動画アプリtrevaryに続く新規事業amplyをリリースした理由
プレスリリースでも出させて頂いた通り、この度弊社第二弾となるプロダクトとして、amplyを正式公開しました。
amplyはインフルエンサーやアーティストのためのオンラインイベントプラットフォームであり、オンライン配信における収益化を簡単にするプロダクトです。
リアルイベントであれば来場者の方からお金を頂くのは当たり前でしたが、オンラインイベントとなるとその方法に乏しく、対応するとなれば別途ECサイトなどでチケット決済をし、ZoomでイベントURLを発行して、ゲストへ都度連絡など、面倒な方法をとっているのが常でした。
また既存のイベントチケットサービスもオフライン用に作られたプロダクトであり、オンラインに最適化されたものではありません。
amplyは面倒なイベントページ作成、決済導入、ゲスト管理、リマインド、当日のイベント開催などを全てワンストップで行なうことができます。
ゲストのエントリーフォームも自由に作成することができ、他のどのサービスよりも簡単にオンラインイベントを開催することができます。
フォロワー数合計170万人の佐藤ノアさんのイベントを皮切りに、これからインフルエンサーさんをはじめ、アーティストのライブ配信、地方のバーチャルツアーなど様々なイベント開催を予定しています。リリースもだしました!
以下の図の青い部分のように、これまではオフラインでのイベントに参加することのできなかったファンの方々にも、価値を届けられるものとしていきます。
1分ほどでイベントを立ち上げられますので、ぜひ使ってみて下さい(Zoomアカウントへの事前サインインをお忘れなく)。
amplyを作った理由
amplyは5月からスタートしたプロジェクトであり、約1ヶ月で開発を行いました(一度も直接会うことなく3人のフルリモートでリリースまでこぎつけました。3人のZoom会議も1回のみ)。
話しがそれますがZoomの審査が非常に厳しくこれで3週間リリースが遅れたのは予想外の痛手でした(本来であれば5月中に出せた...)。
なんとか無事通りZoom App Marketplaceにamplyは掲載されています。週イチのフィードバックであり、かつとても細かな指摘をしてくるのでこれから審査を予定されている方はお気をつけ下さい。公式記事によると約9割がリジェクトされるらしいです。
そのかいあって日本発としては数少ない、Zoom APIと正式連携しているプロダクトといえます。
弊社ではこのamplyの他にtrevary(トレバリ)という動画プロダクトの開発運営も行っています(オキナワアイオー株式会社からtrevary株式会社へと社名変更も行いました)。
また、公開しておりませんでしたが2019年5月にはサイバーエージェントキャピタルとF Venturesからシードラウンドとして資金調達もしていました(北尾さん、両角さん、早坂さんにはいつもお世話になっています..!!)
iPhoneの方はぜひダウンロードをお願いします!地図から飲食店を動画で直感的に見つけることができるアプリであり、現在地や予定しているおでかけ先の周辺から自分にピッタリのお店を動画で見つけることができます。
Instagramを使ってカフェを探している若い女性をターゲットとしているVlogアプリということもあり、そのコミュニティやコンテンツの世界観を大切にするためステルスで運営しリリースなども出してきませんでした。
それでも運営する合計14万フォロワーのグルメInstagramアカウント経由でユーザー数や投稿動画数は伸び続けており2020年3月まで順調に数字も推移していました。
これまで飲食店、ホテル、観光地を選ぶといえば写真とテキスト情報を元に意思決定するのが普通でしたが、これから人々は動画で目的地を選ぶという未来を確信して取り組んでいる旅行市場を狙ったプロダクトです。
「移動距離を増やす」をコンセプトにしたアプリであり、日本だけを見ても26兆円にもおよぶ巨大かつ成長している旅行市場に参入すべく順調に成長をしていましたが、今回の新型コロナの影響で大きな決断を迫られることになりました。
他の業界と同様、外出自粛を求める非常事態宣言の影響をモロにくらうことになりました。数字は大きく下がり、売上の要となっていた広告主もリゾートホテルやJTBさんなど観光関連企業でしたのでプロモーションどころではなくなり出稿もストップとなり売上もゼロに。
今後も旅行や飲食業界がどうなるか読めずキャッシュの流出を抑えるために開発もほぼストップという状態に。3月下旬から4月いっぱいにかけて、パートナーである相棒と本当に毎日オンラインミーティングを重ね悩み抜きました。
そのときに出した結論はごく当たり前のアクションですが、主に以下3つに。
1.キャッシュ流出のストップ
2.資金をかき集める
3.新たな事業作り
1、2に関しては3月後半から着手しはじめてできる限り対応を進めてきました。特に激減が激しかった台湾版と韓国版のInstagramアカウントに関してはいったん運用をストップしていただくなどして運用を見合わせる決断をしました。
ちょうど決算の時期でもあったので役員報酬も下げるなど対応しつつ、ずっとお手伝いいただいている外部の開発パートナーへも稼働を減らして頂く理解を得て頂きました。
3月の段階で売上は減少し始めたので、早々に金融公庫のコロナ特別貸付を利用。担当者の方も大変な状況であったにも関わらず献身的にご対応頂き、持続化給付金とあわせてなんとかしばらくは生きていける資金を確保することができました。
それではまだ売上はほぼゼロでトレバリ事業も先が見えない状態。受託案件の開拓もしつつ、4月は毎日新規事業のアイデアをひねりだす日々で、これから変わっていく世の中に必要とされるものは何かとリサーチをしながら、過去のY Combinatorのリスト、ProductHunt、Sensor Towerのランキングを参考にしながら、合計200アイデア以上の候補を考えてました。
既存のアセットを活かした動画、飲食、コミュニティ系などから、ゼロベースで考えた植物EC、メルマガサービス、地方SMBのマーケ支援Saasなど、様々な候補を検討しつつも、コロナをきっかけに潮目が変わり今後も成長していくであろう分野を観察して見えてきた課題を解決するものが今回リリースをしたamplyです。
オフラインを軸としたビジネスが難しくなっている中で、エンターテイメント業界、習い事、セミナーなどのビジネスがオンラインに移行しZoomを活用しはじめたのは誰の目にもあきらかだったところかと思います。
前述の通り、Zoom配信から対価を得る手段として、そこに最適化されていない既存のサービスを、多くの人びとが二度手間三度手間をかけて代替している点に着目をして今回のamplyを開発するに至りました。
trevaryとamplyのこれから
「移動距離とアイデアは比例」するという好きな言葉をモットーとして、オフラインの移動を促すプロダクトだけにフォーカスしてこの2年間一心不乱に走ってきました。
しかし、こうも世界は一変するのかとあっという間に移動が制限される世の中になってしまいました。
意図せず目の前を生き延びることに全力でがむしゃらに動いていたら、振り返るとオフラインを軸としたtrevary、オンラインはamplyと、2つの事業を持つにいたりました。
まだシナジーなどは考えていませんが、どちらも動画を軸としたプロダクトには変わりありません。数字が戻りつつあるtrevaryの改善も行いつつ、直近ではリリースしたばかりのamplyを必要とされるものとして使ってもらえるよう改善をしていきながら、PMFを目指していきたいと思います。
amplyはインフルエンサーのためのオンラインイベントプラットフォームとして、影響力を持つ個人がファンからダイレクトにその提供する価値に対して対価を頂けるサービスです。
YouTubeでの広告収益やタイアップ、InstagramでのPR投稿、ライブ配信での投げ銭というように、広告中心で数えるほどしかなかった個人のマネタイズ手段の選択肢を増やすための武器、ツールとして使ってもらうようこれからどんどん改善を行っていきます。
また、このamplyはBASEの元メンバーである結城さんと一緒に1ヶ月で作ったのも面白い巡り合わせだと思います(結城さんはBASEの最初のエンジニア社員であり元役員でリードエンジニア、僕はBASEの最初のマーケター/BizDev社員というBASEの最初期の仲間です)。
オンラインイベントを簡単に開催できるamplyは、BASEの思想も受け継いでいるのかもしれません(まだまだ足元にも及ばないですが...!!)。
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