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常に自分へ問いかけている、届く文章を書くための5つの質問

ライターになりたての頃、良い記事を作るために意識したほうが良いと教えてもらったことが2つあります。

ひとつは、記事のゴールを決めること。目指すべき対象を決めることで、目的を持って執筆と呼ばれるマラソンを走り切ることができるから。

もうひとつは、記事の構成を決めること。最短距離でゴールに向かうためには、どのようなルートを走るのかを考える必要があるから。

3年間、ライティングを生業にしていると、これらの重要性を痛感することばかりです。むしろ、今となっては、構成やゴールなしに文章を書き始めるのは怖いくらい。迷子になったり、路頭に迷ったりします。


ただ、どうしても、わたしには腑に落ちないポイントがありました。それは「構成もゴールも、決めようと言われて決まるものではない」ことです。それ以前に考えるべきことがあるのでは、と考え、自分の日頃の思考を深堀りしてみました。

すると、わたしは常に「5つの質問」を自分自身に問いかけながら文章を書いていることに気が付きました。それがこちら。

1 . 何を伝えたいのか
2 . 誰に伝えたいのか
3 . どうして伝えたいのか
4 . 伝えてどうしたいのか
5 . そのためになにを書くのか

過去に書いたnoteを引用しながら、ひとつずつ照らし合わせて見ていきます。


1 . 何を伝えたいのか

5W1Hで言うところのWHAT。言い換えると、記事の主題です(文章に書き慣れている方であれば、この問いのみでゴールが定まります)。上記の記事では、タイトルの通り「夢は夢のままでは終わらないと思う、と感じた」が伝えたいことです。

このとき、伝えたいことは複数出しません。あれもこれも、と詰め込みすぎると「結局なにを書きたいんだっけ?」と堂々巡りになるからです。シンプルに1つの解のみを持ちます。


2 . 誰に伝えたいのか

5W1Hで言うところのWHO。言い換えると、ターゲットです。上記の記事では「同世代(社会人1〜3年目)で仕事に対して悩む人」としました。もっというと、記事内にも登場するような「新卒2年目で、営業職で、やりたい仕事があるままにやりたくない仕事を嫌々続けているけれど、転職する勇気もなくて漠然とした不安を抱えながら悩んでいる人」です。

ターゲットというと、多くの場合「30代男性、会社員」のように、抽象的になりすぎますが、できる限り細かく。ペルソナと呼んだ方が、意味としては合うかもしれません。

万人へと向けた記事は、誰の心にも刺さらないままに流れていくと思っています。伝えたいことがあるなら、伝えたい誰かの胸に思いきり届けたいなと。Web上で公開されるけれど、記事はお手紙だと思って書いています。


3 . どうして伝えたいのか

5W1Hで言うところのWHY。上記の記事では「自分自身も仕事やキャリアに悩んでいたけれど、これで良いんだと思える仕事を見つけられたから、少しでも体験をシェアしたい」です。個人的には、この問いに一番時間をかけているような気がします。

取材記事でも流れは同じことです。「取材したから」ではなく「取材していろいろなテーマが出た中で、なぜその主題を、ターゲットに、伝えたいのか」と考えます。

日頃、記事を作るときにはこの内容を書き出すのですが、意外にも定まっていなかったり抽象的だったりします。そして、そのまま書き進めると、大抵の場合は途中で詰まります。


4 . 伝えてどうしたいのか

自分自身に問い始めてから格段に記事が書きやすくなったのがこの問いです。言い換えると、ネクストアクションの提示です。上記の記事では「ターゲットの方に、自分のキャリアについて考えながら読んでほしいし、少しだけ勇気を出して自分なりの答えを見つけてほしい」としました。

感情ベースでも行動ベースでも良いですが、初めの頃はそれぞれ考えるようにしました。先ほどの記事で出したネクストアクションを分解すると、感情ベースが「キャリアについて考える」、行動ベースが「自分なりのキャリアの答えを見つける」です。

書くだけでは、公開するだけでは、記事は何の意味も持ちません。読んでくださった方に学びを届けたり、気づきを届けたり。その「届ける」ことの最終ゴールとして、ネクストアクションを考える、があるような気がします。


5 . そのためになにを書くのか

さて、最後。5W1Hで言うところのHOWです。1〜4の問いに答えていくと、記事でいうゴールが明確に見えた状態になるはずです。締めに考えるのは「そのゴールに向かうために盛り込むべき要件はなにか」です。

上記の記事では、3つの要素を取り入れています。「具体的な悩みを登場させる」「対話を通して相談しているような体験を織り込む」「筆者(わたし)のポジティブな体験談を入れる」です。

今までの問いでは、より具体的な解を1つがセオリーでしたが、ここでは複数個あっても良いと思います。なぜなら、この要素がそのまま記事の構成にもつながるからです。

***

ここまでの話をまとめると、今回の例として登場した記事は、こんなことを意識して書かれています。

1 . 何を伝えたいのか
→「夢は夢のままでは終わらないと思う、と感じた」

2 . 誰に伝えたいのか
→「新卒2年目で、営業職で、やりたい仕事があるままにやりたくない仕事を嫌々続けているけれど、転職する勇気もなくて漠然とした不安を抱えながら悩んでいる人」

3 . どうして伝えたいのか
→「自分自身も仕事やキャリアに悩んでいたけれど、これで良いんだと思える仕事を見つけられたから、少しでも体験をシェアしたい」

4 . 伝えてどうしたいのか
→「ターゲットの方に、自分のキャリアについて考えながら読んでほしいし、少しだけ勇気を出して自分なりの答えを見つけてほしい」

5 . そのためになにを書くのか
◎ 
具体的な悩みを登場させる
→幼馴染の悩みを(ほぼ)文字起こしで登場させる

◎ 対話を通して相談しているような体験を織り込む
→テンポよく読めることを意識し、LINE形式の会話を入れる

◎ 筆者(わたし)のポジティブな体験談を入れる
→やりたいことに挑戦してみようかなと、少しの勇気を届けられる実体験を入れる

この5つの問いによって、やっとゴールが定まり、構成の大枠が見えてくるかなと思います。あとは、具体的に記事の中に入れる要素をざーーーーーっと洗い出して、構成に当てはめていきます。

詳しい方法は、わたしの師(と、勝手に呼んでいる)のnoteに書いてあるのでぜひ参考にしてみてください。


文章は、書く前にだいたい決まっていると言うけれど

記事のゴールや構成は、記事そのもののクオリティを左右すると言っても過言ではありません。ただ、そうはわかっていても、そのためのHOWが言語化されていることってそう多くないのではと感じています。

実際、今回noteでお届けした内容は、わたし自身が丸3年間ライターとして記事を書きまくってみて、やっと言語化できたものでした。この5つを記事の執筆前に問いかけているかどうかで、完成時の納得感が大きく変わるようになったんです。

これらを考え抜いて書き進めた記事なのだからと、迷走せず、余計な項目を織り込むことなく執筆できます。

もしも、記事を書く際に迷ってしまうなんて方がいらしたら、試してみてくださいね。それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました◎


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