九州旅行記 ⑦ (鹿児島中央→指宿)
指宿枕崎線
2022年3月15日、朝4時前に起床。これから指宿の山川港に行きフェリーなんきゅうで大隅半島に渡る予定だが、フェリーの出発は8時なので念の為7時半には港に着いておきたい。
よって指宿枕崎線の始発の4:47発の列車に乗る必要があった。この旅では最も早い列車となる。
指宿枕崎線の普通列車は全てキハ40系なのかと思っていたが、快速なのはなに用いられるキハ200系が入線してきた。
列車には早朝にも関わらずガラガラではなく数人乗車していた。しかし不正乗車を試みようとしたのか知らないが、乗車券を持っていなかったり区間の短い乗車券を持った客がおり、検札に来た車掌さんにこっぴどく怒られていた。
5:57 指宿駅に到着。山川駅から山川港は徒歩30分程度らしいが、そうすると早く着きすぎてしまうので指宿駅から歩くことにした。
駅下車時はまだ真っ暗で雨上がりだったが暖かかったのでコートとセーターを荷物と一緒にコインロッカーに突っ込んでしまった。
少し歩くとグレイシアのポケふたを発見。指宿市にはイーブイとその進化系ポケモンのポケふたがあちこちに設置されている。
フェリーなんきゅう
山川港までは徒歩1時間半くらいとなっていたが、思ったより時間がかかったのと雨が土砂降りになってきたので堪らずタクシーを呼んでしまった。大人しく山川駅から歩けばよかったと後悔した。
タクシーに乗車して10分もかからずに山川港に到着。港には猫が沢山いた。ドアを開けると中に入ってしまったが、港の人は特に気にしていない様子だった。
出港の20分ほど前になると係員さんに誘導されて船に乗り込む。
佐多岬観光周遊バス
フェリーは定刻通り8:50に大隈半島側の根占港に到着。9:00発の佐多岬観光周遊バスが港の前に停車しているので乗車する。
実はここで埼玉の友人と合流することになっており、友人は前日から鹿屋に泊まっていて既にバスに乗車していた。
普段は殆ど乗客がいないらしいが、今日は兵庫から来たお年寄りの団体が乗車しており車内は少し賑やかだった。
バスの中では運転手さんが乗客に昼食を食べる店のリストを配っていた。途中伊座敷商店街に立ち寄り昼食を食べることになるので各自予約してほしいとの事だった。
バスは早速佐多岬に向けて出発する。佐多岬は本土最南端に位置する岬で、2006年に路線バスが廃止された後は長らく公共交通機関で到達するのは不可能だったが、近年この観光バスが運行されることになり再び車が無くてもアクセス可能になった。
道中は海に向かっているとは思えないような山道で、植生が明らかに東日本で見られるものではないのが面白い。
佐多岬
バスは定刻通りに佐多岬駐車場に到着。ここからは歩行者用のトンネルを通って佐多岬へ向かう。
トンネルの扁額には岩崎と刻まれているが、佐多岬へ繋がる遊歩道や車道はかつて「岩崎グループ」と呼ばれる会社が観光地として開発したもので、岬周辺はかつて企業の私有地だった。
しかし経営難を理由に岩崎グループが運営をやめてしまい、観光資源として活用したい南大隅町と交渉して2012年からは町が佐多岬を管理することとなり、2018年に現在のように新しく整備された。
遊歩道を少し歩くとこぢんまりとした神社を発見した。御朱印が頂けるようなのでお願いすると、書いておくので岬の観光をしたら取りに来てほしいと言われたので御朱印帳を預ける。
帰宅後に撮影した御朱印。本土最南端と記されている。荷物は指宿駅に置いてきたが御朱印帳は持ち歩いていて良かった。
さらに遊歩道を進んでいく。この写真では分からないが海に突き出した部分を歩いている為、270度近く海が見えるのが良い。
そして佐多岬展望台に到着。途中神社に寄った時間も含めると20分程度の道のりだった。
仙台を出発してから6日間、かなり遠回りをしてきたので総距離は約2,500kmにもなる。それだけに最果ての地にやってきた実感が湧いてくる。
一通り景色を楽しんだ後は駐車場に引き返す。滞在時間は1時間なのであまりゆっくりはしていられない。
駐車場に戻って佐多岬観光案内所で最南端の訪問証明書を貰う。最北端の稚内には去年行ったのでこれで二枚目である。
因みに友人はここが四枚目であり、日本本土四極を制覇していた。この証明書は四枚そろえると裏面が大きな一枚の証明書になるように出来ている。次の休みには最西端か最東端に行きたいものだ。
駐車場には巨大なガジュマルが生えている。最南端という事でバイクで旅している人も多く、バイクと一緒に記念撮影している人が多くみられた。
昼食
11時になるとバスは佐多岬を出発し、30分程で前述した伊座敷商店街へ。商店街と言っても辺りは長閑な漁村と言った感じで店があまり集中しているようには見えない。
前もって予約していた店に向かうが、開店は12時なので並んで待つ。開店時間には3組程度の人が並んでいたが、皆予約の客か店員さんに聞かれていた。この店は南大隅の有名店なのでやはり予約してくる人が多いようだ。
無事入店してこの店の看板メニューの海鮮丼である時海丼をいただく。出発時間は12時半なので急いで食べることになってしまったが、とても美味しかった。観光地のものではなく、まさに漁村の海鮮丼と言った感じだ。
味もボリュームも凄いが、これで値段が1,400円なのが驚きだ。都会なら2,500円程度取られてもおかしくない。
今度来る時はもっとゆっくり味わいたいと思いつつ、満足して急いでバスに戻る。
雄川の滝
バスは続いて雄川の滝に向かう。道は途中から乗用車でも気が引けるような狭い道を通っていく。
車がすれ違うことを離合と言うが、実はこれは九州の方言らしい。なんとなく意味は分かっていたが、確かに東日本ではあまり聞かない表現だ。
狭い道で工事中のところもあり停車することも多かったが、時間通りに雄川の滝の駐車場に到着。これらのことを見越して余裕を持って行程が組まれているようだ。
雄川の脇に整備された遊歩道を歩いて滝を目指す。
20分程で滝に到着。苔むした緑の岩壁や柱状節理が美しい。水もかなり澄んでいる。
滝を見た後は駐車場に戻り近くの店で南大隅町で採れる辺塚だいだいという柑橘類を使用したゼリーを購入。バスに戻って食べたが、バスの中は3月とは思えないほど温まっていた。
その後バスは根占港へ。バスはこのツアー専用の物を使っているようだ。レンタカーを使わなくても南大隅町を観光出来る貴重なバスなので、これからも存続して欲しい。
再びフェリーで薩摩半島に戻る。遠くには開門岳が見える。
指宿散策
山川港に着いた後はバスで指宿駅に戻ってきた。コインロッカーから荷物を回収し、今日宿泊する民宿へ向かう。
宿に荷物を置いた後は砂むし風呂が体感できる施設へ。友人はこの旅行で既に指宿に来ており一度ここにも来ていたが、一人で行くのも寂しいので着いてきてもらった。
砂むし風呂は初めてだったが、砂を乗せられるのがくすぐったくてうねうねと動いてしまい、熱いのかと係員さんに心配されてしまった。
完全に砂に埋められる感覚は不思議だったが、芯から体が温まる感じがした。個人的には岩盤浴の上位互換だと思った。
今日は早朝から沢山歩いて疲れてしまったので、店には入らずコンビニで適当に夕食を買って宿の部屋で食べた。
8日目に続く・・・