コスプレカメラマンの基礎的なライティングテクニック
これまで、ストロボ・ライトスタンド・ディフューザーの選び方解説を行いました。
今回は基礎的なライティングテクニックのご紹介をしたいと思います。
光の減衰は逆二乗の法則
最初から物理学的なお話ですが、わかりやすく説明しますね。
光は距離が遠ざかる程減衰し、距離の二乗で減衰していく。
よくわかりませんよね。簡単なグラフを用意してみました
上のグラフだとちょっとよくわからないですね。数値も適当です。
この画像はイメージで作成したもので、実際の数値から得たものではありませんが、よりイメージしやすいかなと思い、採用しました。
ご覧のように、左側にストロボがあり、距離が離れるほど光が減衰しています。その減衰はグラフの通り、逆二乗で下がっていきます。
全体が明るい写真は光源を遠くに
スタジオ内や白ホリで背景が明るく白ホリは白色にする写真は、極力光源を遠くに置きましょう。グラフを見ますと、距離が離れるほど減衰率は緩やかになり、被写体と背景の明暗差が小さくなります。
狭いスタジオなどですと限界はあるかと思いますが、アンブレラで少し離して発光させます。すると、被写体も背景も明るい写真となります。
※白ホリで被写体が白い衣装の場合、被写体を少しだけカメラ側に近づいてもらって、アンブレラも少しだけ被写体に近づけるとほんの少しだけ背景の白壁がグレーに落ちますので、衣装と白壁が一体にならなくなります。
アンブレラ2灯による被写体も背景も明るい写真の作例です。光源は少し離します。
被写体だけ明るく背景は暗い写真は光源を近くに
先程のグラフを見ますと、逆に被写体にストロボを近づけるとかなり強い光が被写体に当たり、少し離れた背景は弱い光となります。これを利用すれば白ホリで背景をグレーにできますし、強力なストロボを用いれば晴天の野外でも真っ暗にすることが可能となります。
ポイントとしましては、被写体を壁からなるべく遠ざける事と、背景側に光を当てない事です。ここでグリッド付きソフトボックスが登場します。ソフトボックスを極力被写体に近づけ、背景に当てないように配置します。カメラ側設定はF8・ISO100~200程度にすると良いかもしれません。
ソフトボックスで挟んで弱い光で当てています。背景はストロボ光の影響を受けずに定常光のみです。
白壁黒壁に色を乗せる
白ホリでも黒ホリでも同様のライティングをすると綺麗に色が乗るようになります。上記の背景が暗い写真の時のライティングと同じで、被写体だけにストロボを当て、背景に光が届かないようにした状態で、カラーフィルターを付けたストロボを壁に当てます。
このようなライティングですと、背景に色がしっかり乗ります。アンブレラで当ててもある程度は色は乗りますが、どうしてもアンブレラ側の光でカラーフィルター側の光が薄まります。このライティングですと、楽に色を乗せられます。
このような作例となります。
被写体のエッジに色を乗せる
被写体のエッジに色を乗せる場合は、カラーフィルターを付けたストロボを被写体に当たるように設置します。
上の画像ですと、被写体だけに色が乗りますが、カラーフィルター付きのストロボの向きを変えると壁と被写体両方に当てる事も可能です。これは表現方法の違いとなります。
作例許可待ち
スモーク撮影・水撮影
コスプレ写真でよく見かけるスモーク撮影や水撮影写真ですが、同様のライティングで表現が可能となります。
特にスモーク撮影の場合、被写体と壁の間を開けるのがポイントです。壁と近すぎるとスモークの厚みが得られないので撮影が難しくなります。例ではオーソドックスなスモーク撮影でのライティングですが、お好みに応じてストロボの位置は変えてください。水撮影も同様で、背後からカラーフィルター付きストロボを設置することで、投げた水が映りやすくなります。
作例許可待ち
ストロボの数は絶対ではありません
そんなにストロボやディフューザー持ってません、とおっしゃる方もいると思います。例で図にしたものはわかりやすく解説したものですので、被写体に1灯、背景に1灯でも問題ありません。2灯目のストロボの代わりにカポックやレフ板でも大丈夫です。コスプレ写真に答えはありません、その時の状況でビックリする写真が出てカメラマンも被写体も楽しんだらそれで良いのです。
最後に
一番大切なのは実践です。こちらで得た知識を元に沢山実践してみてください。私より遥かに凄い写真が出てくるかも知れません。
また、大事なのは
「背景も明るい写真はアンブレラでストロボを離す」
「背景が暗い写真はソフトボックスでストロボを近づける」
という事です。それだけ理解出来れば表現の幅がかなり広がります。
楽しく撮影しましょう_( _´ω`)_
ここまでご覧いただき誠にありがとうございます。