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【お題拝借】「論理的思考法を仕事で使う」(21歳・大学生)

愛知県にお住まいの21歳の大学生Aさんから頂いたお題を紹介します。

愛知県の大学で授業。教室内でお題を拝借。

先日授業で、帰納法、演繹法についてレクチャーを受けましたが、
田中さんが死んだ、佐藤さんが死んだ、鈴木さんが死んだ 
⇒ 導き出された結論は「人は死ぬ」。
それは分かるんですが、私も含め周りは「論理的思考法って社会に出てから何かの役に立つのか?」と思いました。

21歳・大学生 Aさん

そこで今回は、Aさんから頂いたお題「論理的思考法を学んで何か役に立つのか」を拝借して、「論理的思考法を仕事で使う」を「未来を輝かせるツール」に変えたいと思います。

【私ならこう考える】

Aさんが授業で学んだ、論理的思考法の1つ帰納法を取り上げて
その活用法を考えてみます。
ちなみに、帰納法とは、
〇〇に関して分析したいと考えた時、
〇〇に関する複数の物事や事例を収集して、
その中から共通する情報やルールを抽出して
〇〇とは、要するに~である
という結論(仮説)を得る思考法です。
 
ステップで整理するとこんな感じです。
 
【第一ステップ】
    〇〇に関する複数の「物事」や「現象」を収集する
または、
    〇〇に関する複数の「人のコメント」を収集する
または、
    〇〇に関する複数の「人の考えや意見」を収集する
 
【第二ステップ】
第一ステップで収集したデータの中から共通点や共通概念を抽出する。
 
【第三ステップ】
第二ステップで抽出した共通点や共通概念を目の前に並べ(整理して)それらを熟考して「〇〇とは要するに~である」という結論(仮説)を得る。
 
という分析法です。

一般的な帰納法の活用例

ではビジネスシーンで帰納法を実際に活用する場合を考えてみましょう。
例えば
    人事部が「現在の評価制度の課題は何か?」を知りたいとします。
 
    そこで社内のマネジャー50名に対して「どんな課題があるか教えて欲 
  しい」と50名分の意見を収集します。

③    収集した50のデータから共通する概念を抽出して整理したものから
   「現在の評価制度の課題は、要するに~である」という結論(仮説)を
       得る。
という流れです。
 
問題の核心に迫る為に
〇〇とは、要するに~である」を知ることは、
ビジネスにおいて欠かすことのできない重要なプロセスです。

私の帰納法の活用例

私自身も仕事上で、
〇〇とは、要するに~である」と言う結論(仮説)を得るために、
帰納法的アプローチを使うことが時々あります。
 
先日、某会社の管理職研修で※トランジション(Transition)を取り上げた時のことを事例としてお伝えします。
トランジション(Transition)とは「変り目節し目」のこと。
 
管理職が社員のキャリアを考える上で、
人は誰もがトランジションの連続である」ことを理解するのは大切なことです。
 
人は生きていく上で様々なトランジションを経験します。
例えば
「受験」「受験の失敗」「就職」「期待した就職が叶わない」「昇進」「期待した昇進が叶わない」「転職」「期待した転職が叶わない」「結婚」「離婚」「罹患」「死別」など大きな出来事はトランジションだと言えます。
 
ではトランジションに対して
人は、どう向き合い、どう乗り越えたら良いのか?
その結論を帰納法的アプローチで導くことにしました。
 
まず心理学及び社会学の大家の「複数の考え」を調べて収集します。
 
■米国の心理学会の会長(当時)のブリッジス自論を次のように述べています。
「トランジションはやり過ごすだけでなく、次のステップに進むために何が必要かを見出すことが必要である。そのために逃げずにとどまり、新しい状況に自分を適応させる何かを見つける時間と捉えることが大切である」
 
■米国のエール大学の心理学教授(当時)のレビンソン自論を次のように述べています。
「人間の生活構造は永続的ではなく、一つの生活構造は7、8年を超えて続くことはない。トランジションの時期は次の生活構造に移る準備期間を意味しており、混乱するのではなく、誰もが自然に通過していく過程と捉えることが大切である」
 
■米国のメリーランド大学の教育学科名誉教授(当時)のシュロスバーグ自論を次のように述べています。
「トランジションが起きると、①ライフ・ロール、②人間関係、③日常生活、④自己概念の変化が一つまたは二つ以上起きる。こうした変化は、人によりプラスの場合もマイナスの場合もあるが、トランジションを乗り越えるためには、このマイナスの影響を最小限にして、状況を冷静に客観的に受け止めて対処することが重要である」
 
 
以上の三人の大家の自論から
私は帰納法的アプローチを使って、
「トランジションを乗り越えるには、要するに~である」という結論(仮説)を次のように得ました。
 
【課題】
トランジションを乗り越えるには、
 
【結論(仮説)】
要するに
「自分が置かれた状況を理解し見定めた上で、今は自分の「役割」「人間関係」「日常生活」「考え方」を自分が望む次のステージに適合するように変化させるまたとないラッキーなチャンスの時期である、と捉えること]
である。
 
どうですか?
けっこう使えると思いませんか?
学生の内にぜひ試してみてください。
 
仕事でも強力な武器になります。
 
アナタの輝く未来のために!

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