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【公立の教員に観てほしい】遅刻、嘘、サボりは当たり前!?持ってる常識は通用しない...公立で指導者をやるということ

 何度もこの話をしているので、自身の記事を見てくれている方は知っていると思いますが高校時代まで野球をやっており自身の恩師である有馬信夫監督は1999年に都立城東高等学校を率いて東東京で初となる都立高校を甲子園へ導いた名将です。その後異動した都立保谷、都立総合工科、都立足立新田では甲子園出場ならずとも圧倒的に私立が強い東京で上位進出を果たしています。

今回のタイトルは「公立で指導者をやるということ」です。今回は高校野球ということで記事は進めていきます。

まずわかってほしいこと、それは「いろんな奴がいる」ということです。強豪私学の場合確かに「プロ野球選手になる」「甲子園へ行く」「いい大学へ行く」など意識が高い目標を掲げている子が多くいるように思えます。

大前提に都立に来る子はいろんなバックグラウンドを持った子がいます。
自分の代でもそうです。私立に落ちた、なんとなく野球続けたいと思って入ったら甲子園監督が異動してきてガチになった、親に怒られるから嫌だけど野球部入ったなどなど。当然甲子園監督が異動してくることを聞いて同校を選んだ部員も同期に多くいます。最初からいろんな方向性を向いた奴がいるのが公立。自身が所属していた世田谷西シニアから私を含め4人が同じ高校へ進学しましたが、このメンバーも行きたかった私学に落ちた、特に行きたい高校がなかったなどなどです。

当然、それが2年半かけて同じ方向性を向いたときは大きな力が働く大化けする可能性があるのも公立。都立がダメというわけではなくて私学との差はこの最初のスタートかなとは感じます。なので常識が通じないなどの生徒もたくさんいるのではないかと思われます。だけどそれが公立で指導者をやることを選んだ人の『宿命』だと思っていてほしいということです。

今恩師が赴任している高校でもいろいろな子がいるそうです。
「親が部活動なんて絶対ダメだって言うから、遊びに行くフリをして土日だけ野球部の練習に来てる。だからバックもチームのウエアもバレるから買えない」
「中学生の時に、大きな病気にかかってしまいやっと治ったけど全く筋肉がないから練習をまともにできないけど野球は続けたい」
「中学生の時にワルで、練習についていく体力が全くない」
「坊主が嫌で都立にきた」

こういういろいろな事情を持つ生徒がたくさんいるのが公立であるということ。自らが備わっている『常識』が多分通用しないので、そういう考えもあるんだと事前に思っておいてほしいんです。遅刻、練習サボる、親を〇すなどは当たり前です。有馬監督も『野球を通じて立派な大人になるためのいい訓練』として許すとは言わないまでも見逃していました。

これは同校野球部でもあった事実ですが公立を選ぶ子の様々な特性を理解できない、してないからこそ部活動が原因の問題が起きてしまうのかなと。

むしろ自身の恩師はいろいろな奴がいることをとても楽しんでいるように思えます。形式的な返事や、指導者の前だけでいい顔することをひどく嫌う先生なのでいい意味で部活動の延長だと思います。有馬監督は都立城東で甲子園を狙える位置にきても部員全員で練習をこなすし、初心者だって入部全然OKだったそうです。

日大三、帝京、東海大菅生、二松学舎大付、関東一、早稲田実など挙げればキリがないくらい東京は圧倒的に私学が強いんですよね。そこでグラウンドもない、選手もスカウトできない公立が太刀打ちするのは本当に難しいんです。

よく様々なメディアで『公立のハンデ』って言葉を聞きます。
有馬監督が一番大嫌いな言葉『公立だから』です。

『グラウンドがない、選手スカウトできないなんて公立であれば最初から分かってやってること。別にハンデなんて一度も思ったことはない。来るかわからない中学生を見に行って、入学してくれた選手を見ないなんてことは絶対にできない。自分の学校の倍率が落ちたら自分のせいだと思ってる。いい野球やっていれば必ず集まる』

様々なバックグラウンドを持った生徒が野球を通じて、成長し立派になること。ここを大きく味わうことはできるのは公立の先生だからできることではないでしょうか?

選手をスカウトして同じような子ばかりいて、特徴のない子を量産するよりもいろいろな個性を当てはめて勝負できるピースを整えていく醍醐味を感じられるのが公立の指導者であり、先生なのではと思います。

東京の高校野球であれば準々決勝以上まで勝ち上がると東京の高校野球ファンは都立の応援一色です。自身も現役の時に準々決勝まで勝ち上がりましたが神宮球場へ行く電車内で「総合工科頑張れよ」と言われるぐらいです。観客の拍手の多さ、雰囲気は完全都立の味方でした。

都立も私立も関係なく同じ高校野球をやっているだけなのに強豪私学がヒール役になってしまう力が公立にはあります。私立は絶対やりずらいと思います。

『年間通して、選手により添って暑い日も寒い日もグラウンドに立ち続けること。今の若い先生がなかなかここができない』

有馬監督は教員になって38年間毎朝4時半起きの生活をずっと続けています。指導者が本気であれば選手も絶対伝わるから。

自分には絶対できませんけどね。(笑)

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新町真之介|Shinmachi Shinnosuke
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