王陽明先生の手紙11-2
往々にして、世間の友人関係において、仲違いの起きやすい様子を見て想っていた、「彼らはきっと、外面だけのつながりで、本当の友人関係ではないのだろう、だから、簡単に仲違いなどしてしまうのだ」と。内心で哀れに思い、これに対して自ら自負して 「我々の友人知己は、たとえ敵国の中にバラバラに置かれたとしても、決してこのようにはならない」と思っていた。今日改めてこんな議論をすることになろうとは、夢にも思っていなかった。只々自らを反省し、自らを責める以外にない。孟子いわく『人を愛して親しまれざればその仁(まこと)を反りみる、行ひて得ざるものあれば、皆これを己に反求す』と。自らの切実な体験を踏まえなければ、これらの言葉の味わい深く、意念の細やかさにを本当に知ることは出来ないだろう。