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~魔女の視点~身体性と精神性の考察
どうも。薬師寺です。
12月は「運動療法祭り」。
そして、、
今回はスペシャルゲストです。
前回も反響が大きかった魔女こと西園さんです。
⬆⬆
前回の西園さんの大反響コラム!!
超本質的なこと書いてあるのでご覧ください。
臨床でも色んな人の足趾触ってるけど…
— 薬師寺 偲 Shinobu Yakushiji (@gmawgmaw) May 15, 2019
ここまで足趾握る力強い人初めて見た。笑
しかも、力入れてない時は全く足部に無駄な緊張が無い。
色々1日衝撃的だった…#魔女トレ pic.twitter.com/eVsGLNtliz
そして、、
今回も実際にアスリートのセッションを動画付きでコラムにしてくれてます。
セラピスト・トレーナーともに必見です。
では、、
西園さん(魔女さん)にバトンパス⬇⬇
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魔女です🧙
physio365にて再びコラムを書かせていただきます。
今回のテーマは「身体性と精神性の関係について。
プライベートセッションでは、、
何かしらの問題を抱えている方がいらっしゃいます。
わざわざ個人で受けたいというのですから、グループではなくより個人的な悩みや疑問の解決、深い領域にまで突き詰めたいという方です。
私は基本的に「その人の良さを生かす」というスタンスで身体改善の方向性を見定めるようにしています。
身体が硬い、身体が弱い、動き方が悪い、としても【その人の求める場所】と【私がその人に対して感じるここが良いのではと思う場所】の擦り合わせが大事になる気がします。
つまりそこには、
その人のことを客観的に観察し、あらゆる情報を受け取り、分析し、仮説を立てる。これらはコミュニケーションをとりながら行います。
そして、、
・強みになりそうな部分
・改善させた方が良い部分
・問題があるけど様子見していう曖昧な部分
を剪定します。
「その人がその動き方に至る、その原因を特定する」
動作分析をし、筋肉の在り方を評価し、その原因と対策を練るにあたって必ず行き着くのはその人の性格や本質。
私がアスリートを見るようになったのはまだ1年ほどですが、それまではダンサー活動と並行してバレエやコンテンポラリーダンスの指導者として子供から大人までを指導してきました。
踊りの世界でよく言われるのは
「踊りを見れば“その人”が分かる」
つまり性格の部分です。
それも、どんなに繕うことも隠すこともできない本質的な内面の部分。
ダンサーというのは、舞台上でどんな衣装に身を包んでも、全部丸裸(比喩)にされてしまうんですよね。(だからこそ怖い)
ダンス指導者は、生徒の本質を捉えると、それをうまく引き出し、生かしながら、基礎を与え、豊かな身体を築くことを重ね、育てていきます。
また大人になったダンサーもまた自分自身の動きや本質を魅力や武器として使いこなしているものです。
私はバレエ・現代舞踊(モダンダンス)・コンテンポラリーダンスの3つの領域(各々の求められる身体性や美意識や重要視されるものは領域ごとに微妙に違った)で活動してきました。
そこでは運よくそれぞれの素晴らしい舞踊家・指導者の方に指導していただく機会に恵まれてきました。
ダンスというくくりでは同じ世界ではありますが、領域をまたいで身体への見方、人間との向き合い方、パフォーマンスの向上のさせ方を学んできました。
どの場所でも向き合わされるキーワードが「踊りを見れば“その人”がわかる」でした。
アスリートでいうと「動きを見れば」に変換できますね。
私自身は、「踊りでその人が分かるなら、動き方や踊り方を変えれば、"私"を変えることができるのでは?」と思い、ありとあらゆる方法を試したり取り組んだりして"人間の在り方"について人体実験してきました。
結論から言うと、人の本質は、、
「基本的には変わらない、あるいは相当な努力がいる」
つまり、本質を変えようとするのではなく、生かすという方法もあるだろうというのを身体操作改善のセラピストとして一つの軸として持っています。
パソコンでいうソフトとハードは別物です。
人間でいう心と身体もまた別物なんですよね。
それぞれにアプローチする必要があり、向き合わなければならない。
ダンサーもアスリートも動作を改善させる際には、、
1.本質を見抜く
2.本質は変わらないから生かす
さて、、
今回のアスリートか実業団ランナー(プレス工業)の山田翔太さん(@kafka0266)。
とっても真面目な方です。
真面目なんですが、少し頭でっかち。
脳でのフィルターがまず入る。
(これはご本人も自覚されていました。)
※クライアントさんの身体を整えたり、動作改善をはかるときに持ち込むアプローチはいろいろあるのですが、
身体性と精神性の関りについては繊細な領域です。
決めつけることはできないし、もし指摘をするなり伝えるなりすることがあれば、それは相手が心を開いてくれている場合には効果的ですが、、
信頼関係が築けれていなかったり、本人がその部分と向き合おうとしていないか興味がない人であれば伝えない方が無難なので、注意をお願いいたします。
でも伝えないにしてもそういう視点を持っていることは必要かなと思い、書いてみることにします。
山田翔太選手は怪我をしてきた経験が多く、、
「もっと根本的な部分から身体を変えなければ先へ進めないのではないか」と基礎の見直し、動作としての歪みの修正を行う私のもとへと来てくださいました。
※山田さんの経歴や怪我等、向き合ってこられたことなどについての記事はこちらにまとめられています。
常に前に前に!一歩でも前進したい!進化できることならなんでもします!と私に宣言。
真面目な人、、
というか盲目的にスポーツに取り組む人の共通点は身体が硬い。
真面目な人は、、
A.猪突猛進(前見てまっすぐ進む/まっすぐにしか進めない)
B.休むのが苦手(怠けるのは悪というイメージorずっと考えているため脳が休まらないから身体も休まらない)
C.焦点や視点が一つに絞られがち(意識の分散拡散が苦手)
です。
それがそっくりそのまま身体に表れている方が多いです。
「捻る動作が苦手」
横を見る、後ろを感じる、
上(空)や下(地面の中)の存在を想像する力に欠ける。
そのせいか、、
姿勢が良い方は多いですが、身体が"面"のイメージで、立体構造として成り立っていない。
行動が習慣へ、習慣が筋肉の不均衡へと繋がるものですから、性格からの面、習慣や行動範囲からの面、どちらからの可能性も考えられますが、脇腹が硬い方が多い。
そのため捻るストレッチをしていただくことが多いです。
真面目な方の身体の硬さをとるのは本当に難しいです。
しかし思い込んだら一直線!という真面目さを生かし、忍耐力と集中力の入りそうなことを細かくやっていきます。
C.意識するポイントが一か所に集中してしまうから同じ部位ばかり使いがち(本来は全身であるべき身体の使い方だが、使えていない部分がある)
もちろん真面目であることは素晴らしい長所であり欠点ではないので否定をするつもりはないです。
むしろ不真面目な人よりも伸びる可能性としては断然あるものです。
正直、実業団ランナーやJリーガーやその他さまざまなアスリートを見させていただくようになって分かってきたのは「アスリートで身体が柔らかいことが理想だけれど、実際にはそういう選手はほぼいない」ということ。
しなやかな人はいます。
しかし例えば足指ストレッチを施すと、痛みを覚えない人はほとんどいません。
ほぼ毎日トレーニングをしていて、寝れば疲労がすっきりなくなる、
なんていう人は1%くらいだろうと思います。
ほとんどの人はキツイことに慣れている、キツくても我慢できる。
・・・この、我慢できてしまう、というのが硬い身体を生んでしまう。
けれどそれがその人の強みでもあるので、競技の世界は難しいですね。
さて、全身の繋がりを見つけていただくために、山田さんには背骨のロールダウン&ロールアップというムーブメントを行なっていただきました。
こちらの動画をご覧ください。
これはランナーに必要な背骨のサスペンションを獲得するために、その前提として背骨と背骨の隙間を開けるような感覚を持っている必要があるため課したムーブメントです。
私が見ているポイントは、、
1.歪みのポイントを見つけること
2.腹筋と下肢三関節の使い方を評価すること
3.どんな動き方の癖があるのか見つけること
4.重心をとらえられているのかということ
5.緊張しやすい場所を見つけること
6.意識が抜ける場所を見つけることetc.
本人がどんな意識を持っているかを客観的に見たあと、それらを伝える前に、本人の感覚や意識を話してもらいます。
・「どんなことを意識しましたか?」
・「〇〇を◇◇な意識でした」
・「なるほど。実際にはこうなっていたんですよね。だから、ここに意識して、こういうイメージにしてみてください。」
といった具合で評価の擦り合わせをしていきます。
まずこの動画から言えることは、、
1. 動作が滑らかではない
2. 背骨がまっすぐすぎる(=背骨を一本ずつ動かせていない)
3. 重心(を真下に下ろしたとき足裏に体重が乗る場所)の位置が一定ではない
山田さんは性格的にも資質的にも、
初めからいろんなことを意識するのは難しいです。
でも練習後の動作はこうなりました。
ロールダウン(頭を下ろす)時もロールアップ(起き上がる)時も背骨の動きがよくなりましたよね。
これは何を伝えたのかというと、
「頭で物を押すイメージを持ってみてください。」
というものでした。
もう一度前の動画に戻って見てみていただきたいのですが、、
ロールダウンよりもロールアップの方は割と上手くいっています。
「ロールダウンが苦手」
「ロールアップは上手くいく」
という様子から分析できるのは、、
「重力を感じる、重力に従うことは苦手」
「何かに抵抗することは得意」
と推測しました。
身体が硬い人は脱力が苦手です。
真面目である人に不真面目になれというのは難しい。
真面目な人が不真面目になったら、その人はいったい何を取り柄に生きていけば良いのでしょう。。
分からなくなりますし、、
迷わせることになるのは想像に難くないと思います。
脱力が出来ない人は身体の深部を使えていないといえますが、
脱力のできるしなやかな身体になれる深部の使い方は、難しい感覚と長期間の鍛錬を要するので、、
いきなり脱力へと向かわせるのではなく、芯を感じさせるエクササイズやムーブメントを提案します。
そこでまた新たな課題を見つけて取り組んで小さな一歩の積み重ねをたくさん行い、改善させていきます。
身体が硬い人にストレッチを求めても、柔らかくならないのはなぜか。
それは彼らの習慣による蓄積で硬くなっていることがほとんどだからです。
どんな習慣か。
その習慣を指摘してあげることもセラピストとして一つ重要なポイントです。
その動き方の癖を決めているのは本人の心-mind-(思考、記憶、認識)です。
なので、、
私はそれを利用してメニューの中に取り入れることもあります。
この記事で私が言いたかったことは、
その人の身体の特性は性格からも読み取れる
その身体の特性(長所)を生かしたキューイングをする
私達セラピストはその人に自分の本当の姿に気付いてもらい、課題を克服するだけではなく、良い部分にも気づき、本人が自発的に自分の心身を整えていくように仕向けるお仕事でもあると思います。
自分を諦めさせるのではなく、
自分に欲をもってもらう。
もっと高めたい、もっと知りたい、と。
心が行動をつくり、行動が習慣をつくり、習慣が身体をつくります。
否定せず、それを生かすのだというアプローチも、真面目で実直なアスリートには与えた方が良い視点ではないかと思います。
西園美彌(MIYA NISHIZONO)
365日理学療法学べるマガジン「Physio365」https://t.co/pdfFH17JdB
— 西園美彌 (@miyanishizono) October 29, 2019
記事を書かせていただきました。
明日10/30公開。
ダンサーの経験からの身体の捉え方、相手の感覚の引き出し方、原因と結果の繋げ方、どう対処しアイデアを生み出しているかについて書きました。 pic.twitter.com/jYHYls9pjw
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