【お題拝借】ムダな経験は無い? (48歳・会社員)
長岡市にお住まいの48歳の会社員Nさんから頂いたお題を紹介します。
そこで今回は、Nさんから頂いたお題「AIを社員に自由に使わせて壁打ちの経験を積ませる」を拝借して、「ムダな経験は無い?」を「未来を輝かせるツール」に変えたいと思います。
【私ならこう考える】
2010年2月1日(月)朝、私は東京地方裁判所からの呼出しに応じて出頭しました。
裁判員制度が始まってまだ間もない時期、
私は裁判員候補者として裁判員の選任手続きのために呼び出されたのです。
9時10分、東京地方裁判所第1法廷の控え室において職員の方からの説明が始まり、
・本日24名の裁判員候補者に集まってもらったこと、
・この24名の中から裁判員6名と補充裁判員2名の計8名を選任すること
の2点が全員に告げられました。
そして裁判員に選任された場合、実際担当することになる事件の内容が記載された資料が配られました。
配布された資料には “被告人の実名と住所と生年月日”と“事件の概要”
とが記載されています。
読み始めると想像を遥かに超える極めて残虐な殺人事件であることが分かりました。
私は胸がザワザワするのと同時に
「裁判員としてこの事件を担当してみたい」という言葉で表せない感情が体の奥から湧き上がってきました。
30分ほど経過した時点で、当事件を担当する裁判長(女性でした)が入室し、裁判長の口から次の申し立てがありました。
【裁判長からの申し立て】
資料を読まれて、
「アナタは、当該事件の被告人と知り合いである」
或いは
「アナタが、何かの理由により当該事件の公平な裁判を出来ない特別な事情がある」
以上のどちらか1つに当てはまる場合、裁判員選出手続きを辞退することが出来ます。
すると裁判官の申し立てを受けて、数人の方が退出しました。
(退出する人がいるんだ、と私は緊張感が高まりました)
その後裁判員候補者の選任が“コンピュータのくじ引きソフト”により実施され、職員の方から選任された裁判員6名と補充裁判員2名の計8名の名前が発表されました。
結果、私はくじ引きに外れて裁判員に選任されませんでした。
「やりたくても出来なかった経験」
気持の整理がつかなかった私は、
東京地方裁判所の帰りの地下鉄の中で、カバンからノートを出して、
縦軸に「経験できる」「経験できない」
横軸に「経験したい」「経験したくない」
と座標軸を書き、区分けされた4つの領域を眺めていました。
そうか。
経験したくても 経験できない。
第4象限に こんな領域があったのかぁ!
私は思わず唇を噛み締めました。
「したくなかった経験」から気付いたこと
2010年2月1日、東京地方裁判所から自宅に戻った私は、フッと
「したくなかった経験」を経験してしまった、自分のプータロー時代のことが頭の中に浮かんできました。
会社を身売りし、大病で倒れ、身動きが取れずにプータローをして家の中に籠っていた頃、
身の回りのいろんなモノを捨てました。
車を捨てて、保険を全て解約して、新聞を解約して、外食を止めて、旅行を止めて、酒を止めて、
冠婚葬祭は全て無視して・・・・・・。
こうして様々なモノを手放している内に
(当時は気が付いていなかったことですが、当時を後から思い起こすと)
そのプロセスをどこかで楽しんでいる自分がいました。
またいろんなモノを手放した副作用?で
感覚が徐々に研ぎ澄まされてきて、
もし元気が出てきたら、
今回の経験を生かせることがあるだろうか?
あるとしたら、それは何だろうか?
そんな瞑想の中で、
(当時は気が付いていなかったことですが、当時を後から思い起こすと)
今の仕事に繋がるアイデアが1つ2つ3つと浮かび上がっていました。
「やりたくても出来なかった経験」
「したくなかった経験」
今から思えば、どちらの経験も意味があったに違いない。
そんなことを60才過ぎて思うようになりました。
次回、機会があれば、
貴社の経営陣の方々とお話してみたくなりました。
アナタの輝く未来のために!