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触診の魔力

今回は、ゲストラーターです!!

SNSでも触診に絞ったテーマで発信を続けている浅原さん。


では早速バトンパス⬇⬇

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Physio365をご覧のみなさん、こんにちは!このたびゲストライターとして執筆させていただく、『浅原 裕一郎』です。


初めましての方がほとんどだと思うので、

初めに自己紹介をさせていただきます。


実は僕の経歴はPT業界の中ではちょっと異色でして。


高校・大学を出たあと、3年間金融関係で働いて、専門学校に入学して現在に至ります。

大学時代は、英語が好きだったこともあって国外逃亡2回

社会人時代は、日常を飛び出したい衝動に駆られ国外逃亡1回

その他、国外逃亡4回笑

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こちらが逃亡中の写真。カナダのバンクーバーで、季節は冬。ここには2回逃亡しました。

肌が黒いと思うかもしれませんが、これは現地に少しでも馴染むために日本にいた直前の夏に、しっかりと営業という天然日サロの環境で焼いて行きました。


そんなこんなで、履歴書の資格欄はめちゃくちゃです。


有名な資格だとFP1級・日商簿記2級。そして、旅行・国外逃亡好きということもあって大学生時代に国内旅行業務取扱管理者というまぁなんともピンとこない資格も取りました。

一応国家資格ではあるんですが、あまり知られていない資格ですね笑


今では広島県にある病院で、下肢疾患をメインにリハビリしています。


自己紹介はこのあたりにして、

今回のテーマ『触診の魔力』についてお話ししていきたいと思います。


全力で前田裕二さんの名著のタイトルを使ってます。

メモの魔力』どうぞよろしくお願いします。


なぜ触診が必要か


触診は学生さんから臨床に出られている方まで、セラピストなら常に求められるスキルです。

必要なスキルだから勉強することはもちろんですが、僕が考える触診の魅力はもっとあります

❶座学と実学の架け橋になってくれる
❷臨床が常に楽しくあり続ける                   
❸臨床思考が広がる
❹セミナーを120%楽しめるる             
❺適応が存在しない                        
❻手技の基礎力になる

このあたりが僕が触診に取り憑かれている、触診の魔力です笑

❺・❻はそのままなんですが、特にお伝えしたいのは❶〜❹です。


僕はもともと気持ちの波が大きくて、臨床に向き合えるときもあれば現実逃避したいときが2~3ヶ月おきに交互に訪れてました。


でも、現実逃避したいときでも、勉強だけは少しだけですが続けれてたんですよね。


全くしなかったら『楽を覚えて、もう今いる場所に戻って来れない気がする』っていう中二病的な発想で笑

で、そのとき思ったんですよ。


なんで転職してまで就いた仕事で、勉強も自分なりに続けてるのに落ち込んだり悩まないといけないんだ!!』って。


結論から言います。その理由は...

『院外での自己学習が、臨床と結びついていない』


もはや致命的。

患者さんのためと想って勉強したところで、自己満足な勉強に終始していました。


そこから方向転換して、基礎に立ち返ろうって思って始めたのが触診。今となってはなぜ触診に走ったのか覚えてません。

でも、これが僕にとっては正解でした。


まず前提として、触診は適応を選ばない。

カラダの専門家である僕たちセラピストが筋を触れないのは致命的です。


◉急性期・回復期・慢性期、施設、訪問

◉整形外科・呼吸・内部障害・中枢

僕たちが活動する、ありとあらゆる場所で触診は使えます。そして、より正確な触診ができてこそ、正確な評価や治療に繋げることができます。


こうなればやるしかありません。

それに触診は教科書を見て勉強すれば、その場で自分でも隣にいる人でも身体さえあれば、時間・場所・性別を問わず実践できます。

なんて素敵。


頑張って勉強してるのに、、

それが臨床で活かせれないほど辛いことってないですよね。


あるいは、何から勉強を始めて良いのか分からないってときもしんどい。

触診はそれを解決してくれます。


解剖の知識・臨床思考は広がり、オリジナルの必殺技を身につけることもできるかもしれません。


ちなみに僕の必殺技は、触診百烈拳。

触診で鍛えた鋭い指で突つきまくります。


『お前はもう、、、治っている。』


触診は自己学習(座学)と臨床(実学)を繋げてくれます。

そうなれば、普段勉強していることをそのまま臨床で生かせるので、自己達成感はガバガバ。脳内で幸せ物質であるドーパミンもガバガバ出て、その勢いでまたガバガバ勉強しての無限ループ。

正直、楽しくて仕方ありません。


触診は患者さんのためだけにあるんじゃなくて、僕たちセラピストの幸せのためにも効果的なツールです。


だから僕はそのままの勢いでTwitterでも触診の発信をすることにしました。


それがこちら。


今ではもっと勉強して発信もしたいと思うようになって、noteでの発信を始めました。


その名も...『触診レシピ』

現在記事化できているのは、小趾外転筋・小胸筋・烏口上腕靭帯の3つ。

小趾外転筋と烏口上腕靭帯ではエコー画像やエクササイズ動画も載せていますので、ぜひご覧くださいませ。


触診から得られる9つのメリット

薬師寺先生が執筆された、2020年physio365の最初の記事も触診についてでしたね。

要約すると、

「仮説が間違っている」or「答え合わせのアプローチそのものが間違っている」をハッキリさせないと効果は上がりづらい


まさにその通りだと思います。

触診の精度を高めようと思うと莫大な時間と労力が必要です。でもやるしかない。

ちなみに、作業興奮と言って僕たち人間はまず5分行動することでやる気や集中力がドンっと上がります。


最初は億劫かもしれません。でも、きっとその作業に慣れますし、1ヶ月もしないうちに患者さんから嬉しい言葉をもらえるようになります。


僕がそうでした。まだまだ触診の勉強中ですが、その活動エネルギーは常に患者さんからいただいています。

ただ、ぐぅの音も出ない事実があります。


エコーには勝てない。エコーなしで完全無欠の触診なんて神の領域。

運動器エコー革命の波は確実に押し寄せてます。


これは如何ともしがたいです。

でも、アナログな触診力だからこそ勝てる領域があるのもまた事実。


それは、愛ですよ!愛っす!!笑


C線維は痛みと触覚の情報を脳に伝えます。

伝わり脳内で統合されるときに、そのときの状況・患者さんの今までの体験・性別・文化も合わさり快・不快が決まります。


その場の状況だと、、

僕たちセラピストがどれだけ患者さんに向き合えてるかという空気感もあるでしょうし、悩みを解決してあげたいという想いも伝わるでしょう。

まだ子どもの頃にお腹が痛いとき、家族の方にお腹をさすられると不思議と痛みが和らいだり、落ち着く感覚を覚えた経験はありませんか?


まさにあれです。

ちなみに、触れるときの速さは毎秒3~10cmくらいが良いと言われています。


一方で、エコーは確認作業中は画像に視線が行きます。

エコーがない完全なる手作業は、触診部位と患者さんの表情の確認と、「大丈夫ですか?」のコミュニケーションが生まれます。そして必死に原因部位を探し当てようとするその情熱は確実に患者さんに伝わります。


PTが臨床でエコーを使ってない病院がほとんどだと思いますし、今後エコーが広く浸透しても、この触診力の優位性は揺るがないと信じています。

それに現場で一度に多数の人をみないといけないとき、どうですか?基礎的な触診能力の差が現場スキルの差となって出てきます。


さらに、運動器エコー革命が浸透するにはハードルも存在します

・再現性が低い

・PTが使ってもコストが取れない

・習得に時間がかかる

などなど。


触診のポイントは6つ



<触診のポイントは6つ>

❶骨指標を抑える

骨指標を覚えていれば、触診中の確認作業に使えます。触診中に分からなければ、近くの骨指標を覚えておく。後で、その覚えた骨指標をもとに復習しましょう!


❷収縮と弛緩を繰りかえす

大腿直筋・腹直筋・三角筋などアウター筋の触診は簡単です。難しいのは深層にある筋ですね。

例えば小胸筋の起始部。起始部の筋腹は薄い上に、走行は大胸筋の胸肋部・腹部と似てるので、丁寧に触診しないといけません。

そんなときに収縮と弛緩を繰り返してもらい、筋の盛り上がりを感じてあげましょう。


❸対象が軟部組織なら、その走行に直交するように指腹でなでなでする

圧迫やつまむ方法もありますが、鑑別が難しいと思ったとき、僕は筋や靭帯をなでなでしてあげます

「おい、筋肉!お前どこにいるんだよ」

「あ、ごめんなさい。ここにおりまする」

はい、僕の脳内はこんな感じです。


❹自分の手を暖かくする

不思議なものでセラピストの手の温度で、伝わり方は変わります。まず患者さんが僕たちにもつ印象が違います。

「暖かい人」なのか「冷たい人」なのか。先にお話した、そのときの状況で受け取られ方が変わってくるにも通じてきますね。

生理学的にも血管が収縮して血流は悪くなりそうです。


❺ゆっくり触っていく

海やプールの中で速く動こうとするほど、僕たちは大きな抵抗感を感じます。反対に、ゆっくり動いていれば楽に身体を動かせれます。

これを触診に当てはめるなら、ゆっくり触る。

心地良さを与える速さは、毎秒3~10cmを考えると納得します。


❻感覚の違いを理解する


痛みにせよ痒さにせよ、人が感じる感覚はその後の行動に結びつきます。

そこで理解しておきたいのが、「自分の意思で自分を触れたときの感覚」と「他人が自分を触れたときの感覚」は別物だということ。

例えば、自分で自分をくすぐってもそんなにくすぐったさは感じません。でも、他人にくすぐられたときには、めちゃくちゃ敏感に感じますよね。

それは、自分の意思と関係のないものからの刺激では、自分の身に危険が及ぶ可能性があるから。

だから患者さんを触れるときには、触診中の圧は意識しないといけません。

時間に追われていたり、焦ったりしてると、せかせかしてしまうかもしれません。でも、そんなときこそ一呼吸おいて触れてみませんか?


ご紹介


触診100%なんて無理難題。

困ったときはもちろんエコーの助けもいるでしょうし、組織の動態確認も脳内でのイメージを広げるためには有効です。


そんなとき、、

Twitterで僕が参考にさせていただいている先生方をご紹介します。


志水さん(@echohuku

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Yoshikiさん(@PtGekikara

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郷間さん(@FujikataGoma)

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みなさんスペシャリストなので、触診の勉強に合わせてぜひエコーもみてみてください✨

エコーの波が押し寄せてます!!!


ちなみに、上で紹介させてもらった触診レシピ記事で、治療・エクササイズは、たくみさん(@TakumiRodrigues)さんが担当してくれてます。

字幕付き解説で見やすいし、分かりやすいです。

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まとめ

・触診は座学と実学をつなぐツール
・触診に適応はない
・触診力は僕たちセラピストを幸せにしてくれる
・淺原は国外逃亡好き笑


初めてのゲストライター緊張しましたが、

貴重な体験をさせていただくことができました!薬師寺先生、この場をお借りしましてありがとうございます✨


SNS活動はときにしんどいなと思うときがあります。これはやってみた側でないと分からないことです。


もし今回の記事が少しでもみなさんの明日を変えるきっかけになりそうなら

ぜひ、「スキ」「いいね」「フォロー」、「コメント」をいただけるとすごく嬉しいです🙇‍♂️


ライタープロフィール

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陸上競技が好きで、地域の陸上教室でトレーナー活動もしています。

Twitter:触診・臨床について発信中 ✨

note:マガジン『触診レシピ』・『音声便り』を配信中✨

Blog:ランナー向けに情報発信中✨  

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