#01 はじまりのとき
ポ~~~~~~ン♪
弾くような音で目が覚めた。
それは生まれてはじめて聞く安全ベルト解除の合図。
今、どこなのだろうと窓際に席をとっていた私は、楕円形の窓に手をかけ、スーーッと開けようとした。
すると、隙間から朝日がねじ込んできて、まだ覚めやまぬ眠気に追い打ちをかけるかのように、目を開けていられないほど眩しい光が差し込んできた。
しばらくすると目が慣れ、外を見ると、雲海の向こうからジワジワと太陽が昇ってくるのが見えた。
先程の光は、雲の隙間からこぼれた光だったんだ!
凝縮されたから、特に眩しかったのか?(そんなわけない)
全てが未知で、誰にも頼ることができない旅への覚悟と、これまでのいきさつを思い返す。
私の名前は「しんきち」
京都の太秦に生まれ、サッカーと絵を描くのが好きな少年(当時19歳)
なぜ私は飛行機に乗っているのか・・・
ことの発端は1年前にさかのぼる。
つづく・・・