コスプレカメラマンのストロボ選び
最初に結末を申し上げると、今からコスプレ撮影でストロボを選ぶならGodoxが良いですよ、というお話です。
2016年7月から本格的にコスプレ撮影を開始し、様々な撮影、様々な機材を見たり買ったりしてまいりました。
カメラ友達が居なかったから最初はキヤノン純正だった
コスプレ撮影との出会い
2016年、X(旧Twitter)で「こんなカメラ持ってます」という様なツイートをしたところ、当時繋がっていたコスプレイヤーさんに「コスプレ撮影に興味はありませんか?撮影してみませんか」とお声掛け頂いたのが最初でした。
当時、カメラとレンズは持っていましたが、ストロボの所有はしていない状況で、2000年代から自身もコスプレを何度かやっていたのもあり、やってみようと思いました。その時、ネットなどで"コスプレ撮影はストロボ必須"のようなイメージもあり、撮影日までにストロボを購入しようと思いました。
キヤノン純正430EX III-RTをとりあえず購入
右も左もわからず、ヨドバシカメラでキヤノン純正ストロボをとりあえず購入しました。そして撮影は無事終了し、晴れてコスプレカメラマンデビューを果たしたのです。
まだまだ駆け出しの頃はストロボはカメラの上に付けて使うものという考えしかなかったのです。カメラは最初の一度目は所有していたEOS 50Dでしたが、その直後EOS 7D Mark IIを追加購入し、暫く使っていました。
初めてのシェアスタジオ撮影でのカルチャーショック
初めてシェアスタジオであるハコアム大阪に行ったのは初撮影翌月の3回目のコスプレ撮影で、大国町の旧トミヤマビルがあんな事になってるなんて、とか思いながら行ったのですが、他のカメラマンさんの撮影風景を見て「何あの棒とか傘みたいなん???」って初めて様々なライティング機材が有ることを目の当たりにしたのです。
そして、速攻ネットで調べたりして、コマンダー(トリガーとも)やライトスタンド、アンブレラやソフトボックスなどの存在を知りました。
純正ストロボ3灯体制へ
何度か撮影を行い、2灯目とコマンダー、そして3灯目と徐々に増やしました。
キヤノン純正ストロボは1灯3万円を超え、コマンダーも3万円弱であり、この時点で12万円ほどストロボに投資した事になります。今の自分なら半額以下で買えるストロボにすれば良いのにと当時の自分に伝えたいくらいですねヾ(:3ノシヾ)ノシ
流行病前でしたので、併せの時に他のカメラマンさんから「純正使ってるんですね、光れば何でもいいので僕は安いのを使ってます」などと言われた事もありました。ただ、最初に述べたように最初期にはコスプレカメラマン仲間もおらず一人で開始したので、情報収集もあまりせず純正を選んでそのまま突き進んでいました。(なお、ライトスタンドやディフューザーなどの機材解説は別の記事にしたいと思います)
カメラマン仲間との情報共有でGodoxを知る
2017年頃から併せ撮影などで様々な出会いがあり、色々情報共有が可能になりました。カメラやレンズ、ライティング機材の話と様々。
その中で、社外品ストロボの存在も徐々に見えてくるようになり、当時はNEEWER、YONGNUO、Godoxというメーカーがいわゆる中華ストロボと呼ばれ安価に購入することができました。
実はNEEWERやYONGNUOのストロボも購入し使っていた時期もありましたが、ここでは省略させていただきます。
2019年Godoxのストロボを導入
カメラ仲間の間でモノブロックストロボAD600BM良くない?という話で盛り上がり、2019年5月最初に手に入れたのがAD600BMでした。クリップオンの8~10灯分の光量があり、晴天の屋外でもスタジオライティングと同じ位置関係で設置できるのが強みです。超大型併せの撮影に呼ばれることも多かったので、クリップオンだと光量不足に悩まされていたのも購入の決め手です。2灯あればプロ向け大型白ホリスタジオでも簡単に光が回ります。同時に4mライトスタンドも2本導入済みでした。しかしご存知の通り2020年から流行病の影響で少人数撮影しか許されない時代になり、使用頻度も落ちてしまいました。
2020年9月にはTT600導入
2024年現在もAmazonなどで売られている低価格ストロボGodox TT600です。現在は9000円を少し超える価格ですが、当時は8000円で購入しています。更に前はもう少し安かったですね。
X(旧Twitter)で「コスプレ撮影するならGodox TT600を買え」といった内容のツイートをしたところ、様々な反応がありました。「ID無いからイベントでは混線して使えない」という反論が多かったですね。
ただ、Godoxの中では一番安いのもあり、最初に買うのもいいかもねというお話なのですがね。
※ID機能 チャンネル以外にID設定(01~99)に設定すると合致したチャンネルとIDのストロボしか光らないという仕様、TT600にはID機能がありません
2020年10月にはAD200導入
現在も現役で使用中のAD200、10人程度の併せ撮影でも普通に使えます。上の画像左側のようにチューブの方メインで使っています。こちらはID機能があるので、シェアスタジオやイベントでもまぁまぁ使えます。ちなみにラグコスなどの大規模イベントだとID機能云々よりも、先程お話したキヤノン純正を持っていた方が確実に混線しないので、そちらを持っていたりしてました。
2022年11月 ID機能が欲しかったのでTT685II導入
それまではAD200とTT600で運用していましたが、やはりID機能が欲しくなったので、追加でTT685IIを2灯導入しました。この時点でTT600はサブストロボの立ち位置となり、4灯を超える多灯ライティングが必要な「ライブ風撮影」「スモーク撮影」「水撮影」の時に利用するためにキャリーに入れております。また、TT685IIはTTL撮影にも対応しており、オンカメラ(カメラに搭載)時にオートで発光量を決めてくれるので、純正をお持ちでない方にもオススメです。
今から2年ほど前に完全にGodoxのシステムで運用が可能となりました。大掛かりな併せですとAD600BMも持ち込みますが、基本的にはAD200・TT685II・TT600の組み合わせが多いですね。
今からコスプレ撮影を始めるならGodoxが良い理由
コスプレ界隈でのシェア率が高いのは長所も短所もある
比較的低価格であり、技適もあるので国内でも安心して使えるGodoxストロボ、レイヤーさんがカメラ持ってる場合や他のカメラマンさんも持ってる可能性が高いので、貸し借りも容易だったりします。
安価なクリップオンTT600から巨大なモノブロックAD600など様々な商品ラインナップがあり、同じコマンダーで動作可能なのはとても便利です。
一方、シェアスタジオやイベントですと、たくさんの人が同様のストロボを使っているので、何もしてないのに勝手に光ったり、意図した光量で光ってくれないなど混線する場合も多いです。
総合的に見てもやはり比較的安価なストロボとして導入を検討する価値はあると思います。
結局のところどれを選べばよいのか
ご自身の活動動向から
・周りに他のカメラマンが多くない場合はID機能のない低価格のTT600でも大丈夫
・各種イベントメインで参加する場合はID機能あった方がよいかも
→TT685シリーズ、AD100、AD200、AD300、AD400、AD600など
TT685シリーズはTTL機能もあるので純正の代わりにもなります。
・絶対混線とか嫌だという方は純正ストロボやニッシンという会社の社外品ストロボ、ブランドに拘りたい方はプロフォトという会社もあります。ただしストロボとトリガーは同じ会社である必要があるため、別のメーカーですと使えません、各社ごとのトリガーが必要です。また代物はとても良いのですが相対的に高額になるので多灯ライティングがほぼ必須なスタジオ撮影などでは1灯あたりの単価が低いGodoxを選択する場合が多いのです。イベントしか参加しないという方はオンカメラ1灯や多くてもライトスタンド2本に2灯程度でしょうから純正や他のメーカーでも良いのかも知れませんね。
という事ですかね。自分は呼ばれる事が無い限りイベントには行きませんので、TT600でも大丈夫なんですが、イベント参加の多い方はID機能あった方がいいかもしれませんねヾ(:3ノシヾ)ノシ
結果、個人的な判断ですが、初めてストロボを購入という場合はTT685IIを選ぶとID機能もありますし、カメラの上に付けてTTLでオート撮影にも使えるので良いのかもしれませんね。2024年9月現在Amazonでは18000円前後で販売されています。TT600のほぼ倍の価格ですね。機能が豊富な分仕方ないのかも知れません。(あくまで個人の意見です)
トリガーはXpro辺りだと設定変更が楽なのでオススメです。
注意点としては、TT685シリーズやトリガーXproはカメラメーカーによって商品が違いますので、ご自身所有のカメラメーカーと合わせる必要がありますCだとキヤノンですしNだとニコン、Sだとソニーです。
注意点
ご自身所有のカメラがトリガー接続に対応しているか必ずご確認ください。
カメラ上部にストロボやトリガーを接続するための接点があります。そもそも付いていないカメラですと接続不可能です。またごく稀に上の画像のような一番大きな丸接点が金属では無い機種も存在しています。Godox公式サイトを調べた結果、Xpro Cの最新V.2.0ファームウェアですとEOS Kiss X10は制御が可能のようです。同様のEOS Kiss X90は記載がありませんので、不明です。また、最近はあまり見かけませんが、X1T-Cも最新ファームウェアでEOS Kiss X10の制御が可能のようです。またX2T-Cに関しては記載がありません。EOS Kiss X10をお持ちの方はXpro Cを選択した方が良いのかも知れません。また古いものですと古いファームウェアの可能性がありますので、ファームウェアアップデートの知識が有る方向けかも知れません。
(すいません、X10やX90は所有していませんので、実機確認が出来ません)
また昨今のミラーレスカメラですと、さらに高機能な接点になっている場合があり、その場合は別途「ホットシュー変換アダプター」が必要な場合もあります。
ご購入の際には必ず確認を行ってください。
Godox TT600の光らせ方(設定方法)
TT600とXproの組み合わせでの設定方法を記載します。
購入直後、単三電池4本入れてONにすると上の画像のような画面になると思います(画像は購入後暫くしてからですので全く同じでは無いかもしれません)。
左上の「MODE」ボタンを2秒くらい長押ししてください、すると画面左下にWi-Fiマークのような表示が出てくると思います。その状態で「SET」の周りにある部分をクルクル回します。
何度かクルクル回すと「M(Master)」「S(Slave)」と切り替わりますので、「S」を選択します。
次に左下にある「Gr/CH」というボタンを2秒くらい長押しします。すると「CH1」と表示されます。また「SET」の周りをクルクル回すと「CH」が1~32で変わります。これがチャンネルで、トリガーとチャンネルを同じにするとトリガー側のイナズママークを押せばストロボが光ります。
また、「Gr/CH」ボタンを短く押すと画面の「Gr(グループ)」がA~Eまで変わります。トリガー側のA~Eに対応しており、たくさんのストロボを使う場合はA~Eに変更してそれぞれの光の強さを変えることが可能です。
トリガー側は画面下に表示されている「Zm/CH」下にあるボタンを2秒くらい長押しするとチャンネル変更が可能です。こちらも「SET」の周りをクルクル回すと変更可能。
トリガーをカメラに取り付けて、シャッターを押した時にストロボが光れば成功です。
トリガー側の設定
画面の左側にはA~Eに対応するボタンがあります、上の画像では既にAが選択状態です。SETを押すと選択解除になります。
上の画像のような状態で、画面下部に「Zm/CH」「SYNC」「ALL」「MOD」の表示とその真下のボタンが対応しています。「Zm/CH」ボタンを2秒くらい長押しすると、画面上部の「CH 1」が選択状態となり、SETの周りをクルクル回すとTT600と同じようにチャンネル1~32の選択が可能です。光らせたいストロボとチャンネルを同じにします。ちなみにB~Eが「--」になっていますが、隣のボタンを押して「MODE」ボタンを短く押すと「--」「TTL」「M」に変わります。基本は「M」を選択してください。
また、選択状態でSETの周りをクルクル回すと発光量調整が可能です。基本的には1/1~1/128の間で0.3段単位で設定が可能です。(ストロボによっては0.1段変更にも出来ますが、TT600を想定しておりますので省略致します)
TT600側のCHとXPro C側のCHが一致していると、左下のイナズママークを押した時にストロボが光ります。色々設定している場合、光らない場合があるかも知れません。そのときはMENUボタンを押してメニュー内からIDを確認しOFFになっていることを確認してみてください。また、TT600以外のストロボですとこのID設定を一致させないと光りません。
トリガーをカメラに接続し、シャッターを押すと光ると思います。それでも光らないという場合はコメント欄などでご質問してみてくださいね。
終わりに
自身のストロボ遍歴が長くて申し訳ないです。ただ、最初から純正ストロボだと高いので、Godoxを選べばいいかもしれない、というお話です。
さて、ここまでお読み頂き誠にありがとうございます。
GodoxのTT600からTT685シリーズ、モノブロックストロボのAD200やAD600のお話もしましたが、基本的にはTT600の解説と同じで、トリガーとストロボでチャンネルを合わせる、ID設定必要ならMenuボタンからID設定を一致させるという事です。
ご自身の活動環境やお財布事情なども含めて永く使えるストロボ選びの一助になれれば幸いです。
ご覧いただき誠にありがとうございます。