WEBデザイナーの仕事に「資格は必要ない」と言える理由
・WEBデザイナーになるために取った方が良い資格って?
・やっぱり資格は必要なの…?
こんにちは、フリーランスWEBデザイナーのSHINOBUです。
転職や就職で新しい仕事に就く際、取っておくべき資格や検定があるのかどうかは気になるところです。
WEBデザイン業界にも資格や検定はいくつかあるので、何を勉強したら良いのかわからないという方も多いかもしれません。
しかし、先に私の結論を言いますと、どれも必要ではありません。
その理由を、今回はしっかりお伝えしていきます。
「 理由1:資格は、ノウハウを学ぶためのものではない。 」
まず初めにお伝えしたいのは、「資格は無意味」ということではありません。資格や検定は有意義ですし、持っていると役立つタイミングはたくさんあります。
しかし、「必要」ではありません。
ですので、保有資格がない方も、焦る必要は全くありません。
【 資格で学べるのはテクニックや知識 】
メジャーな資格には、以下のようなものがあります。
・Webクリエイター能力認定試験
・Photoshop®クリエイター能力認定試験
・Illustrator®クリエイター能力認定試験
・ウェブデザイン技能検定
それぞれ、デザインソフトの技量を測るものだったり、デザインに使える知識を確認するたものだったりします。
つまり、デッサンで置き換えて言うと、「綺麗な線をまっすぐ引けるかどうかの試験」をしているような感覚です。
上手に絵を書くことを目的とした時、「線が綺麗に引ける」のは重要ですが、資格がないといけないものでもありません。(少し嫌な言い方になってしまいますが…。)
資格取得に際して期待できることとしては、一定期間である程度のレベルまで技術や知識を引き上げられるということです。
明確な目標を持って学習することで、習得のペースが上がったりします。
【 仕事で必要なのはノウハウ 】
仕事で必要になるのは、「知っている」だけの知識ではなく、「使える」ノウハウです。
そして、「使えるノウハウ」がどんなものなのかというのは、実践を通してしか理解できません。
ここで重要なのは、体系的に実践を経験しているかどうかです。
例えば、
・サイト1つを丸ごとデザインしたことがある
・サイト全体を自分でコーディングしたことがある
など。
もちろん細部のテクニックやアカデミックな知識などが大事になる局面はありますが、制作においては、それ以上に体系的なノウハウが重要になっていきます。
資格試験には「実践向け」や「応用編」のような立ち位置のものもありますが、それは本当の実践とはまた異なります。
わかりやすい例を挙げるとしたら、
「資格試験で行う実技を、実際の仕事で使うタイミングが少ない」
などはよくあります。
事実、私は先述のメジャーな資格を2つ持っていますが、「履歴書の資格欄を埋められる」という安心感以外、資格を保有していることが効力を発揮するタイミングはあまりありません。
そして、そのことは、実践の場に出てやっと気づくことだったりします。
ですので、資格や検定のための勉強よりも、リアルな実践を数多く体験することの方が優先順位は高いように思います。
「 理由2:資格は、採用や案件受注に直結しない。 」
WEBデザイナーの仕事に「資格は必要ない」という一番の理由は、ここにあります。
資格や検定を持っているからと言って、仕事が入ってくるわけではありません。
現場からお伝えできることとしては、2点です。
1. 就職や転職において資格が採用の決め手になることはあまりない
2. お客さんは資格を持っているかどうかなど気にしていない
【 1. 採用の決め手にはならない 】
就職・転職活動の際、職務経歴書や履歴書に保有資格を書けるというのは、確かに強みになります。
ただ、それが採用の決め手になることはほとんどありません。
と言うのも、採用側も資格や検定の立ち位置を理解した上で、より重要なのは実践力だと考えているからです。
逆に言えば、資格や検定を持っていないことで、焦る必要は全くありません。それらがなくても、仕事は問題なくできます。
それより、実践力を磨くために時間を使う方が良いと思われます。
【 2. お客さんが気にするのは資格じゃない 】
例えば、制作会社に就職できたとして、クライアントはあなたの保有資格など一切気にしていません。
それは、制作会社にいるWEBデザイナーを「プロ」として見ているからであり、疑う必要がないからです。
一方、フリーランスはどうかと言うと、こちらもまた資格はあまり関係ありません。
お客さんが見ているのは、あくまでリアルなスキルです。
どんなことをしてきた人で、どんなものを作れる人なのか。
そういった部分が全てと言っても過言でありません。
【 では、資格はいつ役立つのか。 】
実際の制作の仕事には、資格は必要ないと言いました。
では、どんなタイミングで活きてくるのか。
それは、教える側の立場になる時です。
例えば、ツールの使い方を講師として教えるタイミングや、デザインに関するアドバイザーになる時などに、資格が活きてくるかもしれません。
発言に説得力を持たせることができるという点で効力を発揮します。
「 大事なのは実践力 」
資格を持っていて、かつ実践的な技術もあれば、言う事なしです。
しかし、これから資格を取ろうか迷っているという場合には、あまりおすすめしません。
それよりも、実践を意識した学習に時間を使う方が、仕事に直結してくると思います。
【 実践力をつけるには 】
おすすめは以下の2つです。
・デザイントレース
・サイト構築
デザイントレース
トレースとは、手本をなぞりながら真似する学習法です。
WEBデザインの参考サイトや、バナーのまとめサイトなどを見ながら、「かっこいいな!」と思ったものを、まるっきり同じように真似して作ります。
実際に世に出回っているものは、しっかりデザインが考慮されているため、真似することでデザインの組み方を体で覚えることができます。
サイト構築
一番手っ取り早く、かつ有用なのは、自分のポートフォリオサイトを作ることです。
ポートフォリオサイトでないにしろ、何かサイトを一通り作ってみるのが良いです。
サイトを丸ごとデザインするのは、部分的な要素を作るのとは全くの別物であり、体系的なデザインワークを経験できる点ですごく実践的です。
一からhtmlやcssを組んだりすると、コーディングの全体像を少なからず理解できます。
実際、入社したばかりのコーダーは、更新作業などの極めて部分的なところから始まります。
しかし、任された作業が初歩的なものだとしても、一度サイト全体を作った経験があるのとないのとでは視点が異なるため、同じ仕事内容でも吸収できるものの質が大きく変わってきます。
結果的に成長スピードも大幅に上がったりもします。
「 まとめ 」
改めてですが、資格や検定を否定しているわけではないですし、持っているに越したことはありません。
ただ「資格」が持つ効力はしっかりと把握した上で、優先的な努力をするのが良いかと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?