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【雑感】フィンランド航空の思い出(2016-2018年)

筆者とフィンランド航空の付き合いは長く、2007年から2021年まで定期的に利用していた。

特に2015年にフィンランドのトゥルク大学大学院博士課程に入学すると、年末年始の一時帰国にはほとんど必ずフィンランド航空を使っていた。

2007年当時、エアバスA340で運航していたヘルシンキ―名古屋線は2010年代にはいると、新型のエアバスA330に置き換えられるようになり(A340は4発機で燃費が悪かったといわれている)、エコノミークラスでも居住性が飛躍的に高まった。

フィンランド航空のエアバスA330-300。アジア路線には、女性に人気のマリメッコ(Marimekko)とコラボしたウニッコ柄のペイントが施されている特別機も投入されていた。
フィンランド航空の名古屋便はヘルシンキ国際空港のターミナル内から専用バスに乗り換えてのタラップからの搭乗で、ヨーロッパ各地から乗り継ぎで日本へ向かう乗客の中には「寒い」「めんどくさい」という不満も聞くことがあった。
2018年までのヘルシンキ―名古屋線はいつもガラガラで、真ん中4列を独占して日本まで寝て帰る事すら可能だった。(2018年以降はワンワールド系列の航空会社間でのコードシェアが進み、ほぼ満席の状態で飛んでいた)
フィンランド航空エアバスA330のエコノミークラス座席。青地の生地を使っているせいか、残念ながら汚れが目立つ事がよくあった。
エコノミークラス各座席には7-8インチほどのパーソナルモニターが付いており、VODで映画やドラマを楽しめるようになった。
フィンランド航空名古屋線の機内食(夕食)。伝統のそばが付いてくる。

2016-2018年頃の運賃は、ヘルシンキ―名古屋の往復(エコノミークラス)でだいたい8-9万円程度(早期割引)だった。いつも秋口のはじめには年末年始の日本行き航空券を予約していたが、これが11月ともなると往復で20万円以上に跳ね上がっていたのを記憶している。

筆者がいつも予約に利用していたのは、Sky24.eeというエストニアの旅行代理店エストラベル社(Estravel)が開設したウェブサイトだった。Sky24.eeはエストニア在留邦人の間でも「安い」と話題で、フィンランド航空の日本行きも航空会社のウェブサイトで直接購入するより1割程度安い事すらあった。

完全に過去の話となってしまった、ロシア領空を通過する日本行き最短経路。
2016年12月当時のフィンランド航空の機内上映ラインナップ。同航空がアジア路線で就航している日中韓印の流行りの映画はだいたい入っており、あとはフィンランド映画の新作もバッチリ入っていた。

フィンランド航空の機内での特色といえば、フィンランド色を全面に押し出している事で、CAさんの制服は有名デザイナーのポホヨライネン(Pohjolainen)さんが手掛けており黒ベースのシックなデザインが人気だ。また、毎食にはフィンランドの硬いライ麦パンやコーヒー(フィンランド人のコーヒー愛飲率は高く世界で第二位だとか)のサービスがある。

話を変えると、これはフィンランド航空だけの問題では無いが、日欧間の長時間フライトの際、エコノミークラスの座席では非常に寝にくい。やはりジェットエンジンの低く響く音や振動が睡眠を妨害するのは否めない。2022年現在は日本―フィンランド間の飛行時間が片道15時間以上(ロシア領空通過時は片道約9時間)になっているので、余計にしんどくなっているだろう。

フィンランド航空名古屋便の朝食。大きめのヨーグルトが付いてくるのは嬉しい。

あと、特筆すべき事としてはトイレがキレイに保たれており、エコノミークラスでも後方のギャレーに行けば、水や清涼飲料水、軽食が準備されており、夜中にちょっと起きて後方まで行けば気分転換出来るのは嬉しい。

CAさんも日本人・フィンランド人問わず、優しい人が多く、2018年当時に聞いた話では日本に到着後、2-3日の待機期間があり、その後またヘルシンキ行きに乗務するのだとか。私が話した男性のCAさんは「かつ丼」が大好きで、東京の名店めぐりが趣味だと言っていた。

夕方のヘルシンキ・ヴァンター国際空港。雪の降らない名古屋から到着し、いつもの厳しい冬のフィンランドの景色を見ると身が引き締まる思いだった。


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