【お題拝借】ホワイトカラーの生産性向上(44歳・会社員)
品川区にお住まいの44歳の女性会社員Mさんから頂いたお題を紹介します。
そこで今回は、Mさんから頂いたお題「生産性向上」を拝借して、
「ホワイトカラーの生産性向上」を「未来を輝かせるツール」に変えたいと思います。
【私ならこう考える】
日本の生産性レベルを他国と比較すると、
OECD加盟国38カ国中、
1990年(16位)⇒2000年(20位)⇒2010年(21位)⇒2020年(28位)と
下降傾向を脱する気配がありません。(日本生産性本部の調査)
日本の競争力レベルを他国と比較すると、
主要63ヶ国中、
1990年(1位)⇒2000年(21位)⇒2010年(27位)⇒2020年(34位)と
大きく下降しています。(IMDの調査)
この残念な状況を招いた原因は何か?
その原因を私は
「ホワイトカラーの生産性向上」に対する正しい考え方が
日本に根付いていないことにあると考えます。
製造現場の生産性
製造現場は生産性を次の式で管理しています。
生産性 = アウトプット(分子) / インプット(分母)
よって製造現場で生産性を上げるためには、
①工夫してインプット量を減らすか
②工夫して同じインプット量でもアウトプット量を増やすか
③インプット量を増やしてもそれ以上にアウトプット量を増やすか
のどれかの手を打つことになります。
この製造現場で使われてきた生産性の方程式を
「インプットとアウトプットの定義」と
「インプットとアウトプットの相関」
が曖昧なホワイトカラーの職場に持ち込むと、混乱が生じます。
ホワイトカラーの生産性
私がトヨタで仕事をして、トヨタに感謝していることの1つは、
「ホワイトカラーの生産性」に対する正しい考え方を学ばせてもらったことです。
生産性 = アウトプット(分子) / インプット(分母)
製造現場と式は同じですが、
ホワイトカラーの生産性の場合の / は 割り算の ÷ ではなく
「下の要素」と「上の要素」を切り分ける記号と捉えます。
インプットはアウトプット(成果)を生み出すパワー
「下の要素」の「インプット」は次の式で定義されます。
インプット = 非定型業務 + 定型業務
インプットの質を最大に引き出すためにやることは次の3つです。
①ホワイトカラーの仕事を「非定型業務」と「定型業務」の2つに仕分けする。
②①で仕分けられた定型業務からムダを徹底的に排除し、残った定型業務はITに代替する。
③②で浮いた経営資源(人・時間・コスト)を非定型業務に振り分ける。
非定型業務とは「考えて企画して実行する業務」で「ITで代替できない業務」です。
【8つの非定型業務】
①画期的な新技術を生み出す業務
②新たなビジネスモデルを生み出す業務
③販売手法を改善する業務
④ビジネスプロセスを改善する業務
⑤社員を育成、社員のモチベーションをアップする業務
⑥パイロット(小さな実験)を実施する業務
⑦製造タクトを短くする業務
⑧製品やサービスの品質を向上する業務
アウトプットはキャッシュフローを生み出すパワー
「上の要素」の「アウトプット」は
インプットの結果として生み出される成果です。
成果の大小 は 競争力 に直接インパクトを与え、
キャッシュフロー の多寡として数値に現れます。
【8つの成果】
①画期的な新技術で生み出された成果
②新たなビジネスモデルで生み出された成果
③販売手法の改善で生み出された成果
④ビジネスプロセスの改善で生み出された成果
⑤社員の育成、社員のモチベーションのアップで生み出された成果
⑥パイロット(小さな実験)の増加で生み出された成果
⑦製造タクトを短くしたことで生み出された成果
⑧製品やサービスの品質を向上したことで生み出された成果
生産性向上はフィロソフィー
生産性向上の取組みは、
利益確保に迫られて展開する短期的な取り組みではなく、
企業が存続する為に必要な継続的取組みであり、
フィロソフィーです。
アナタの会社に足りないのは、
このフィロソフィーのエバンゲリス(伝道師)を担う人材です。
アナタの行動に期待しています。
アナタの輝く未来のために!