【お題拝借】適材適所について考える(51歳・会社員)
愛知県東海市にお住まいの51歳の男性会社員Mさんから頂いたお題を紹介します。
そこで今回は、Mさんから頂いたお題「人の適材適所って難しい」を拝借して、「適材適所について考える」を「未来を輝かせるツール」に変えたいと思います。
【私ならこう考える】
「適材適所」は、日頃 私が企業向けに対応しているテーマですので、今回は、経営力向上プロデューサーの立場から私の考えをお伝えしたいと思います。
以下が世の中の経営コンサルタントが商売上使っている常套句です。
「組織が成長するための前提は、社員ひとり1人が持つ能力と適性とがきちんと評価され、それに相応しい適材適所がなされていることです」
「個人の持つ能力や適性がきちんと評価され」の部分は紙面の都合上次の機会に譲り、今回は「それに相応しい適材適所がなされている」の部分に焦点を当てて話を進めます。
「相応しい適材適所」は妄想
経営コンサルタントは適材適所をどうやって実現するのか?
実は、世の中のほとんどの経営コンサルタントはその答えを持っていません。
理由は、世の中のほとんどの経営コンサルタントは「適材適所」の本質を理解していないからです。
試しに彼らに「相応しい適材適所をどうやって実現するのか?」と聞くと、実践では使えない(具体的ノウハウの無い)抽象的なコメントしか返ってきません。
私は自身の経験から「適材適所」について以下のように割り切って考えています。
もし社員一人一人の適材適所が事前に把握できたとしても(私はそれを妄想と言っていますが)企業において人材リソースと組織編成とのマッチング(数と質の両面において)の都合上、そこで働く人が適材として適所に配属することは現実的に難しい。
例え、ある瞬間に適材として適所であるかのように見えても、
社会も組織も人も常に変化しているので直ぐにズレが生じる。
つまり「相応しい適材適所」は、事前に図ることが出来ないし、
図ろうとすることに意味がない。
なぜなら適材適所とは 結果論で 今この瞬間も変化し続けている
シロモノだから。
以上です。
ではそんな適材と適所について、
マネジャーは、
自分自身はどう向き合っていくべきなのか?
その点を次に考えてみたいと思います。
マネジャーが「すべき事」
まず私が考えるマネージメント側のポイントを3つ申し上げます。
①自分の適性・才能を見つけられない部下がいたら、マネジャーはそれを引き出すよう力を貸す。
もしアナタが未熟なマネジャーなら少なくとも気持ちに寄り添う。
②自分の適性・才能に目覚めていて、更にその適性・才能伸ばしたいと思っている部下がいたら、
それを伸ばすために必要な経験を仕事を通じて積ませる。
もしアナタが未熟なマネジャーなら少なくとも邪魔をしない。
③部下から、「ボス、私のキャリア・プランをどのように考えていますか?」と聞かれたら、
「私はアナタの強み、価値観を〇〇と把握しているので、アナタは今後◎◎の方向でキャリアを積んでいけば良いのでは、と考えているけど アナタはどう考える?」と自分の意見を伝える。
もしアナタが未熟なマネジャーなら少なくとも自分の意見を部下にしっかり伝えられるようになるまで、日頃の観察を怠らない。
私はマネジャーが適材と適所を考える上で
この3つの“少なくとも”がキーワード(キモ)だと考えています。
なぜなら多くのマネジャー(大企業も含め)はマネ-ジメント能力を十分身に付けなないまま、
マネジャーに昇進しているからです。
社員が「なすべき事」
昭和の高度経済成長期と異なり令和の20代、30代の社員は、
レールに乗った一部の社員を除き昇給はキャリアの途中で完全にストップします。
30代後半に
「あれ、自分はひょっとして一生平社員で終わるのか?」
「これ以上、給料が上がらないのか?」
と気付いた頃には手遅れの可能性が高い。
よってアナタが
自分の乗ったレ-ルの先に自分の望む人生がなさそうだ、と感じたなら、自分の適材と適所について(会社に頼らず)自分の頭で考えて「自分プロジェクト」を実行する必要があります。
【自分プロジェクト】
①上司に対して、自分の希望を伝え、望むキャリアに沿った適所を勝ち取る。
②社内公募やFA制度を利用して(または転職して)望むキャリアに沿った適材を目指す。
③適材も適所も変化し続けるので「自分プロジェクト」もPDCAを廻し続ける。
「自分プロジェクト」の実行は着手が早いほど自分の望む人生に近づく可能性が高まります。
「相応しい適材適所」を妄想している時間があったら
「すべき事」「なすべき事」を一度考えてみませんか。
アナタの輝く未来のために!