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「荒唐無稽ユートピア」のお話

どうも、しのです。
先日、実に8年ぶりのボカロ新曲となる「荒唐無稽ユートピア」を投稿いたしました。

作編曲:ぼく
作詞:葉月 リョウヘイ(U-RASIA
ギター:上杉 
ベース:kakeyan
動画:月乃

というわけで、今回はこちらの楽曲についてつらつらと語っていきたいと思います。
久しぶりのボカロ新曲だから、ちょいと熱がこもってしまうかも。

サウンドのお話

とても2011~2015年頃のボカロシーンを彷彿とさせる曲調ですが、まさか僕がこのような曲調で久しぶりのボカロ曲を上げてくるとは思っていなかった方も多いのではないでしょうか。

とにかく速い。そして音数が多い。

正直、アレンジの消費コストがめちゃくちゃ激しかったです。Super Saw系のシンセだけで多分6つくらい立ち上げてます。
ドラムの音はいつものThe Progressive Foundry SDXなんですが、いつもに増してバッキバキのサウンドになっております。

ギターは上杉 さん。ホロライブ所属タレントさんのカバー曲周りとかで何度か弾いていただいていたのですが、今回満を持してオリジナル曲で全体まるっとギター演奏をお願いしました。
彼に依頼したきっかけは、数年前に投稿された「拝啓ドッペルゲンガー」の演奏動画です。

はっや。
現在彼はおそらくこのT's GuitarsのDST-Pro24は手放しているのですが、投稿された当時に見たこの演奏が非常に強く印象に残っていたので、今回ギター演奏をお願いしました。もっとも、彼いわく「久々にバカ速い曲弾けた」らしいですがw
今回あえてあまり細かいオーダーはせず(仮で僕が弾いたギターのパラデータはお渡ししましたが)、わりと自由に弾いていただきましたが、めちゃくちゃ音が分厚くなって、最高にカッコいいサウンドになりました。

ベースはkakeyanさん。近年では「グッバイ宣言」等のベースも担当されていますね。
これまでも何度かベース演奏をお願いしていますが、そもそも数年前に彼を知ったきっかけとなった動画がこれでした。

圧倒的に堀江 晶太。
というわけで、このテの曲でお願いするならやっぱり彼でしょうってことで依頼しました。このドライブサウンド、マジで最高すぎる。あまり多くのオーダーはせず、絶対的信頼の上で投げたのですが、想像の500倍くらいカッコいいベーストラックをもらってぶっ飛びました。曲のテンポ感が仮打ち込みベースの段階よりも更に増して、グイグイと前に押し出される感じになりました。
ちなみに、彼いわく「年度末(依頼したのが2022年2月)にして今年度最高難易度を更新しました」だそうです。そらそうなるわな。

歌はIAですが、サビ等にうっすらと蒼姫ラピスを重ねてあります。実に数年ぶりのボカロ打ち込みだったのですが、以前の僕とはうって変わって結構アグレッシブな歌い方にしています。昔と同じく未だにVOCALOID3ライブラリ&エディタですが、かつての僕のボカロ曲よりも発音の良い歌声になっているかと思います。
あと、Cメロがめちゃくちゃ速くて大変でした。
誰だこんなメロディー作ったの。僕か。

余談ですが、今回人生で初めてボーカルを含めた総トラック数が100を超えました。

そして今回、YouTubeとニコニコ動画それぞれに投稿しておりますが、それぞれ全く異なるマスタリング処理を行っています。
YouTube版については既知の通りラウドネスノーマライゼーション(公式発表はありませんが-14LUFSまで下げられる模様)があるため、Integrated Loudnessが-12LUFSくらいになるようにしています。しっかりとダイナミクスレンジとトランジェントが確保されつつも、曲調に合わせてある程度の音圧感が出るように整えています。
ニコ動版については今回あえて死ぬほど音圧を突っ込んだ海苔波形になっています。これについては、ラウドネスノーマライゼーションがない分、かつてのボカロシーンの楽曲と同じくらい音圧を上げてやろうという魂胆なので、Short-Term Loudness Max-4.3LUFSくらい、Momentary Loudness Max-3.6LUFSくらいあります。アホすぎる。
ちなみに、いずれストリーミング配信をすることも考えているので、そちら用にもまた別のマスタリング処理を施したマスター音源を既に準備してあります。そちらは一般流通している楽曲と同じくらいの音圧レベルになっているかと思います。全部聴き比べてみると全然音が違うので、聴感上の音量を揃えて聴き比べてみると面白いです。

歌詞のお話

作詞は同人サークルU-RASIA葉月 リョウヘイさん。動画担当の月乃さんのM3-2021秋作品「Beatrice」収録の「創傷アンスリウム」でご一緒したご縁で今回お願いしました。
彼にお渡しした資料に曲のストーリーの概要がありますので、それをそのまま載せます。

互いを憎しみ、争い合う世界に疲れた。
僕は誰もいがみ合わない、苦しみのない平和な理想郷を求めてココへやってきたのに、結局人は争い、同じ歴史を繰り返す。そして僕もまたそんな人たちに染まって、自分のエゴのための平穏を手に入れるために、誰かを貶める。
こんなんだったら、以前の方が良かったのかもしれない。けど、僕はもう後には引けない。ならば、やることは一つだろう?

一応1コーラス目のBメロまで僕が自分で書いた仮歌詞もあるのですが、そちらはあまりにも拙いので割愛。
歌詞についてはそこそこ細かいオーダーをしましたが、その中で特に強くお願いしたのが

・押韻を多用する。
・サビ直前のキメはBメロの流れで扱い、距離感の近いフレーズを盛り込む。

という2点です。結構な難題に見事に的確に応えてくれました。
歌詞の内容的なところもそうですが、何より歌としてメロディーに載せたときの響きの良さも素晴らしく、そうそうこういうのが欲しかったんだよ、という気持ちになりました。本当に天晴です。

歌詞の解説等についてはおそらくリョウヘイさんご本人がライナーノーツを書いてくれてるかと思うので、そちらをご覧ください。めちゃくちゃこだわって作詞してくれています。

※追記:書いてくれました。

彼の所属する同人サークルU-RASIAではいわゆるデジタルJ-Pop系のキャッチーな楽曲を多くリリースしているのですが、今回はめちゃくちゃ音符を詰めまくったド派手なボカロ曲らしいボカロ曲なので、普段の彼とはだいぶ違った路線になっているんじゃないかと思います。けど、多分いずれ僕も彼にそっち路線で作詞をお願いする機会があるんじゃないかって思っています。

余談ですが、彼とは実は昔不思議なご縁がありまして……というのは、言える時が来たらその時にツイートでもしようかなと思います。

動画のお話

動画については正直僕は完全に専門外でド素人なので、イラスト含め完結できるつきのんこと月乃さんにお願いしました。普段は歌唱でたくさんお世話になっている彼女ですが、イラスト・動画・デザインもできて、作曲もできて、さらにめちゃくちゃ美人(ここめちゃくちゃ大事ポイント)と、もう無敵すぎるマルチクリエイターです。

先ほども書いた通り、僕は動画については完全に専門外でド素人なので、ほんのちょっとだけ入れてもらいたい要素を指示して(といってもタイトルロゴがどーんのタイミングとかその程度)、あとはつきのんのクリエイティビティにお任せ! という感じでした。

で、今回のコンセプトは最初にも書いた通り、2011~2015年くらいのボカロ曲っぽい感じですので、動画の方もド派手にやっていただきました。エフェクトバリバリのエンコード泣かせな動画ですね。グリッチエフェクト大好き。
イラストについてももう文句なしに美少女です。世界を憂いているような表情がたまらないですね。
曲の雰囲気にもバッチリ合っていて、最初に動画いただいたときに「そうそう、こういうの! こういうのが欲しかったの! さすがだわ!」って感じで手を叩いて喜んでおりました。マジです。
個人的に、サビ前とかで目が赤くなるところがとても好きです。

ちなみに余談ですが、サムネとか予告動画とかについては、つきのんから素材をいただいて僕が作りました。センスが欲しい。

というわけで

8年ぶりの僕のボカロオリジナル曲、いかがでしたでしょうか?
僕らしくなく、イマドキ(死語)っぽくない曲になっているかと思いますが、めちゃくちゃ魂込めて作ったので、是非たくさん聴いていただけると嬉しいです!




厨二病フォーエバー

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