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投資メモ30 フィリピンでのヘルスケア事業に注目

はじめに 本noteの内容は私Shinn個人の見解であり、投資における一切の責任を負いかねますこと、予めご了承願います。
尚、本noteについてのご質問やご意見はTwitterまでお気軽にどうぞ。

2023.3.15


「Shinnさん、noteネタ切れっすか?」
「あれ、もしやダマで株手放しちゃいました?」
「本当は暇なんでしょ、知ってる」


といったラブリーな励まし(?)に背中を押され、ようやくnoteを書き上げました。
(もし永野芽郁に励まされたら2分で書き上げたけどな、2分で)


お久しぶりです、Shinnです。

まぁ一旦期間が空くと億劫になって(noteあるある)、仕事が忙しいことも相まってすっかりサボっておりましたー



今回は「フィリピンでのヘルスケア事業に注目」と題し、これからフィリピンのヘルスケア・ヘルステック分野に大きな商機が到来するであろうこと、その中でIpsのメディカル・ヘルスケア部門の新事業「人間ドック/健診センター」がいよいよ開院するという事で、その内容について書いてみたいと思います。

▪️新事業の概要


新事業である人間ドック/健診センターが来月(2023年4月)開院します。


✍️リリース(2021.11.26)
フィリピンにおいて予防医療を提供し、人間ドック/健診センターを運営する 海外子会社の設立に関するお知らせ

(要約)
・検査項目の充実した日本基準の健康診断および人間ドックをフィリピンで展開。
・フィリピンの健康意識・予防意識の向上や生活習慣病の抑制を支援していく。


✍️フィリップスとの提携も

グローバルなヘルステックカンパニーであるロイヤルフィリップス社との技術提携。

(要約)
・今春の開院に向け、マルチモダリティによる画像診断の技術提供を受ける。
・フィリピン初、ヘリウムフリーのMRIを導入、最先端の機器を使用した検査体制を確立。

▪️ついにベールを…「SDPC」


「SHINAGAWA DIAGNOSTIC & PREVENTIVE CARE」のHPを確認することができます。


まだ工事中のページもあるのですが(執筆時点)現在判明している内容を書き出してみます。

【名称】
Shinagawa Diagnostic Preventive Care (SDPC)

【場所】
BGC(Bonifacio Global City) Ore Central Tower8階および23階

セレブ感漂うオーレタワーです。
InfiniVANや絶好調のSLACC/BGC院と同ビルですね。

【価格】
大まかに4つの健診プランがあるようで、それぞれの検査項目および価格が確認できます。

①  JAPAN STANDARD APE /5,000P
②  EXECTIVE APE /9,000 P
③  PLATINUM SHINAGWA APE /25,000 P
④  EXECTIVE SHINAGAWA APE /58,000 P〜62,000P(胃部内視鏡)

P…フィリピンペソ、1P≒2.4円

検査項目の内容より、
①は一般的な健康診断
②が人間ドック
これにCTやMRIを使用したオプションが追加されたプランが③④といった感じでしょうか。

何だか日本とあまり変わらない価格設定ですね。マニラ首都圏の大手法人や富裕層をターゲットとしているのでしょう。


【売上予想】
価格を確認したところで、どれくらいの売上規模なのかを予想してみます。

プラン別の売上構成を①70%、②25%、③5%(④は除外しました)とし、1日あたりの検査数を200で設定してみました。

1.  140(200×70%)×5,000P=700,000P
2.  50(200×25%)×9,000P=450,000P
3.  10(200×5%)×25,000P=250,000P
∴一日あたりの売上は1,400,000P、ドル換算せず1P=2.4円とすると約336万円となり、稼働が波に乗れば年間10億円を超える事業になると予想しました。

立ち上がりからこの設定は厳しいでしょう。
とは言え、早期黒字化に向けては新規の顧客開拓が重要になってきます。


【顧客開拓】
では、どうやって顧客開拓を行っていくのでしょう。

まずはマニラ首都圏の法人向けセールスが思い浮かびます。従業員向けの福利厚生として利用いただくのは、安定した稼働を続けるために必要かと思います。(IVANやSLACCの従業員は優遇が受けれるとイイですね)

気になるところでは、HP内にはフィリピン保健省が運営する国民健康保険の「Philhealth」やPag-IBIGなどの認定ロゴと共に、フィリピン観光省のロゴを確認しました。

フィリピン観光省は保健省と連携し医療ツーリズムに力を入れており、医療費の安さや英語力を背景に海外から高い需要があることが知られています。

マルコス政権は観光業を国の重点施策の一つに位置付けております。誘致策の一つとして医療ツーリズムを推進していくことも考えられ、日本の高い技術を提供する本事業に商機が期待されるのではと思います。

他には、フィリピン退職庁のロゴを確認しました。ここは「特別居住退職者ビザ」の発行を管轄しております。フィリピンに永住や長期滞在を目的に50歳以上が取得できる外国人向けビザで、取得に数万ドルの費用を要すことから富裕層が多いと言われております。こちらの需要も期待できそうです。

これにレーシック顧客の開拓、あとはタイアップ(スポーツクラブ、保険関連など)やSNSによるコマーシャル活動を行っていくものと予想します。

医療ツーリズム以外の顧客は「一度きり」ではないでしょうから、中長期的にはレーシック同様複数院の展開も期待したいところです。

▪️期待とリスク


【期待】
フィリピン人の健康に対する意識はパンデミックを経てより高まってきております。

先月、マルコス大統領が来日した際のビジネスフォーラムに出席しました。
その中で貿易産業大臣による講演があったのですが、2028年までの国の優先産業の一つに「健康とライフサイエンス」を掲げられておりました。

Ipsが推し進める通信関連事業は勿論のこと、これから力を入れて行くヘルスケア分野は、マルコス政権における重点投資施策の位置付けとなっているのです。

<図>2022-2028 フィリピンの優先産業クラスター 10 February 2023 Philippines Business Opportunities Forum Panel2: Infrastructure and Industryより
マルコス大統領の基調講演


また、過去抑制されていた「海外からの投資」が開放されたことで、欧米や日本などを中心とした医療・ヘルスケア事業、またITを活用したヘルステック事業がフィリピンに参入し易い環境が整いつつあります。

✍️フィリピン、CREATE法(法人のための復興と税制優遇の見直し)にて税制上の優遇措置を提供する分野を定めた「戦略的投資優先計画(SIPP)」が明らかに


✍️そして最近ではこんな記事が。

富士フイルムフィリピン、ヘルスケア分野におけるデジタル機器のラインナップとサービスを拡大へ


Ayaraがシーメンスとのパートナーシップを締結。今年第3四半期に、マニラのTaguigにて100床規模のがん専門病院を開院予定


民放GMAの投資会社、医療ITに参入〜新興ヘルスケア企業に投資している米企業、ウエーブメーカー・スリーシックスティー・ヘルス(ウエーブメーカー360)と提携。


上記以外にも沢山の企業がフィリピンのヘルスケア・ヘルステック部門への参入を始めております。

この様な大きな流れが起きている中、Ipsの新事業が来期以降どれほどの数字を置くのか…早期黒字化および事業拡大に向けた計画を楽しみに待ちたいと思います。

【リスク】
足元のリスクとしてはインフレの影響が気になるところです。

メディカル&ヘルスケア事業はIpsで唯一のBtoC事業となります。
ターゲットが富裕層であることを想定すると、そこまで大きな影響は受けないかなーと思っていますが…
それでもフィリピンのGDPの7割以上が個人消費であることを鑑みると、インフレが長引くことは決して良い方向にはならないと思います。

(話が逸れますが、通信分野においてもインフレの影響を懸念しております。ご存知の方も多いと思いますが、現在フィリピンの大手通信事業者がこぞって地方開拓を進めております。
インフレが進むと、地方に多い低価格帯層の利用が伸び悩む可能性があります。現にある大手通信事業者G社はプリペイド方式のファイバープランを展開するといった情報もあり、動向を注視しております)

▪️さいごに


Ipsの株価が冴えないですねー

余裕をかました某ホルダー

過去にも書きましたが、私はここを長期主力銘柄として数年スパンで追いかけています。
(このnoteを見ていただいている皆さんとは投資の時間軸が違うのかもしれません)

海外、しかも新興国でビジネスをするリスクが決して低くない事は分かっており、ゆえに現地記事を読み情報を取りながら、自分なりのストーリーを持ちここに投資をしています。

ただ、特にこの数年は平穏とは到底言い難い社会情勢にあり足元の相場で一喜一憂する事もしばしば。
投資リターンの面で見たら他に優れた銘柄が沢山有るでしょう。

それでも事業のポテンシャル、特に投資拡大と成長性の視点においてここは大きな魅力がありますし、取り組む社会的意義においても素晴らしいビジネスを行っていると思っています。

この先に大きな成長(フィリピン、Ips共に)と投資リターンを得られることを信じて、ブレることなく引き続きしっかり追いかけていきたいと思います。

今回は以上となります。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

早く株価反転して欲しいですね。

Shinn