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日本の価値ある観光資源を“再解釈”して届けること

7/23に行われた日本インバウンドサミット2020のデジタルマーケティングのセクションに登壇しました。星野リゾートの星野さんをはじめ、豪華な登壇者に合計3,000名以上が参加した日本最大のインバウンドの祭典になりました。

このタイミングだからこそ、誰もが日本のインバウンド観光の再建を共通ゴールに、情報をオープンに話している印象でした。記憶に残った考え方は以下です。


インバウンドの情報発信を止めている場合ではない

自分は、デジタルマーケティングのセクションでDeep Japan萩本さん、JNTO香港事務所長の薬丸さん、ランドリーム代表の原田さんとお話ししました。むしろ自分がたくさん勉強させてもらいました。4人の共通メッセージとしては、インバウンドのデジタルマーケティングを止めている場合ではないということ。

セッションを要約すると、以下。

・インバウンドは世界戦であって、観光客は次の旅行を今か今かと待ち望んで旅先を吟味している。世界は今も様々な新しい形で発信を続けており、日本が止まっている場合ではない。
・今は、自らの観光資源と向き合って再解釈し、発信するチャンスである。(メンテナンスをしつつ、本物を磨き込む猶予がある)

世界の旅行客数はV字回復すると見込まれており、株式市場に例えたらもう底は過ぎたので圧倒的に買い(観光アピールが必要)なわけです。


どんな情報を発信すればいいのか?

でも、どんな情報を発信すればいいのかわからないという声が多くあります。

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今までは、この図の左側のようにモデルルートやガイド記事などガイドブック的なコンテンツを作って発信していれば、ある程度ニーズが顕在化しているので検索経由で閲覧されました。また、日本に行く直前の人は直近の新商品、新店舗のニュースやイベント情報が重宝されました。

しかし、今は検索もされなければ実際に訪れることもできません。

つまり、発信すべきはまだ開発されていないニーズに衝撃を与えるような、SNSでシェアを生むコンテンツです。それを「観光資源の再解釈コンテンツ」と呼んでいます。

例えば、ここは東京?——人のいない浅草寺裏「奥浅草」という記事。

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浅草と言えば、観光客で溢れる浅草寺の表側、雷門や仲見世通りがぱっと思いつきます。PRしようとすると、人気の表側を取り上げがちです。しかしこの記事ではあえて、「人のいない」「浅草寺裏」「奥浅草」をテーマにして、浅草をさらに深く楽しめるような記事になっています。

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事実として、この記事はSNSで多くのシェアを生みました。切り取り方次第で、いわゆる外国人が好きそうな綺麗な雷門の写真よりも多く拡散されます。

きっとこの記事を読んだ人は、次浅草に行くときは「奥浅草」に行ってみようと思ったはずです。それこそが、人を動かすコンテンツです。

今は、自らの観光資源と向き合い、改めてどんな魅力があるのか、何を伝えればいいのか、それをじっくり再解釈して発信するチャンスだと僕は捉えています。「地域に観光資源がない」とおっしゃる方もいますが、自分が土日にしていること、お店、なんでもいいんです。「人がいない」というテーマがあれだけ拡散されるのです。大事なのは切り取り方。

では、どうやって再解釈するのか?については、アーカイブ動画の中でも話しているのでぜひ見てみてください。


日本の観光ポテンシャル

先日行われた原研哉さんとMATCHAの青木のトークセッションの中で、原さんは、21世紀最大の産業は観光と言っていました。

今、日本中の観光従事者が、観光資源を再解釈したコンテンツをWeb上で発信することができたら、日本という国は世界に対してすさまじい可能性を持っていると思います。これは日本に行かなければまずい!という衝撃をいかに作り出せるかが、僕たちMATCHAの仕事であり、日本という国を復活させるために今最も重要なことなのです。

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