海の水圏環境
海に行ったら書き足すnote。
大好きだからこそ、もっと知りたい。
知ると、また違う目でもみれる。違う面も見えてくる。
海域の生物環境
海洋生態系と食物連鎖
海水中には多くの生物が生息している。
これらの生物は食べたり食べられたりして食物連鎖を形成している。
食物連鎖のおおもとは第一次生産者である植物プランクトンである。
植物プランクトンは、太陽の光の下で海水中の栄養塩を取り入れながら、二酸化炭素と水から炭水化物等の有機物を合成し(光合成)、繁殖する。
動物プランクトンは植物プランクトンを食べて繁殖し、魚は動物プランクトンを食べて繁殖する。また小型の魚は大型の魚に食べられ、それらの魚は鳥や人間に食べられる。
海水中に窒素やリン等の栄養塩が多量にある(富栄養化)と植物プランクトンは大量に繁殖し、植物プランクトンが大量に存在するとそれを餌とした動物プランクトンが大量に繁殖する。これらのプランクトンの大量繁殖が赤潮の主要因である。
沿岸域・海岸の生物
海域の環境を考える場合、そこに棲む生物の存在が重要な役割を果たす。
ここでは、水深の浅い沿岸域および海岸の環境を考える。
海水位との関係性での生物相
潮間帯、漸深帯、飛沫帯
海岸では、潮汐によって冠水したり干出したりする部分を潮間帯と呼び、それより深い部分を漸深帯、陸上部を飛沫帯と呼ぶ。
棲む生物は、深さによって分けられる。
・植物
常に海水が冠水している漸深帯ではアラメやホンダワラの類が生息するが、
飛沫帯から潮間帯上部ではハナフノリやヒトエグサ、フクロフノリ等が生息している。また潮間帯中部ではイワヒゲやイロロの褐藻類が多く生息し、下部ではヒジキやウミトラノオなどが生息する。
・動物
飛沫帯のフナムシ、潮間帯のフジツボやイガイ類、漸深帯のウニ等に分けられている。
タイドプール(潮だまり)は干潮時に海水が取り残された部分であり、周囲の海に比べて水温や塩分の変化が大きく、それに耐えられる植物や動物のみが生息可能である。
自然条件による生物相
砂浜や干潟には、アサリやエビ等の底生生物が生息している。
動物や植物は波の荒い場所を好むもの、波の静かな場所を好むもの等があり、自然条件によっても機み分けられる。また、岩場を好むもの、砂浜を好むもの、及び泥士を好むもの等によっても以下のように機み分けられる。
・ 磯浜の生物
岩場で構成された海岸を磯浜と呼ぶ。
磯浜は外海に面した波の荒いところが多く、そのような環境に適したワカメやコンブ等の大型海藻が付着する。また、岩場には、フジツボやカメノテ等の動物類が付着している。
・干潟の生物
潮間帯の泥砂質で構成された海岸を干潟と呼ぶ。
干潟にはアサリやホトトギス貝等の二枚貝、エビやカニ(甲殻類)などの底生生物、およびアオサやノリ等の海藻類が数多く生息している。また、これらの生物を餌とする野鳥類が数多く飛来する。
・浅場の生物
漸深帯の光が届く海域を浅場と呼ぶ。
浅場にはアマモやアカモク等の海藻類が藻場を形成する。
藻場の植物は光合成によって酸素を生成するほか、魚類に餌場および棲息場を提供している。
・ブイ下
ブイやイカダ、フロートなんかの下も流れ藻と同様珍しい魚がいることも。
・流れ藻
固着していた岩から離れ、海面を漂うホンダワラなどの海藻、いわゆる「流れ藻」は海を旅する魚の稚魚たちが一時的に身を寄せる「隠れ家」として利用することがある。
沖合には表層を泳ぐ小魚や、生まれたばかりの魚の稚魚が身を隠せるような場所はほとんどないため、ほかの大きな魚などのハンターに狙われやすくなる。そのような小魚や稚魚が流れ藻に身を寄せる。
しかし、流れ藻の中も完全に安全、というわけではない。その中に潜むハナオコゼやマツダイといった魚が小魚を狙っていることも。
日本の海
地方による海の違いにも興味がある。
外房の海
入江の岩場
外海に面した磯の入江には、沖からの波が岸に向かって走るように打ち寄せる。
所々に砂だまりが存在し、岩肌にカジメやホンダワラ等の海藻が生い茂る「入江の岩場」は、魚たちの絶好の隠れ家となり、イシダイやマアジなど馴染み深い多くの魚が暮らす。
沖合
砂底の沖合には、外海から大きなうねりが押し寄せる。ここでは、ホシエイやヒメジなど底性魚の他に、マサバなどの回遊魚、サメなどが見られる。
沖の岩陰
海に頭を出す小島(根) には、沖からの大きな波が岩にぶつかって砕ける。
潮の流れが速い海中にはサクラダイが群をなし、岩陰にはミノカサゴやウツボが身を潜める。
沖合の深場
タカアシガニが見られる。
沖縄の海
東西に約1000km、南北に約400kmの広大な海域の中に大小合わせて160あまりの島々が点在点する沖縄はそのほとんどがサンゴでふちどられている。
リーフ
礁池(イノー)
岸から数100m離れた沖合いで白く波立っているところがリーフの外縁部で、それよりうちがわを礁池(イノー)という。
ここには色とりどりのサンゴとそれに依存する魚たちが多く住みつき、底面はサンゴ礁、岩礁、砂地・泥底と変化に富んでいる。
この底面の状態によって、生息する魚たちの種類も変化する。
リーフ外縁より沖は波も荒く、海底は礁斜面となって落ち込んでいる。
ここは潮通しが良く、ハタ類の一部などプランクトンを主食とする魚たちをはじめ多くの生物が生息しており、この部分を沿岸域という。
さらに沖合いを外洋域といい、ここには表層を遊泳する魚、中層を行き来する魚、そして水深200mを超える深海を住処とする魚がいる。ここまでくると太陽の光はほとんど届かない特殊な環境といえよう。サメやカサゴ、アンコウ、カレイ類などが深海に生息する代表的な種類である。
干瀬・礁池型海岸
最後まで読んで頂き、感謝です(ペコリ)
さてさて、次の海はどこいきましょ。