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オンデザインの実験 人が集まる場の観察を続けて【TOTO出版】

西田司+オンデザイン 著
四六判/148頁/1,300円+税

トップダウンではなく担当スタッフと対等な立場で設計をすることで、一定の型やスタイルにとらわれないものづくりを行っている「オンデザインパートナーズ」。
その代表を務める建築家、西田司は、2016年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展に出品するなど、40代で活躍する注目の若手建築家のひとりです。近年では、住宅設計だけではなく、公共施設やまちづくり、拠点運営など、仕事の領域が多岐にひろがっています。
本書は、西田司がスタッフやクライアントとプロジェクトを進めていくなかでの気づきや思考をまとめたものです。
また、プロジェクトの中から、「深大寺一軒家改修」や「神奈川大学新国際学生寮」など最新プロジェクトを含めた8つのケーススタディを取り上げ、関わる人々の要望や対話をとおし、試行錯誤しながらも、さまざまな切り口やアイデアを積み上げ、幅広いニーズに応えてくプロセスをわかりやすく紹介しています。
現代は、人々のニーズが多様化してきており、建築を建てれば、地域が活性化し、その後も使ってくれるという時代ではありません。個々人の活動に焦点をあて、だれがどう使うか、どのように状況を作り出していくのか。既成概念にとらわれずに場を作り出していくオンデザインの姿勢は、建築をつくる意味がゆらゆらしている時代において、建築することの意義を新しい視点からあぶりだしてくれます。ぜひお手にとってご覧ください。

設計事務所の代表を務める筆者が,その事業スタイルを理論と実践の2章で紹介.筆者は,トップのアイデアを,その下のスタッフが破綻なく現実化させる旧態的な設計事務所の事業形式を否定.
「共同設計」として,方針不確定性を全員が等しく共有し,PDCAの「D=Do」の実践を重視しているという.そこで,メンバーの多様性を予想しない展開を与える因子として重視.この,日頃の「多様性との付き合い方」は,後に建築を介して地域住民らと対話する上で生かされる.
多様な地域交流拠点の設計の中で構築された,彼らのシステムとスキームが明らかになる一冊. (ゆ)


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