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アメリカ留学1ヶ月目を振り返って 🇺🇸

こんにちは、Shinです。
今年の8月からアメリカ、ミネソタ州にあるミネソタ大学に入学しました。交換留学ではなく、現地の大学院に正規の留学生として在籍しております。大学院留学を決断した経緯は別のブログで紹介するとして、今回は一ヶ月ミネソタに住んでみて感じたことをシェアしていこうと思います。


ミネソタ州ってどこにある

留学の候補として多いのがカリフォルニア、ニューヨークあたりで、ミネソタという名前を聞いたことがないという方が多いかもしれません。ミネソタ州はアメリカの中西部の北(ほぼカナダ)に位置する人口約570万人の州です。州都はセントポール(St. Paul)ですが、車で15分ほど走ると高層ビルが立ち並ぶ現代的な都市であるミネアポリス(Minneapolis)に着きます。同規模の街が二つ並んでいることから、ツインシティー(Twin City)と呼ばれたりもします。地名を聞いたことがない方でも、ミネソタで生まれた物で世界的に有名な物がいくつかあります。一つ目にミネソタはスヌーピー発祥の地です。作者のチャールズ・シュルツはセントポール出身です。街中に行けばスヌーピー像を見ることができるそうです(まだ見に行ったことはないですが…)。二つ目にセロハンテープ(英語ではスコッチテープ)はミネソタに本社を構える3Mが開発しました。セロハンテープ以外にも3Mが発明した製品は現代の世の中で大きな役割を果たしています。このように、日本ではあまり知名度が高くないミネソタ州ですが、意外にも私たちの生活との接点は多いような気がします。

生活について

はじめに生活面についてまとめていこうと思います。

気候

8月の終わりに渡米し、緯度がかなり上にあるため、既に寒いのかなと思っておりましたが、9月の終わりまでは割と暑かったです。日本の夏とまではいかないですが、日中の平均気温は30度近くまで上がりました。それに加えて、日中の日差しは日本に比べてかなり強いという印象を受けました。数時間外にいるだけで顔や腕が結構焼けます… また、緯度が高いせいか北欧のように夏は日照時間がかなり長いです。9月は7時でも昼のように明るかったです。逆に冬は4時には日が暮れるそうです…

夜7時半のハリエット湖 (8月19日撮影)。これは、海ではなく湖です… 

物価

アメリカと言えば、物価が高いことで有名ですが、州によっても物価は全く異なります。ミネソタ州はカリフォルニアやニューヨークに比べると物価はそこまで高くありません。(ミネソタの人がニューヨークはCrazyと言っていたほどです) スーパーでの買い物は一週間おおよそ40ドル(6000円)と日本にいた時と比べて何倍も高いということはありませんでした。肉類は日本に比べると若干高めですが、野菜果物はむしろ安いのではと感じました。外食も普通のお店に行けば昼だと一人15ドル程度で収まります。家賃は日本に比べると圧倒的に高いですが、現在住んでいる2ベッドルームは一ヶ月約900ドル(13万円)とアメリカの大都市(ニューヨークの都市部だと1ベッドルームで一ヶ月30万円ほどするそう)に比べるとそこまで高くありません。このように、物価はアメリカの中でも良心的な方なので、ストレスを感じることは少ないです。ありがたいですね!

果物野菜は棚一列に敷き詰められており、ビニール袋に適当に入れていくスタイルです。数えられるものは個数売りで、それ以外は計り売りです。

治安

アメリカと言えば銃社会。街中を歩いていたら危ない目に会う可能性が十分ある国です。ですが、治安も州によって大きく異なり、出歩くこと自体が危険な地域もあれば、夜に一人で出歩いても特に危険がない地域まで色々です。私が住んでいるミネアポリスは、全体的には安全な街です。特にミネソタ大学の周りは事件が起こっても、大学敷地内の警察署から警官がすぐに駆けつけるため安心です。また、ミシシッピ川の河川敷にはランニングトラックやおしゃれなカフェがあったりと大変平和です。

Our Lady of Lourdes Catholic Church
このストリートはレトロな雰囲気でおしゃれです。
ミシシッピ側にかかる橋とミネアポリスのダウンタウンが一望できます。
ミネアポリス市庁 (クッパキャッスルと自分は呼んでいます。)
ツインシティー内を走るLight Rail。路線がGreen lineとBlue lineの二つあり、前者はミネアポリスとセントポールを結んでおり、後者はミネアポリスから空港やアメリカ最大のショッピングモールであるMall of Americaを結んでいます。写真ではわかりにくいですが、路面電車にしては結構大きな車体です。

一方、ツインシティーの中でもセントポール、ミネアポリス共にダウンタウンの中心は治安がそこまで良くありません。アメリカの大都市と比べて、ダウンタウン内を歩いている人がそもそも少ないです。初めて訪れた際には、まるでゴーストタウンにいるかのように感じました。地元の人に理由を聞いてみると、ダウンタウンはオフィスビルがメインで、コロナ禍で労働者がリモートワークに移行して、現在もその仕組みが割と続いているため、出社する人が少なくなったためだとか。歩いている人が少ないと、変な人たちが余計目立つわけです。また、市内を走る路面電車(Light Rail)は日中はダウンタウン内の駅を除いては比較的安全です。しかし、日が暮れると薬物中毒者やホームレスの人達が乗ってき、雰囲気がガラリと変わるため(直接乗った訳ではないですが、車の中から駅や電車内を見てみるとそのような雰囲気でした)、注意が必要です。2020年のジョージフロイド事件やコロナ禍による失業者の増加で、電車の治安も一時期かなり荒れたそうです。最近は監視カメラや警察による見回りを強化したことにより、治安は少しは回復したそうです。

週末の過ごし方

ミネソタ大学の院生(自分の学科の院生)は学費や生活費が全て支給されるため、日本にいた頃に比べ、週末の多くは街散策や運動に時間を使えるようになりました。といっても、アメリカの大学院は授業の課題が多いことで知られており、平日に終わらなかった分は土日のどちらかで消化するようにしています。他の人の体験談で、週末も課題尽くしで遊ぶ暇がないというコメントをよく目にしますが、流石にそこまで大変ではありませんでした。専門分野や履修科目が違うため、人によって拘束時間は異なりますね…

大学の図書館(Walter Library)土日は人が少ないので、作業が捗ります。

課題がない日は、大学のトレーニングジムに通ったり、友達とボルダリングをしたり、郊外に出かけたりして過ごしています。ミネソタは大都市という訳ではないので、都会ならではの娯楽(街中に買い物に行ったりなど)の機会は残念ながら少ないです。しかし、元々田舎出身で人混みがそんなに得意ではない私にとっては丁度良いです。学部時代に住んでいた仙台市とほぼ変わらないといった所でしょうか… 電車やバスを使って少し郊外に出ると、アウトレット、ショッピングモール、博物館美術館などの施設にアクセス可能です。先日、大学の友人と空港近くにあるアメリカ最大のモールであるMall of Americaに行ってきました。グルメからファッションまで全てが一箇所にまとまっており、買い物には大変便利ですね。日本食や雑貨を販売しているショップもあります。もう一つ驚いた点は、モール内に遊園地が併設されていることです。アトラクション施設は屋外にあるのが普通ですが、冬がとても寒いということから、娯楽も屋内で完結するようになっています。流石アメリカ最大のモールということもあり、半日でも全部回り切ることができなかったため、今度また行ってみようと思います。

大学内のトレーニングジム。地下一階から地上三階まである巨大な建物です。
大学敷地内にあるWeisman Art Museum。定期的に展示品が入れ替わります。最近はRace(人種)に関するテーマが多いです。
Mall of America内に併設されている遊園地

大学院での生活

ここまではアメリカでの生活について述べてきましたが、本業である大学院での生活について簡単に紹介します。冒頭で説明しました通り、8月末からミネソタ大学の博士課程に在籍しております。学部と同様に材料科学(英語だとMaterials Science)を専攻しており、日本でいう修士と博士が一体化した5年間のプログラムに所属しております。5年かけて研究者に必要な知識やスキルの習得に励みます。

材料科学/化学工学系の建物(Amundson Hall)

大学院というと研究がメインだと思われるかもしれませんが、アメリカの場合は最初の二年間はコースワーク(授業)がメインで、その間に自分の専門に関連する授業を履修します。今セメスターは、応用数学(Applied Math)、熱力学(Thermodynamics)、構造と対称性(Structure and Symmetry)、量子力学(Quantum Mechanics)の4つのクラスを履修しています。日本の大学で1セメスターで10科目以上履修していた頃と比べると少ないように感じるかもしれませんが、4科目でも結構大変です… なぜ大変なのかというと
1. 授業の進度が速い
2. 毎週大量の演習課題に取り組む必要がある
ということです。一つ目に、アメリカの大学院では、同じ授業が週2、3回あります。授業数が少ないかわりに、同じ科目を一週間に何回も勉強します。その度に、わからない部分についてはオフィスアワー等を利用してキャチアップする必要があります。特に熱力学の授業は毎回の板書量が多いので、復習にどうしても時間がかかってしまいます。二つ目に、課題はどの教科でも毎週あります。課題が数問だとすぐに終わるのですが、重い教科だとA4 6-7ページ分の問題に毎週取り組む必要があります。授業があると、平日は課題で手一杯と多くの人が述べていた理由がよく分かりました… しかし、問題に取り組むことで理解が深まったり、クラスメイトやTAと議論する時間は割と充実しています。大学院にいるなという感じがしてとても良いです!

また、今セメスターは研究室選びの期間でもあり、授業の合間で研究室の先生や学生との面談に時間を使っています。私は、出願時に研究室を決めないで良いアドミッション形式を採用している大学を受験したので、入学後に時間をかけて入りたい研究室を探すことができます。しかし、大変な点もあります。一つ目に、学科が「最低8人の教授と面談して、証拠としてサインをもらってきてくれ」という謎なルールを定めたことです。色んな教授と話して冒険するという意味では良いとは思いますが、流石に多いと思いますね… 二つ目は、どれだけ教授にアピールするかがオファーをいただけるかに直結することです。日本の大学院のように、院試の成績で決めるという客観的な方法ではなく、「取りたいと思った人を取る」という方針のようです。例えるなら、就活と一緒です。幸いなことに、初手でしっかりと行動できた甲斐があり、第一希望の研究室の教授と学生とは良い関係性を築くことができております。この後よほどの強者が現れない限り、オファーをいただけそうです! 研究室が決定したら次回のブログでも紹介したいと思います。

終わりに

今回は留学一ヶ月の進捗についてまとめてみました。次回も私生活や大学院生活にフォーカスして留学生活についてお伝えしていきたいと思います。ブログを読んで頂きありがとうございました。

ダウンタウンミネアポリスのビル群(ここだけ見るとマンハッタンみたいです)

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