【キャリア相談】30代のころの不安 (29歳・会社員)
岐阜県にお住いの29歳の会社員Aさんから頂いた相談を紹介します。
そこで今回は、Aさんのキャリア相談「30才のころの不安」を頂戴して、「30代のころの不安」を「楽しみに変えるチャンス」にしたいと思います。
【私ならこうする】
30代のころ(1980年代)私は何をしていたか、と言いますと、
当時の私は、新たに設立された移動体通信事業会社 IDO(auの前身)に
席を置き、
各出資会社から送り込まれた他メンバー総勢23名と、
まだ海のものとも山のものとも分からない移動体通信(まだ携帯電話と言う言葉は在りませんでした)の立ち上げに向けて“もがいて”いました。
送り込まれたメンバーの出身母体はトヨタ、日産、東京電力、中部電力、三菱商事、三井物産、三菱銀行、住友銀行、三井銀行、新日本製鉄、NEC、富士通などで正に混成部隊でした。
私がぶつかった壁
私の役割は人事でしたが、
「人事制度をどうするか」などと悠長なことを言っている状況ではなく、
兎にも角にも人を採用することが最大かつ緊急の課題でした。
そこで私は着任早々に、中途採用活動、新卒採用活動に全精力を注ぐことになりましたが、
すぐに壁にぶつかりました。
ぶつかったのは、
相手(大学4年生、大学の担当教授、転職を考えている社会人)に対して、
まだこの世に存在しない移動体通信サービスを相手にどうやって分かり易く説明するか?
更にそのサービスの必要性と将来性をどうやって説明するのか?
と言う壁でした。
特に苦戦したのは理系学部の生徒の指導教授でした。
当時の理系の大学生、院生の就職は、指導教授の意向で決まる時代でしたので、私も東京都内はもとより全国の教授詣をしましたが、
結果は厳しいものでした(苦笑)。
こんな感じです。
【都内の大学にて】
(私)
将来必ず必要となるサービスです。
学生にとってこの事業のパイオニアとしてスタートから携われる大きなチャンスです。
(A教授)
そんなサービスが普及するとは思えないよ。
必要があればそこら中にある公衆電話を使えば済むことじゃないか。
(私)
先生のお考えを否定するつもりはありませんが、
ひょっとして関心を示してくれる学生がいるかもしれませんので、
学生さん用に資料を5部置かせていただきます。
(A教授)
1部でいいよ。
【名古屋の大学にて】
(私)
サービス開始は東京23区からですが再来年には名古屋に通信エリアを拡大する予定です。
(B教授)
名古屋の親御さんは地元指向、安定志向が強くて、
東京の聞いたことがないサービスを提供する会社に子供を出したがらないと思うよ。
わざわざ東京から来てもらって申し訳ないけど。
先の不安の正体
しかし当時の私は、こうした「塩対応?」に、めげたり、落ち込んだり、することはありませんでした。
理由は、誰が何を言おうがこのサービスは“近い将来必ず花開く”と言う
妄想に近い(笑い)信念があったからです。
もし私が移動体通信事業の将来性に半信半疑の状態で、
相手に頭ごなしに否定されたり、拒否されたら、相当めげていたと思います。
私が「妄想に近い(笑い)信念」を持てたのは、
入社した自動車メーカーで当時の自動車市場を見ていたことにあります。
当時の自動車は他の商品には無い「魔性性(ましょうせい)を持った商品」でした。
当時の私は、移動体通信サービスには「魔性性(ましょうせい)」がある。
と勝手に確信していました。
【自動車が持つ他の商品には無い魔性性】
① 一度でも使ったら(イニシャルに加え高額なランニング費用が掛かるの
に、都心では時々にしか使わないのに)継続して保有したくなる。
② 新車が出ると新しい車が欲しくなって(保有している車が故障していな
いのに)買い替えたくなる。
③ 中古品でも良いから欲しいと言う人が多くて(他の製品・商品には無
い)新製品販売と同規模の中古市場が存在している。
いま振り返ると、自動車にあって移動体通信(携帯電話やその後のスマフォ)になかった魔性性は③だけで、①と②は自動車に近いものがあったのでは、と思います。
妄想の三段活用
ご相談の答えになっているかどうか分かりませんが、
以下を私は「妄想の三段活用」と名前を付けています。
将来必ず〇〇になると思う
⇒将来必ず〇〇にさせたい
⇒将来必ず〇〇にさせてみせる
三段目で妄想が信念に変わり、信念が不安を吹き飛ばします。
突き進んで失敗しても30代ならいくらでもやり直しが出来ます。
それは30代の人たちに与えてくれた神様からのギフトです。
アナタの相談の応えになったか少し不安(笑)ですが、
何かの参考になれば幸いです。
アナタの輝く未来のために!