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カメラワーク覚書

撮影技術についての知識が必要になり、興味が湧いたので、今日はコレ。

撮影技術:カメラワーク

様々なカメラの撮影技法を身につけていると、制作する映像の魅力が格段に上がる。
ほかの作品との差別化になる。

こんな方はぜひ、続きをどうぞ。
・動画生成する際に、AIに適切なカメラワークを指示したい
・動画制作の素材動画を自分で撮影する
・映像制作に携わりたい

カメラワークとは

カメラワークとは、様々な撮影技法の総称。
映画やドラマ、CMなどの素となる写真や映像を撮影する際に使うカメラの操作方法・撮影技術・映像表現技術、カメラマンの動きなどを指す。
的確で効果的なカメラワークは、視聴者に作品のメッセージ(魅力・迫力・感動)を伝えるために重要な役割を担う。
カメラワークの基礎となる要素は、
撮影する被写体に対する「ポジション(位置)」「アングル(角度)」「フレーム(被写体のサイズ)」の3種類。

カメラワーク 基本の10種

1.フィックス

カメラを動かさない状態で撮影する撮影方法。
固定撮影とも呼ばれる。

フィックスによる効果

・画面に安定感が出る
・手持ちのカメラで撮影した被写体に比べ、フィックスで撮影した被写体のほうが見やすい
→視聴者の視線を集中させられる
→長時間の視聴でも疲れない
・被写体の繊細な表情や動作などを捉えることが可能

フィックスを使う際の注意点

・不要なブレを防止するため、三脚などを使用する
 三脚がない場合、壁や家具、足場などを上手く利用する。

2.ティルト

カメラを上下に振る撮影方法。
カメラのアングル(角度)を垂直に変える。
カメラマンは動かず、カメラだけを動かす。

ティルトによる効果

シンプルなカメラワークながらも、
その動きだけで物語の始まりや終わり場面展開被写体の心理描写などを描くことができる。

例)
・ゆっくりと目線(アングル)が下から上に向き、青空を見上げる
・沈む気持ちを表現するように、上から下へと目線を落とす

ティルトを使う際の注意点

撮影速度を一定に保つ
カメラを急に素早く上げたり、無意味に下げたりすると、ティルトの目的を失いがち。
(動画は編集できるため、ティルトでの撮影時は1カットを長く撮ると良い)

3.パン

カメラを左右に振る撮影方法。
カメラのアングル(角度)を水平に移動させるものであり、
左から右をパン、右から左を逆パンと呼ぶ。

パンによる効果

シンプルな水平移動のパンは、被写体の広さや横幅のディティール、
位置関係や視線の横移動を表現するときに大きな効果を発揮するカメラワーク。
時間の流れを演出する場合や、スピード感ある場面の切り替え、
画面上の情報量を増やしたいときも、パンによる撮影が用いられる。

パンを使う際の注意点

撮り始めと撮り終わりの速度に注意。
撮影時のコツとして、始動と停止は「ゆっくり」と、
その途中は「早め」にカメラを動かせば、視聴者にとって見やすい映像になる。

4.ズームイン/アウト

カメラの画角を変え、被写体に近づいたり、離れたりする撮影方法。

ズームイン/アウトによる効果

特定の被写体を強調する際や、視点を誘導・集中させる際に、ズームインが効果を発揮する。
また、特定の被写体が置かれている状況や周囲との関係性を見せたいとき、
または、視点を開放させたいときなどは、ズームアウトが効果的。

ズームイン/アウトを使う際の注意点

無意味なズームは、視聴者の混乱を招く可能性がある。
ズームイン・ズームアウトを使う際は、その必要性を吟味する。
不要な写り込みに注意。
画面上の情報量のバランスに注意。

5.トラック

被写体の動きとともにカメラの設置場所を変える撮影方法。
移動撮影とも呼ばれる。

トラックによる効果

カメラと被写体の距離を調整できる
→映像に臨場感や迫力が出る
視点も自由に移動できる
→物語を自然に表現できる
→場面の情報量が増加する
→分かりやすい画になる
画角に流れる街並みや歩行者などの前景・背景を入れることで、画面上の流動感をダイナミックに強調することが可能。

トラックを使う際の注意点

カメラと被写体の距離感に注意。
双方の距離が遠すぎた場合は、視点が登場人物(被写体)ではない第三者目線のようになってしまい、
視聴者にとって違和感のある映像になってしまう。

6.ドリー・イン/アウト

トラックと同様、ドリーも移動撮影の技法。
車輪の付いた三脚・台車・車両などにカメラを乗せて撮影する点が、ドリーの大きな特徴。
ドリー・インは、カメラが被写体に近づく(前進する)撮影方法。
ドリー・アウトは、カメラが被写体から離れる(後退する)撮影方法。

ドリー・イン/アウトによる効果

安定した速度のある水平移動の撮影により、トラックよりも映像に流動感や臨場感、迫力を加えることができる。
被写体と背景サイズの調整、遠近感と立体感の強調、被写体と周囲の位置関係や状況の説明などにも効果的。

ドリー・イン/アウトを使う際の注意点

足場の安定感が重要。
手ブレや足場に細心の注意を払い、できるだけフラットな道を確保し、車輪付きの三脚・台車・車両を乗せられる導線を準備するとよい。

7.アーク

カメラが被写体を周回しながら撮影する撮影技法。
アークによる撮影時、基本的に被写体は動かない。

アークによる効果

視聴者の目線を被写体に集中させることができる。
主にフォーカスしたい人物や動物、アイテムなどを撮影する際に用いられるカメラワーク。
周回するスピードを調整することによって、映像の表現を変えられる。

アークを使う際の注意点

手ブレや足場の状態に注意。
レンズの焦点距離が長いほど、被写体に対するピントをキープすることが難しくなるため、状況に応じたレンズのサイズを選択する。

8.ペデスタル

ペデスタルは、カメラの設置場所を上下に変える撮影方法。

ペデスタルによる効果

ペデスタルとは、車輪が付いた三角形の台座を指す。
台座の中央には、空気圧で伸縮する円筒があり、その上にカメラを固定するため、スムーズにカメラの高さを上下へ移動させることができる。
ペデスタルを使えば、カメラをゆっくりと上げていくことで、最初は障害物で見えなかった風景の全体像を徐々に把握できるなどの効果を演出できる。

ペデスタルを使う際の注意点

撮影スペースや用途にあわせ、ペデスタルのサイズを選ぶ必要がある。
小型~中型レンズに対応できる三脚タイプや移動式台座から、大型レンズを装着できるタイプまで、
その機能を十分活かせるペデスタルを選ぶ。

9.ラックフォーカス

ピントの位置を変えながら撮影する撮影方法。
「フォーカス送り」や「ピン送り」とも呼ばれる。

ラックフォーカスによる効果

手前にある被写体から奥の被写体、また、その逆の場合であっても、意図的にピントを合わせることが可能。
例)
焦点がボケているアウトフォーカスの状態から被写体にピントをあわせれば、カメラを移動させることなく動きを表現できる。

ラックフォーカスを使う際の注意点

ピントを外さないように注意。
レンズは手動でピントを合わせるマニュアルフォーカスに設定し、一定の速度でピント位置を変えるようにする。

10.ハンドヘルド

手持ち状態のカメラで撮影する方法。
どんな被写体でも捉えることが可能なカメラワーク。

ハンドヘルドによる効果

カメラを固定せず手持ちで撮影するハンドヘルドは、小回りが利くため、被写体のどのような動きにも対応できる。
カメラの動きが不安定なことから、画面が揺れたり、構図が斜めになる場合もあるのがデメリット。
映像に臨場感や躍動感、スピード感がでる。
緊迫感や迫力が増し、視聴者にリアリティを感じさせる。

ハンドヘルドを使う際の注意点

臨場感や躍動感を表現できる半面、わざとらしい過剰な演出となってしまい、
視聴者に違和感や不快感を与えてしまうことも。
撮影中は、自然な手ブレを意識し、リアリティあるカメラワークを心がけることが重要。

+1要素

カメラを複数使用する

複数のカメラを同時に使用すれば、単体では捉えきれなかった動作や表情などを様々な角度から撮影できるため、メリハリのある映像を作り出すことができる。
1台のカメラが撮影に失敗しても、別アングルの映像があれば、違和感のない編集ができることから、撮り直しの必要もなくなる。
さらに、カットごとの別撮りも少なくなり、制作時間の短縮にもつながる。
複数のカメラで撮影する場合、編集作業を意識しながらカメラの画を同期させるのが吉。カチンコやフラッシュ、手を叩くといった方法で合図を送るとよい。

ブレを生かす

基本的に、撮影において好ましくないとされるブレを、演出として映像に取り入れる。その代表的な撮影技法が手ブレを活かしたハンドヘルド。
映画やドラマ、バラエティ番組などで、躍動感や臨場感、緊迫感などを演出する際に、自然なブレがリアリティを生み出し、視聴者の感情移入を高める。なお、ブレを生かす場合、視聴者に不快感を与えない程度の塩梅で。

構図にこだわる

構図とは、被写体が各所に配置された画面の構成のこと。
監督や脚本の指示に従い、その考えや狙いを読み取り、シーンごとに画面の構図を選択する。

カメラワークに使われる構図

  • 三分割構図:画面を縦横三分割に別け、被写体を配置する

  • 日の丸構図:被写体を中央に大きく置いた

  • シンメトリー構図:左右・上下対称に被写体を置く

  • 対角線構図:画の対角線上に被写体を配置する

最後まで読んで頂き、感謝です(ぺこり)

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