼吸で出せるようになると「甲」の音の響きも豊かになります。

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〈本日のツボ〉 五つの音に名前を付けて魂を宿らせる
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