【お題拝借】IT投資は厄介な代物 (44歳・会社員)
中野区にお住まいの44歳の会社員Hさんから頂いたお題を紹介します。
そこで今回は、Oさんから頂いたお題「ITは厄介な代物」を拝借して、
「IT投資は厄介な代物」を「未来を輝かせるツール」に変えたいと思います。
【私ならこう考える】
経営トップを悩ませるテーマとは何か?
私の場合は、「重い順」(=自分の頭の中を占める時間が多い順)に次の6テーマでした。
①キャッシュの状況(含む資金調達)、②販売(売上)の状況、
③投資の判断(含むIT投資)、④新製品・新サービスの開発、
⑤利害関係者(含む社員)との人間関係、⑥必要人材の確保
三番目の「投資の判断(含むIT投資)」。
特に「IT投資」は私にとっても実に厄介な代物でした。
「IT投資」と聞いて私の脳裏に浮ぶイメージは
「リスクマネージメントが極めて難しい放蕩息子」
です。
なぜ放蕩息子なのか?
「IT投資」は他の投資と比べ以下の「4つの特異な特徴」を持っているからです。
①さっき食べたばかりなのに「腹減った」と直ぐ駄々をこねる。
②さっき病院に連れていったのに「お腹が痛い」とまた泣き出す。
③さっき洋服を新調したばかりなのに「もう小さくて着られない」と文句を言い出す。
④ここまで苦労して育ててきたのに「そろそろ引退します」とまだ3年も経たないのに開き直る。
当時の私のノートから
参考まで、「IT投資」に関して私が当時ノートに記述していた
「3つのメモ」を原文のまま紹介します。
【メモ1】
HBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)誌2003年5月号で、ニコラス・カーは、「ITは既にコモディティ化しており、「IT投資は必要条件に過ぎない(=競争優位をもたらさない)」と位置づけ、
次のような防衛的な考え方が必要」と主張。
①投資額を抑える
②先行しないでフォロワーになる
③機会でなく、脆弱性にフォーカスする(停止やトラブルの回避を旨とする)
⇒ 焦るな!!
【メモ2】
一方、ブラウン及びヘイゲルは、HBR誌2003年7月号で、ニコラス・カーの主張の重要性を認めつつ、「ビジネス慣行(ビジネスプロセスや組織プロセス)の革新を伴わないIT投資は、経済的にも戦略的にも効果は小さい、或いは無い」と主張。
⇒ 必要条件と十分条件!!
【メモ3】
「ITの投資効果」は「社員のIQレベル」と「組織のIQレベル」に
依存する。
「社員IQ」とは
「社員の能力開発、健康管理(心身)、意識管理 倫理教育、キャリアマネージメントなどのレベル」
「組織IQ」とは
「組織内のコミュニケーションの仕組みの整備、意思決定機構の整備、内部統制などのレベル」
⇒ 先にやることがある!!
ニコラス・カーの真贋
2003年当時ニコラス・カーが主張した3点
「投資額を抑える」
「先行しないでフォロワーになる」
「機会でなく、脆弱性にフォーカスする」
彼の提唱をいま振り返ると気付かされることがあります。
その後クラウド・コンピューティングという概念が海の向こうからやってきて、ITを所有(固定費化)することで頭を悩ませていた多くの人々の悩みを開放しました。
直近では、ノーコード、ローコード、チャットGPTという新たなツールが海の向こうからやってきて、資金・人材の両面からAI投資・導入を躊躇していた多くの人々の悩みを開放しました。
「焦るな!!」
「必要条件と十分条件!!」
「先にやることがある!!」
当時の私のメモをアナタに伝えたくなりました。
アナタの輝く未来のために!