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【全文無料】今日から始める『ロジカルデッキ構築』!(全5,119文字)

初めに

タイトルは筆者たちが疲れの中爆笑しながら書いています。
悪しからず。

RDを始めたばかりの方や、デッキ構築に悩まれている方、ぼんやりとそのデッキを使い続けている方をターゲットとしています。

本記事については我々が普段踏んでいる構築プロセスを記したものです。
基礎的なデッキ構築におけるPDCAの回し方、判断基準を紹介します。

拾ったリストをコピーしただけで友達と対戦し「なんか…弱かったわ…。」と真価を発揮させないままストレージの奥に眠らせたりしてませんか?



筆者たちと一緒にもっと強いヤマを作りませんか。
〇人がゴロゴロ出るような、そんなヤマです。



1.デッキ選択

・環境を知ろう


流行のデッキは何かを考えます。
2024年11月2日時点ではベリーフレッシュ、ガイア、ギャラクシー、闇魔、悪魔、セレブローズなど多様なデッキが環境に存在します。

画像小っちゃくてごめん…


上記を使用し、雑多なデッキに負けない安定を取るのはもちろんのこと、
他の戦略として、主流のメタが効かないニッチを突くいわゆる相対的に強いデッキを使用するなど。

筆者たちの結論としては、
初めたての方は特に前者の戦略を選択する事を強く推奨します。
理由としては、以下2点
・前者は『雑多なデッキに負けない安定』を担保できるデッキパワーがあるため、トーナメントシーンの序盤でも勝ち切れることが多い事
・後者はカード単位に相対的な評価をする技術が求められるため、環境に対する広い知見が必要とされる事
が挙げられます。

筆者達の主観では、ギャラクシー、闇魔、セレブローズのようなメインギミックを押し付けるデッキがよりおススメです。
慣れてきてカード単位の相対評価が正しく行えるようになれば、ベリーフレッシュやガイアのように豊富な自由枠を強みとするデッキに乗り換えるのもいいでしょう。

・立ち位置を考えよう

例えば、今環境を定義しているカードの1枚である『ベリーフレッシュ・スイミング』に対して弱みを見せないデッキチョイスとは何かを考えてみましょう。


EX.1
・エクスキューティーやスカイスクレイパーを採用したHERO
・エクスキューティー入りの悪魔
この2デッキは、ベリーフレッシュスイミングの受けがいい事から、ベリーフレッシュに対する立ち位置が良いデッキと言えます。


EX.2
・サイバースパイスギミック入りのユグドラゴ
カリーパンの採用によりスイミングを受けないまま魔法罠の全破壊ができる事や、融合の同時処理で場のカードを破壊しボードアドバンテージの獲得がしやすく、ベリーに対する強いメタカードであるシャイニーシェイディーを打った上からライフを大きく削ることができる事



これらのように自分のデッキ独自の強みが環境に刺さっていると思うなら「立ち位置デッキ」として一定の合格ラインに達しているでしょう。
そうなったら次の段階では主流のメタカード(サイドデッキによく採用されているカード)の受け方を考えてみましょう。

これ以降の領域にたどり着いたあなたは、もはや初心者と言えません。
すぐにブラウザバックし、ACSやRAM杯にエントリーしましょう。

2.プラン策定


大前提として、この項目で行うことはデッキ選択となるべく同時に行うべきであり、デッキ=プラン間の矛盾がないことを目指すのはある意味当然と言えば当然です。
デッキの強みを知ったら、それを生かせるプラン策定をし、採用カードと矛盾がないか検証しましょう。
アーキタイプが様々あるこのRDでは、デッキタイプを大きく2分化できます。
・ライフアドバンテージを優先して獲得するデッキ
・ボードアドバンテージを優先して獲得するデッキ
なので、これらの方針とプラン選定の方針は一貫しているべきでしょう。

矛盾のある例として
・自由枠が少ないがメインギミックの押し付けが強いデッキ
(ギャラクシー、セレブローズ等)


にゲームレンジを延ばすための罠カード
(酢酸の溜まった落とし穴、トラディショナル・タックス等)


を採用する事

・中長期にわたりボードアドバンテージの差で戦うデッキ
(ベリーフレッシュ、ガイア等)


にライフアドバンテージにしか作用しないカード
(救惺望御、シャイニー・シェイディー等)


を採用する事

がそれぞれ挙げられます。
なので、早期決着を見込むなら即座に機能する魔法カードやモンスターカード、じっくり戦うならより割のいい交換が狙えるカード、といったように方針を決めて採用カードを決めるとよいでしょう。

ただし、デッキの強みの最大化を狙い、これがプランと一貫している場合は同時にデッキの弱点も露見しやすくなる点には注意したいです。
正しくデッキを構造化できている上であれば、一見デッキの方針からズレたカードの採用であっても、相性補完の意味では正しく機能する場合があります。

例によって、「正しくデッキを構造化できている上であれば」が実現できるのであればあなたは初心者ライン卒業です。
正しくデッキを構造化するためには、各対面の実戦経験を積む必要があります。その中で多角的に自身のデッキの強みを理解しましょう。

3.サイド選定


サイド選定を行う上で重要な視点は2つあります。
「仮想敵に対し、有効であるか」
「自身のデッキで使う場合は」
上記についてそれぞれ具体例を挙げます。

1仮想敵に対し、有効であるか

こちらは至極当然の話で、カードゲームをやったことがある方ならわかりやすいでしょう。
以下に各対面ごとの有効札を記載します。
※ライフレースに寄与するカードをラ、ボードレースに寄与するカードをボと表記します。
※前回のnote.にカードそれぞれの解説を行っておりますので、そちらをご確認ください。

・ベリーフレッシュ
ラ:救惺望御、シャイニー・シェイディー、シャイニング・フォース、ブラック・ホール、ハリケーン
ボ:イチゴ一会、酢酸の溜まった落とし穴、トラディショナル・タックス、ノーバディ・スキャットシーフ、閃光のバリア-シャイニング・フォース、ブラック・ホール、ハリケーン、聖なるバリア-ミラーフォース

・ガイア
ラ:メイドのいたずら、暴風輪
ボ:夢中の誘い、激流葬

・ギャラクシー
ラ:救惺望御(?)、聖塔の危機
ボ:メイドのいたずら、バックビート、聖塔の危機、強制脱出装置、砂塵のバリア-ダスト・フォース

・闇魔
ラ:救惺望御、はたらくことのは、サンセットリバース、虚無魔人
ボ:メイドのいたずら、ノーバディ・スキャットシーフ、トラディショナル・タックス

・悪魔
ラ:聖塔の危機、シャイニー・シェイディー、夢中の誘い、サンセットリバース
ボ:聖塔の危機、夢中の誘い、サンセットリバース、マッドレア・アクエラ

・セレブローズ
ラ:救惺望御、はたらくことのは、魔法の筒、砂塵のバリア-ダスト・フォース
ボ:セブンスロード・エンチャンター、メイドのいたずトラディショナル・タックス

2自身のデッキで使う場合は


RDでは、ドローフェイズの5枚ドローがあり、サイドカードを引きやすいゲームの認識は常に持っていたいです。
そのためサイドカードが戦略に組み込みやすいです。

逆に言うと、戦略に矛盾が生じてしまっている場合は、5枚ドローのうち数枚が浮いてしまい、5枚すべて有効に使用してくる相手に対しターンを重ねる毎にアドバンテージの差が開き続け、構築上の負けに直結します。

自身のデッキがどちらのアドバンテージを獲得したいデッキなのか正しく認識する事が特に重要と言えるでしょう。

初心者卒業ラインなので蛇足になりますがより重要なため記します。
サイドの構築はとにかく「構造化力」が試されます。
極端に具体化した例を記載します。

EX.「ベリーフレッシュ」に『シャイニー・シェイディー』や『夢中の誘い』の採用は悪手
ベリーフレッシュの構造上、手札コストを要するカードは使いにくく、また捨てたい手札もないため単純なカードパワーだけの評価で採用すべきではないでしょう。

EX.「ガイア」に対し『マッドレア・アクエラ』を投入する
一見ガイアに星6は採用されていないため、真価が発揮されないように思えますが、「ガイア」デッキをよく見ると、下級はいずれも『アクエラ』の1300ラインを超えていません。
そのため、ボードアドバンテージに強味がある「ガイア」に対し2:1交換ができます。
メインギミックで融合体のガイアに対し有効な解決策を持つデッキに関してはこの認識を持っていたいものです。
『アクエラ』の2回攻撃にフォーカスした場合に初めて見えてくる別軸の真価であるといえます。

蛇足部分ですが、最も伝えたい事としては相手のデッキだけでなく自身のデッキもより詳細に知る事が大切で、「単純に〇〇に対し強いから」の採用理由から脱却し、「〇〇を仮想敵として採用したが、自身のデッキであれば××に対しても有効に働く」といった観点で、より適切な15枚を組み上げましょう。

4.まとめ ~適切なPDCAを回すために~

本記事のまとめにはなりますが、
デッキ構築はカードゲームの楽しみの内の一つです。

最初は何であれ結果を出した他の方のリストや、遊戯王ニューロン-デッキ検索からのコピーでも構いません。

しかし、より勝てる構築というのは自身の内省により導かれた理論に沿った構築を洗練させる事で生まれます。

本記事の1~3をフレームに繰り返し続け、実戦経験を積みPDCAサイクルを回していきましょう。

周りにRDプレイヤーがいない事を理由に、実戦経験が積めないならば
すぐにこのサイクルを回す事をやめて、言い訳をせず友人を誘うことに全リソースを使ってください。
記事を読んでいる場合ではないです。


【オマケ】実際にやってみよう

筆者たちがACS宮城に参加するために実際に行った調整を以下に記載します。
当時ACS宮城に筆者しろくまが使用したリストはこちらになります。



デッキ例:「セレブローズ」
1.ベリーフレッシュが最大母数と考えメタの中心は「スイミング」「酢酸」であることを仮定
「スイミング」「酢酸」を受けても『ノーバディ・スキャットシーフ』で切り返せるギミックを採用できるコンボデッキから「セレブローズ」を選択。


「ベリーフレッシュ」以外にも少なからずいるだろう「青眼」や「闇魔」に『ノーバディ』の受け性能込みでギミック有利なのも好印象。

また『メイドのいたずら』『バックビート』等の墓地リソースを刈り取るカードが多くサイドから採用されると考え、リソースの再構築ができる『ノーバディ』を高く評価し最終的な立ち位置は良好と判断。

2.基本方針
『ノーバディ』込みで延命しつつとにかくデッキを掘り、『ウォーロック』を絡めて一気に勝つ。
またその弊害となる罠には『顕現の秘儀』の存在から突破しやすく、唯一対応困難な『魔法の筒』を『レジェンド・ストライク』で割るプラン。
サイドから来るだろう『メイドのいたずら』『バックビート』への受けは『ノーバディ』で担保。

3.補完カードの検討
『コスモス姫のおたわむれ』や、「ガイア」の減少に伴い、環境的に『セレブ・リベレイション』の通りがよく、これで多くのデッキを見られると判断。


「セレブローズ」が孕む『バックビート』のリスクを一貫させてしまう採用にも見えたが、『ノーバディ』が持つ【受けの性能】【リソース再構築の性能】との補完が完璧で、【装備魔法付きの大型モンスターの成立】で『リベレイション』の発動条件を満たしにいく方針をとった。

『ロイヤルデモンズ・プログレッシブ』の存在から、攻撃反応系のカードでは対応しきれない悪魔には『アクエラ』『聖塔』で対抗。


ET対策は『ルミナス・レディ』『筒』に任せた。


4.改善後 ~ACS宮城を経て~

結論として、環境が想定程回っておらず
メタ対象であった罠型のベリーをはじめ、その他ベリーにおいてもほとんど対面しなかった。

その為、他のデッキにも酢酸は採用されず、『ノーバディ』の刺さりは想定には届かなかった。

また、『レジェンド・ストライク』のプランについては、広く丸いカードではあるが、パワーが足りなかった。
その為、現在はそれぞれ以下の変更を行った。
『レジェンド・ストライク』→『オーバーラッシュ・ストーム』
『レジェンド・マジシャン』→『アクセルワンダー・ライト』

また、ACS東京を経て「ベリーフレッシュ」が評価されていることを机上論だけでなく再認識し、今一度『ノーバディ』『リベレイション』のプランは再検討されるべきだと感じている。

もちろんこれで終わりではなく、環境の変化に対応し続けることが求められる。
その中で、過去のプランに答えがある事もあるため、プランの方針のみならず背景等も含めて記録してあるといいだろう。


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