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IMAKIRIエッセイ ~いまどきのキリスト者の静かな日常

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IMAKIRI〈いまどきのキリスト者〉である私の暮らしをのんびり発信しています。日々の出来事や思うこと、猫との生活、料理やガーデニングなど。ときには聖書の話も。空はいつも美しく、…
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#読書

私がnoteで発信していること ~いまどきのキリスト者の静かな日常

 ときどきnoteで「自分のクリエイターページ」を開き、記事のラインナップを眺めます。猫、料理、詩、エッセイ、聖書、読書や他コンテンツの紹介と、いろいろなものが並んでいて、私のページはほんとうにつかみどころがないなあ(笑)と、思います。  でも、自分なりには、ひとつのテーマがあるのです。  それは、「いまどきのキリスト者の静かな日常」。  どうして「静かな」という形容詞がつくの? というと……昨今の流れにのって「ゆるい日常」としてもいいところですが、「ゆるい」という言葉の多

いま借りている本。デイヴィッド・アーモンド『秘密の心臓』『闇の底のシルキー』、ジョーン・エイキン『月のケーキ』、キャンデス・フレミング『ぼくが死んだ日』、松浦潔『最新占星術入門』、ギャレット・フレイマン=ウェア『涙のタトゥー』、F.H.バーネット『秘密の花園』

自分は何者か…それを選ぶのは自分自身◇夜の庭師

 ジョナサン・オージエ『夜の庭師』は、ディズニーで映画化が決定したというゴーストストーリー。  面白くてどんどん先が知りたくなり、寝不足になりそうになりながら読みました。  アイルランドからイングランドにわたってきたモリーとキップの姉弟は、差別にあいながらも、なんとか使用人として雇ってくれる屋敷を見つけます。でもそこは、巨木に取り込まれたかのような不気味な屋敷で、夜中に謎の男が徘徊し、住人はみな悪夢にうなされるという、なんともあやしい場所だったのです――。  もちろんエ

希望を探すなら、闇の中に手をのばして◇ヘヴンアイズ

 ほんの少しグロテスクで、圧倒的に美しい物語でした。  デイヴィッド・アーモンド『ヘヴンアイズ』。  孤児院を抜け出した少女と少年の3人組は、自作の筏で川を下り、ブラック・ミドゥンと呼ばれる泥の中で座礁します。そこで助けてくれたのは、手と足に水かきがある少女ヘヴンアイズと、老いた大男。「宝物」や「聖者」を探して泥を掘りつづける大男と、天使のように無邪気なヘヴンアイズと触れ合ううちに、3人はそれぞれの悲しみと向き合い、心を変化させていくのです。  希望の光は、真っ黒い泥の

いま借りている本。デイヴィッド・アーモンド『ヘヴンアイズ』『秘密の心臓』、ギャレット・フレイマン=ウェア『涙のタトゥー』、ジョナサン・オージエ『夜の庭師』、ジェラルディン・マコックラン『世界のはての少年』、F.H.バーネット『秘密の花園』、キース・グレイ『家出の日』。どれも楽しみ

今借りている本。デイヴィッド・アーモンド『ヘヴンアイズ』、F.H.バーネット『秘密の花園』、ジュラルディン・マコックラン『世界のはての少年』、ジョナサン・オージエ『夜の庭師』、キース・グレイ『家出の日』、ギャレット・フレイマン=ウェア『マイ・ハートビート』。海外児童文学LOVE♡

映画化されたら素敵◇『肩胛骨は翼のなごり』

 美しい物語を読みました。  デイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』  主人公の少年の目をとおして、命と世界の不思議さを一緒に感じていけるよう。とてもきれいな世界観です。  映画化されたら素敵だなと思いました。  同じ作者の短編集『星を数えて』も好き。  作家自身の子どものころの思い出にまつわる短編を集めたものです。物語というよりエッセイみたいな感じもして、どの作品も澄んだ余韻が残ります。せつなかったり、愛おしかったり。一編ずつ、読み終えたあとの余韻を静かに味

いま借りている本。ギャレット・フレイマン=ウェア『マイ・ハートビート』、テレサ・トムリンソン『水のねこ』、アーモンド『星を数えて』『肩甲骨は翼のなごり』、オッペル『エアボーン』、ウェストール『ゴーストアビー』、メリック『だれかがドアをノックする』、ハーン『時間だよ、アンドルー』

今借りている本。ウェストール『ゴースト・アビー』、キース・グレイ『ジェイミーが消えた庭』、アン・メリック『だれかがドアをノックする』、メアリー・ダウニング・ハーン『時間だよ、アンドルー』、ケネス・オッペル『エアボーン』、ソーニャ・ハートネット『木曜日に生まれた子ども』『銀のロバ』

胸を打つクリスマス休戦と、戦争のむごさ◇『銃声のやんだ朝に』

 1914年のクリスマス。  第一次世界大戦のさなかにあって、前線で対峙していたイギリス軍とドイツ軍の兵士たちは、いっとき休戦し、ともにクリスマスを祝った。互いの塹壕に挟まれていた戦場は、つかの間、サッカー場に――。  実際にあったというクリスマス休戦を題材に、17歳のサッカー選手を主人公にして描かれた物語がこちらです。 ジェイムズ・リオーダン『銃声のやんだ朝に』 (残念なことに、版元絶版になっているみたい。古書なら手に入るかもしれません。私は図書館から借りて読みました

いま借りている本。ジェイムズ・リオーダン『銃声のやんだ朝に』、ソーニャ・ハートネット『銀のロバ』、カレン・クシュマン『ロジーナのあした 孤児列車に乗って』、ロバート・ウェストール『禁じられた約束』、イリーナ・コルシュノフ『彼の名はヤン』、湯本香樹美『春のオルガン』。真夏も読書…🎶

少年の心を忘れずにいたい大人たちへ◇『ロス、きみを送る旅』

 性別にかかわらず、未成年だったころの感覚をずっと大切にしたいと思っている、という意味でいえば、わたし自身が「少年の心を忘れずにいたい大人」といえます。  そんなわたしと似た思いを抱いている人たちへ、ご紹介したい本に出合いました。  キース・グレイ『ロス、きみを送る旅』  親友のロスが事故で死に、自殺の疑いもかかるなか、やり場のない気持ちを抱えたブレイクとケニーとシムは遺灰を持ち出して旅に出ます。ロスが生前、行きたいと話していた「ロス」という名の町を訪ねて。イングランドの

小さい星をきみに…◇『みどりのゆび』

 有名な作品ですが、子どものころにタイミングを逃して、今回はじめて読みました。  モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』。  主人公のチトは、とても純粋で優しい少年。ある日、自分が不思議な〈みどりのゆび〉を持っていることに気づきます。そのゆびで触れると、植物の種がたちどころに芽吹いて花を咲かせるというもの。チトは、花のちからで人びとの悲しみを癒やし、戦争をなくそうと考えますが――。  サン=テグジュペリの『星の王子さま』と同様、大人にこそ読んでほしい詩的なメルヘンです。ただ

いま借りている本。ロバート・ウェストール『禁じられた約束』『ブラッカムの爆撃機』、湯本香樹実『春のオルガン』、ジェフ・アールツ『青いつばさ』、モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』、アストリッド・リンドグレーン『長くつ下のピッピ』、ミリヤム・プレスラー『マルカの長い旅』