『死がふたりを分かつまで』について語りたい。
多分、知ってる人は少ないと思う。
『死がふたりを分かつまで』
原作:たかしげ宙、作画:DOUBLE-S
《あらすじ》
的中率90パーセント以上という予知能力を持つ遠山遥は、暴力団にさらわれ車に乗せらていた。
一瞬の隙をつき逃げ出すことに成功した遥は、繁華街で一人の男に助けを求める。
その男とは、盲目ながら剣術の達人である・土方護だった。
渋々、助けることにした衛は護衛の期間を訪ねる。
すると遥は「死がふたりを分かつまでよ」と答えるのだった…
《出会い》
このマンガを読むきっかけは友人です。
学生の頃、5人で旅行に行き、帰りの電車の待ち時間でした。
1時間くらい暇になってしまい駅で時間をつぶすことに・・・
友人の1人が売店に買い出しに行き、帰ってきたその手には1冊のマンガ。
「暇だから買ってみた」といい、読み始める友人。
友人は30分ほどで読み終わったので、貸してもらい読むことにしました。
ちょうど電車が来る頃に読み終わり、返そうとしたら
「面白かったらやるよ。俺はいまいちだったから」
めちゃくちゃ面白いと思ってた自分はラッキーと思いつつも、(これがつまらないとかマジかよ)と価値観の違いに驚きました。
《内容について》※ネタバレあり
この作品はクライムアクションといえる作品で、遥を狙ってくる敵を衛が撃退していくことが話の軸です。
窮地のヒロインを助けるヒーロー。
ありがちな展開だけど衛の性格と目的がわかってくると、この構図は若干崩れちゃいます。
衛は、犯罪被害者が集まって結成されたネットワーク上の秘密組織エレメンツ・ネットワークの実働員として働いて、内容は犯罪の抑止と解決。
犯罪を心から憎む被害者たちによって、豊富な資金と最先端の技術が注ぎ込まれる非常に強力な集団です。
そして衛の目的は、剣術を極めること。さらに重火器を使用した現代戦闘に通用するか確かめること。
そのためには戦う場所がいる。組織は戦える場所を提供してくれる。相手は武装した犯罪者。
こういった利害の一致から実働員をしています。
と、説明はこのくらいにしておいて
結論を言うと
めちゃくちゃ面白い。
刀VS重火器とか浪漫ありすぎ。日本人だからですかね、刀に魅力を感じてしまうのは・・・。
出てくる敵もどんどん強くなっていくし、最新素材を使った特殊兵装とか出てくるんですよ。
限りなく透明で見えないカミソリ、氷より滑る散布材、光の反射を利用した透明人間スーツなどなど。
戦闘シーンが多様な広がりを見せてくれるからか、飽きないんですよ。
あと、このマンガ、連載中にほかの作品とコラボしたクロスオーバー作品なんですよ。
『Jesus 砂塵航路』『闇のイージス』という2つのマンガとコラボで、それぞれの作品に主人公たちが登場することになったんです。
しかも『死がふたりを分かつまで』にだけ準レギュラーというぐらい長く登場し続け、結局最終話にも登場する活躍っぷりです。
話のスケールもどんどん広がって、最初は暴力団とか企業といった一組織だったのに最後は国が相手ですからね。
どうやって勝負付けるんだよって思っちゃいましたよ。
最期は超ハッピーエンドで終わるんですけどね。
そうじゃなかったら超バッドエンドで終わるタイトルなんで。
最期に作中の好きなエピソードをあげます。
ズバリ、21巻の源田刑事のエピソード。
源田刑事は警察ということに誇りを持っていて、非合法な活動をする衛にずっと否定的なんです。
でも21巻で衛の過去を深く知ることになり、考えを改めて犯罪者に向かっていくことになるんです。
このエピソードは作中屈指で、涙なくしては語れない終わり方をします。
お付き合い頂きありがとうございました。たくさん語れて満足しました。
コメントいただけたら嬉しいです。