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贅沢な働き方。
働き方を模索し始めた去年の今ごろ。
私は知人のチーズ専門店で週一パートとして
働いていた。
なんといっても10年以上フリーランスという
雇用形態で働いてきたので、人に雇われて決まった時間働くことに自信が持てなかった。
フルタイムの仕事を探しながらとりあえず
社会に出る肩慣らし的に選んだパートの仕事だった。
チーズ専門店というだけあって、ヨーロッパから輸入された有名なナチュラルチーズをはじめ国産・県産チーズを扱う店は、固定客がついておりコロナ禍といえども客足が減ることはない様子だった。
雇ってくれた店長とも年齢が近く、仕事の合間の話も楽しかった。
しかも私はコロナ禍前に、五十歳でチーズプロフェッショナルの資格を取った女性の「チーズ教室」に通ったことがあったので大好きなチーズに
まつわるウンチクを知ることが出来ることも嬉しい環境だった。
私が一番好きだったのが青かびの代表格ともいえる「ロックフォール」というチーズだ。
ロックフォールはフランスの決められた洞窟でしか作ることのできないブルーチーズ。
食べるとピリリとした味わいと塩気があり口溶けが柔らかくフルーティーなパンと食べると絶妙な味わいがする。
私がその味について付き合いの長い友人に話すと
「100グラム千円もするチーズなんて、
自分は高級すぎて食べない(笑)。」
ときっぱり言われたりもした。
確かにああいう食べ物はお客を選ぶ。
私は日常的にナチュラルチーズを食べる余裕は今のところないけれど。
パートと言えども贅沢な時間を過ごせる働き方だったと、当時を懐かしく思う。
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