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血流整体の必須知識

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血流整体を行う上での必須知識
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2024年7月の記事一覧

筋酸欠と血流整体

筋酸欠と血流整体

血流整体後に感じられる代表的な変化は疲労回復です。

日本疲労学会では、疲労は以下のような定義がされています。「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」とても難解なうえに的を得にくい表現です。

そこで、当院としては、この疲労を一言で「筋酸欠」と呼び、全身の血流悪化からあらゆるパフォーマンスが発揮出来ない状態として

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日常的な飲酒も筋酸欠になる。

日常的な飲酒も筋酸欠になる。

筋酸欠とは、毛細血管での微小循環が滞り、細胞に酸素や栄養が行き渡らない状態を言います。
通常、蓄積した疲労により起こる現象ですが、日常的な飲酒などでも筋酸欠に陥ります。

アルコールを摂取すると、胃と腸で吸収されたアルコールは体内で→アセトアルデヒド → 酢酸 → 二酸化炭素、水に分解されていきます。
また、一度で分解しきれなかったアルコールやアセトアルデヒドは体内をめぐり、再び肝臓で分解されると

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血流整体はもみ返しが起きない

血流整体はもみ返しが起きない

いわゆる「揉み返し」とは、施術後の不快な症状の総称で、一般的には筋繊維および筋膜の軽度損傷と考えられています。
手技療法等の施術で、外部からの物理的な刺激により筋膜組織等に微細なキズが付いたりした時に現れる炎症のことです。

【血流整体はなぜ、強い施術なのに揉み返しが起きないの?】
と、お客様からたびたび問われます。
答えは次の2つです。

①血流整体は、圧を掛けるポイントを点ではなく線や面でアプ

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前毛細血管括約筋

前毛細血管括約筋

毛細血管の手前の細動脈には、前毛細血管括約筋という筋肉の扉があります。
体が緊張していたり、ストレスに晒され続けていると、交感神経の働きにより、この前毛細血管括約筋という扉がキュッと閉じてしまう。
すると、毛細血管に運ばれる血流量が低下し、組織は酸素や栄養不足となってしまいます。

前毛細血管括約筋は、血管の内皮細胞から出る一酸化窒素による血管拡張作用で毛細血管への血流を促します。
前毛細血管括約

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指圧の三要点

指圧の三要点

メンバーシップ記事の「血流整体における末端とは」記事で末端の意味をご理解頂けたかと思います。
では、それを踏まえて指圧を行うにはどうしたら良いのか。

血流における末端とは

血流における末端とは

体に隙間なく酸素や栄養を届けるには、血流を末端まで運ばなければなりません。
血管の末端で行われる微小循環を活発に促すことこそが血流整体というわけです。
ではその末端とはどこでしょうか?
手足の指先や皮膚といった表面のことでしょうか?
実はそうではありません。

浮腫(むくみ)の主な原因

浮腫(むくみ)の主な原因

心臓の機能障害により、静脈血を心臓に引き込む力が弱まり静脈血管内の水分量がうっ滞を起こす。それにより組織に染み出た水分の回収力が減少し、浮腫となる。

肝機能の障害によりアルブミンを合成機能が低下し、膠質浸透圧が低下する。これにより浮腫が生じる。

腎機能低下により水分の排泄量が低下し、浮腫となる。(ネフローゼ症候群)

リンパ管の障害により余分な組織の水分を回収する機能が低下し、浮腫が生じる。

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筋酸欠による広範囲の浮腫

筋酸欠による広範囲の浮腫

筋酸欠に伴って体に現れるのが、浮腫みです。これは、いわゆるデスクワーク等で足に起きる浮腫みとは少し違い、疲労(筋酸欠)により起こるもので、部分的というより体全体や広範囲に出現します。

筋酸欠による血行不良で、毛細血管の血流が悪くなった状態です。

毛細血管に豊富な流れがないために、血管の外でうっ滞している間質液(老廃物を含む)を血管内の流れに引き込むことが出来ずに、浮腫みとなっています。

血流

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血流をブロックで分ける

血流をブロックで分ける

血流は一般的に心臓から出た後、頭部、上肢、下半身に分かれて枝を出します。
下半身を通ってきた血流がその後、頭部に向かうというような動きはとりません。
例えば、下半身の動脈を通り、太ももの一部で微小循環をした後、静脈血となり真っ直ぐ心臓の左心房に帰ってくるといった具合です。
皮膚や骨格筋に向かう血流は、通常、寄り道をせずに戻ります。
常に目的地の後には真っ直ぐ心臓へ帰ってくるのです。

動静脈吻合(AVA血管)

動静脈吻合(AVA血管)

動静脈吻合とは毛細血管を通さずに直接、動脈から静脈に連絡する血管で、この吻合のコントロールにより体温調節を行う。

動静脈吻合は手足の末端、顔、腸の絨毛に存在すると言われている特殊な血管で、手の場合、背側ではなく掌側にあり、足では背側と指、顔は耳、瞼、鼻、唇、皮膚の薄い抹消に多く、皮膚表面から約1ミリの毛細血管より少し深いところに1平方センチあたり100〜600個存在する。拡張した時の直径は毛細血

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血漿膠質浸透圧(けっしょうこうしつしんとうあつ)

血漿膠質浸透圧(けっしょうこうしつしんとうあつ)

膠質浸透圧とは、血液中のアルブミンというタンパク質による浸透圧のことです。アルブミンには水を引き付ける力があり、毛細血管等の半透膜を隔てて濃度に差があると、血液中の水分は濃い方に引き付けられ同じ濃度になるように働きます。

通常、動脈側の毛細血管では35mmHgの血圧で水分が毛細血管の外に移動しようとします。

一方、毛細血管内のアルブミンが血管外の水分を引き付けようとする力が25mmHgで、ここ

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浸透圧

浸透圧

細胞膜や毛細血管壁などは、半透膜(はんとうまく)の性質を持っています。水分やアミノ酸や単糖などのより小さな物質(低分子物質)は自由に通過できるのですが、タンパク質などのやや大きな物質(高分子物質)は通過できない性質です。

液体に溶けている物質は、濃度の低いほうから濃度の高いほうへ移動する性質があります。そのため、半透膜を挟んで2種類の濃度の液体が存在すると、低分子物質は高濃度のほうへ移動し、両方

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最低血圧と最高血圧

最低血圧と最高血圧

「最低血圧」とは、心臓の筋肉が最も広がった時の圧力のことで「拡張期の血圧」ともいいます。一方、心臓の筋肉をギュッと収縮させた時の圧力を「最高血圧」「収縮期の血圧」といいます。

微小循環

微小循環

血流は、動脈→細動脈→毛細血管→細静脈→静脈と流れています。
血管を流れる血液は血管内で何度も枝分かれを繰り返したあと、細動脈を経由して毛細血管までたどり着いたら、毛細血管の内皮細胞の隙間から、タンパク質(固形物)を取り除いた血漿成分(水分)だけが外の組織(間質液)に滲み出していきます。
間質液に滲み出た血漿成分は付近の細胞に酸素と栄養を渡し、逆に細胞から排出された二酸化炭素や老廃物を受け取って毛

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