ねこらいおん宝石
キャッツアイと言えば、杏里の歌が頭に浮かぶ、宝石よりアニメに関心の強い昭和生まれのあなたへ😁
今日はその「猫の目」の宝石のお話です。
クリソベリルという宝石をドームのよう(カボション)に磨いて、その上からライトをあてると一条の光の帯が出ることあります。これを「シャトヤンシー効果」と呼びます。
それは、
宝石の中のインクルージョンに入った光が内部反射することで起きる現象です。左右に宝石を動かすと猫の目のように一条の光の帯も左右に動きます。
宝石に入った光は、本来であれば入った角度でそれぞれの方向に反射をするのですが、たくさんの針状、もしくは、チューブ状になったインクルージョンが平行配列されている場合、反射光が集まり、それが一条となります。そのインクルージョンの密度が大きい程ハッキリとした光の帯ができます。
クリソベリルに限らず、トルマリンやアクアマリン、クォーツなど様々な宝石でシャトヤンシー効果が出るものもありますが、
単独で「キャッツアイ」と呼ぶ時は、宝石名(鉱物名)クリソベリルのことを指します。正式には、「クリソベリル・キャッツアイ」と呼ばれます。
✨✨✨
世界最大のキャッツアイ、「Eye of the lion」はスリランカ産出で国宝になっています。
465カラット(直径約4センチ)、暗緑がかった黄色(ぱっと見は焦げ茶色)の石肌に白い光の帯がくっきり現れます。スリランカの宝石展覧会などで展示されることがあるので、是非機会があれば見てほしい逸品です。
古い日本の言葉に「稜威」(イツ)というのがあって、畏れ多いとか、神聖であるとか、威力があるという意味ですが、このスリランカ国宝のキャッツアイは、まさにそう感じさせられる威力ある「ライオンの目」
スリランカはシンハラ人と呼ばれる民族が多く住んでいます。シンハラの意味は獅子(ライオン)の子孫(初代王の祖父がライオンだったという神話から)
おまけに、国産ビールの名前も「ライオン」
私が住んでいた頃は内戦もあって、北部と東部には、独立を求める武装集団がいました。(2009年に終結)その集団の正式名は、LTTE(タミール・イーラム解放のトラ)
スリランカ人は彼らのことを、タイガーと呼んでいました。
ライオンVSタイガー、スリランカ人は動物になるのが好きなんだ?ちなみに、本物のライオンもタイガーもスリランカには生息していません。😅
さて、今年4月頃から国内経済に大きな問題のあるスリランカ、連日のニュースに胸が痛みます。どうか、この危機を乗り切って欲しい🙏
ニュース:スリランカ経済は完全に崩壊
(表の写真はスリランカ産出のキャッツアイ✨ライオンには程遠いけど、ちゃんと「猫の目」には見えるかにゃぁ?😽)