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Wordで「ですます調」を「である調」に変換するツールを作る【ChatGPTで業務効率化#4】

今回のミッション

複数のメンバーで分担して書いた数百ページに渡る文書の校正作業をするとき、誤字脱字や記載内容のチェックに加えて、表現を統一する作業に追われる。漢字と仮名、カタカナとアルファベット、大文字と小文字、全角と半角、そして敬体(ですます調)と常体(である調)。今回は、文書の中に混ざっている「ですます調」の部分を探しクリックひとつで「である調」に変換するツールを作る。

意外と面倒な「敬体↔︎常体」の変換

「ですます調」と「である調」、いわゆる文体の統一は、Wordの文章校正の設定と校閲機能を使って行うこともできる。しかし、文末を「~である。」にしたいのに「~だ。」に変換されてしまったり、変換候補の表現が出てこず手入力で修正することになったりと、思い通りにいかないこともある。

そこでChatGPTを使って、文書全体から「ですます調」を検索して変換候補語を示し、クリックひとつで変換するツールを作ることにした。

ところで、「ChatGPTを使えるなら、直接GPTに文章を貼り付けて「この文章を『である調』に統一して。」とリクエストすればいいんじゃない?」と言われそうである。もちろんそれはできるのだが、業務で使う文書には機密性の高いものが多いのでアップロードするのは組織のルール的にアウトだし、仮にそれをクリアできたとしても容量の多い文書の処理には時間がかかったりオーバーフローしたりするリスクもある。よって、多少面倒でも自分のPC内で完結できる方法を選ぶ必要がある。

完成物のイメージ

まず、どんなツールを作りたいのかイメージを描いてみる。

1.変換する語をセット
「です」→「である」,「します」→「する」のように,変換対象の語と置換後の語の組み合わせを一覧にしておく.

2.文書全体を検索
セットした変換対象の語を文書全体から探し,何個見つかったかをメッセージボックスに示す.わかりやすいように該当箇所を緑色でハイライトする.

3.ひとつずつ確認しながら変換
緑色でハイライトした箇所について,ひとつずつハイライトを黄色に変更して示しながら確認メッセージを表示して処理を進める.このとき,「変換する」「スキップする」「処理を中止する」をボタンで選べるようにする.
「変換する」を選ぶとセットした置換語に変換される(例えば,「です」を変換すると「である」になる).「スキップする」を選ぶと変換されずにハイライトの色をターコイズ色に変更し,次の語へ移動する.「処理を中止する」を選ぶと途中で処理を終了する.

4.処理の終了
すべての該当箇所の処理が終わったら,完了メッセージを表示する.

(有料部分では、GPTへのリクエスト文と完成コードを示します。)

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